
1) 電子と正孔にクーロン力が働いているのに、なぜ結合せずに一定の距離を保ったままで存在できるのですか?
また、逆になぜ離れてしまわないのですか?
水素原子で古典的に考えると、原子核が静止していると見なすと電子の円運動だけに着目すればいいので、一定の距離を保つというのはイメージできます。しかし、励起子の場合は電子も正孔とほぼ同じスケールの質量であるから、クーロン力の働く2粒子の運動を考えなくてはならない。そうなると一定の距離を保って運動するというのがイメージできません。
2) 電子と正孔は複数個存在するのに、励起子のように何故に2個をワンセットで考えるのですか?
電子と正孔がそれぞれn個存在したら、2n個の多体問題になると思うのですが。。。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
> 水素原子で古典的に考えると、原子核が静止していると見なすと電子の円運動だけに着目すればいいので、一定の距離を保つというのはイメージできます。
しかし、励起子の場合は電子も正孔とほぼ同じスケールの質量であるから、クーロン力の働く2粒子の運動を考えなくてはならない。そうなると一定の距離を保って運動するというのがイメージできません。大学の1年の時に習う「2体問題」を思い出してください。2体問題は重心運動と相対運動に分離できます。電子正孔の相対運動は、換算質量を定義すれば、原子核が固定されてて周りを電子が回る問題と“同じ形の式”になります。物理において式が同じとは、同じ挙動をするわけです。質問者の方がイメージできないということであれば、式を見ながら、それがなにを意味するのかイメージしてください。
> ) 電子と正孔は複数個存在するのに、励起子のように何故に2個をワンセットで考えるのですか?
電子と正孔がそれぞれn個存在したら、2n個の多体問題になると思うのですが。。。
通常の励起子を考える場合は、寿命の問題もあり、励起子が極めて希薄にしか生成できません。励起子同士が出会うのは極めて低い確率です。
でも特殊な装置で励起子濃度を増やせば、4体問題(普通の励起子を水素原子とすれば、励起子の水素分子版)になることはよく知られています。励起子分子です。
No.5
- 回答日時:
leo-ultraさま。
#3です。>>フレンケル型励起子は自由に動き回ることは無くなります。
>え!そうなんですか!? でも自己束縛励起子じゃないから並進対称性は残っているから、動き回るのじゃないでしょうか?
言葉足らずでした(^^);。ワニエの場合、正孔と電子は互いの周りを周回運動しますが、フレンケルの場合は正孔と電子のペアーである励起子は局在化していますが、励起状態が並進運動するというイメージだと思います。丁度電球の点滅が伝わるように。。。間違っていたらすみません。
No.4
- 回答日時:
#1です。
#3さま>フレンケル型励起子は自由に動き回ることは無くなります。
え!そうなんですか!? でも自己束縛励起子じゃないから並進対称性は残っているから、動き回るのじゃないでしょうか?
この点について、もう少し詳しくお教えいただけたら幸いです。
No.3
- 回答日時:
ご承知の様に励起子にはワニエ型とフレンケル型がありますね。
正孔と電子の距離が結晶格子の長さより大きく離れており、水素原子の原子核と電子のようにクーロン力で引き合いながら運動する励起子がワニエ型で、これは水素原子の場合と同等の取り扱いができます。+と-だからいきなり引っ付くのではありません。この辺おイメージは参考URLを見てください。尚、引っ付くと光を発して励起子は消滅します。一方、正孔と電子の距離が同程度の距離となっているのがフレンケル型と呼ばれています。この場合はワニエと異なり自由に動き回ることは無くなります。
> 電子と正孔は複数個存在するのに、励起子のように何故に2個をワンセットで考えるのですか?
電子の抜けた穴が正孔で、これらが束縛状態になるとエネルギーが少し下がりますから2個ワンセットで存在するほうが安定ということになります。
http://www.tagen.tohoku.ac.jp/labo/arima/lecture …
参考URL:http://www.tagen.tohoku.ac.jp/labo/arima/lecture …
No.2
- 回答日時:
1a) なぜ離れてしまわないか?
励起子も熱を与えると乖離します。また、別のキャリアと衝突した場合でも乖離します。
1b)なぜ水素原子と同じ形の準位をつくるのか?
本質は、質量の大小ではなく、どちらも波動関数(励起子の場合は、正確には包絡波動関数ですが)が、重心移動項と相対運動項に分離できるということです。水素原子の場合、陽子と電子の質量比が大きいため、陽子の位置を重心位置と見なしてもかまわないので、このことが混乱を生じているようですね。
励起子準位の求め方などは、ユー/カルドナの半導体の基礎(シュプリンガーフェアラーク東京)に詳しく書かれていますので、一度読まれる事をお薦めします。
2)何故2個セットで考えるのか?
電子と正孔はそれぞれ別の電荷を持つため、強く引き合います。しかし、一旦励起子を形成してしまえば、離れた位置から見れば、電気的に中性になるため、励起子が更に電子や正孔を引きつけたり、励起子どうしが引きつけ合うといった力は非常に弱くなります。しかし、励起子が他の粒子と全く相互作用しないわけではなく、極低温状態では、中性化した不純物に束縛される割合が増えます。また、複数の励起子が分子を形成することもあります。更に、電子・正孔対濃度を高めると、個々に励起子として存在するのではなく、electron hole dropletというプラズマのような状態を形成します。この話はキッテルにも載っています。
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