No.7ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
自分の世界が夢ではなく現実であることを客観的に証明することはどうやっても不可能です。
「夢」も「現実」も、これらはみな我々の意識として投影されるものですから、唯一それを判定する手段とは「主観的内省」しかありません。従いまして、「客観的な外省」というのは本質的に不可能であり、結果は「自覚」としてしか得ることができません。
夢といいますのは覚めてみれば分かります。これと同様に、現実も覚めるならばそれを夢と判定することが可能ということになります。ですが、現実から目覚めるということは、取りも直さず我々が知る「夢」と「現実」以外にもうひとつ別の「状態・世界」が存在し、そこへ移行しなければならないということです。ですが、そのような体験といいますのは未だかつてありませんし、仮に覚めてみたところで、そちらが現実であるかどうかはまた覚めてみなければ分からないのですから、これでは永遠に限がありませんよね。
さて、このご質問は、最終的にはそれが夢であるかどうかではなく、そこに現実というものが存在するか否かの「存在論」ということになります。
「夢」といいますのは「事実と一致しない」という特徴を持っています。仮にその夢が事実に基づく内容であったとしましても、少なくとも起きてみれば、自分はそのとき寝ていたという事実とは必然的に一致しなくなります。
夢が事実と一致しないのは、それは寝ている間は感覚器官からの情報入力が閉ざされており、そこに発生する意識は外部環境との関係を結んでいないからです。これに対しまして、起きているときに発生する意識といいますのは感覚器官から得られる外部情報に事実として対応します。我々はこれにより、それを現実と判定します。
しかしながら、最初に申し上げました通り、このような外界の知覚情報に基づく意識といいましても、本質的には飽くまで「内省による主観」でしかありませんから、その結果が事実であるかどうかを客観的に評価する手段というものは構造的に存在しません。これがどういうことかと申しますと、この世界には60億の人類がおり、我々はその中で家族や友人と共に暮らしている、それが事実であるかどうかを証明することができないということです。
このように、このご質問は最終的には「存在論」ということになります。
この世には自分以外にも60億の人間が存在し、海や川があり、様々な動物たちが暮らしている、我々にはそれを事実として証明することはどうしてもできません。ですが、このような意識が発生するということは、取りも直さずそこには「認識の主体としての自分」というものが何らかの形で存在するということです。ですから、60億の存在が果たして事実であるかを知ることはできませんが、これを認識することができるきる以上、それが現実であれ夢であれ、そこに自分が存在することだけは紛れもない事実であるということになります。このため、「我思う、故に我あり」という結論が導かれました。
夢も現実も、自分という主体がなければ存在しません。ですから、この世界が夢であるか現実であるかは分かりませんが、仮にそれがどちらであったとしましても、そこに自分が存在するということだけは事実であります。
ご丁寧な説明感謝します。
夢と現実を区別すること、あるいは現実の存在を証明することは不可能という結論ですね。一方でそれを考える主体だけは少なくとも存在すると。
一見すると、科学は発展し何もかも確かな印象を受ける今日ですが、その足元は依然として、また永遠に砂のように不安定と言えそうですね。重厚な歴史も、過去の偉人もそのような不安定な世界の同居人であると考えられます。何か大きなものに抱かれて生きる我々のか弱い存在が、どうしても強調されてきますが、一方でそのような存在ゆえの安心感もありますね。ありがとうございました。
No.14
- 回答日時:
>夢と現実世界が区別つかなくなるとしたら「現実が夢に」なっていく時なんでしょう
これは、現実逃避的、悲観的な前提です。
あはは。。
現実が夢になっていくことが現実逃避的、悲観的な前提。。。
貴方が現実を世を忍ぶ仮の姿と思って生きているにすぎない。
生の延長線上
理想とする社会の創造の延長線上
その線上にあるとき何故逃避的になりえるだろうか。
悲観的というのはありえるが。
荘子の胡蝶の夢的なことをテーマにするならもう少し思考を自分の興味とか思いにばかりに囚われないほうが世の中が見えてくるのではないでしょうか?学んで思わざれば即ち暗しというやつですな。実践の伴わない思考は。
今後の
御健闘を祈ります。
No.12
- 回答日時:
ともかくまじめなご提題ですね。
デカルトは遠くうわさでしか知りません。
以下、おことばを《》に引きます。
《「夢と現実の区別は不可能」というもののようです。》
それは、その限りでは、そのとおりですね。
ただ、『我、思う』の、『我』と『思う』の両方が、夢だと申しあげております。
《しかし回答に知識は必要ありません》
『知識』が何かを理解することが、ご質問の次元を理解するポイントになるののでしょうね。
私も知識をお伝えする資格もなく、そのつもりではありませんでした。どうかご収穫、研鑽かご研究が進みましたら、お教え下さい。
邯鄲の夢、夢翁の鯉魚(魚服記)などや、ありの世界に入った人とか、人や創造者或は、その他の意識のだぐい(類)にもたいへん関心をもっておりますのもので。
今は一応方向を決めて歩みをしてはおりますが、決して到達しているわけでは、もちろんないので、いろんなことにもアンテナで感知しようとしております。貴兄様のご質問、これからのご探求などでまとまりをえられそうでしたら、どうかご教示のほどを。
No.11
- 回答日時:
わたしも幼児からつくづく自分の身体や周りを見周わして、とても不思議に惟う、時間が現実生活でありました。
ご回答がみな、たいへんまじめに、ご誠実なので、或は何か多少ともご参考になるかなと、自分の考えを書こうと致しましたが、言葉をたいへんきりつめて、ご質問の理由や事情などの説明もなく、どんな次元や性格のものかわからないの、自己のことばが出てこなくて困りました。
経験のお話になりますが、・・・
夢から醒めたとされる状態では、それが夢だったと思えますね。
夢の中では、夢だという思いはないのでしょうね。
それで人生や創造界が、唯一の意識の観念であるという説明があるのですが、それをよく理解して、夢中になりすぎないで生きていられればその夢を醒め状態で観劇しているのでしょうね。
でも、つまるところは、所詮自分と対象が存在している世界にいるなら、それは夢の中なのでしょうね。そうはお思いになられませんか?
参考URL:http://www.yogananda-srf.org/
ご丁寧にありがとうございます。
この質問はそれほど切迫した性質のものではありません。しかし、我々の認識、考え方の根幹に関わる問題ですから、誰もが考えるに値するテーマだと思います。
ご回答による結論は、「夢と現実の区別は不可能」というもののようです。これはデカルトが400年以上前に考えて以来、今日まで変わらない認識と思われます。私はこのテーマが現代、新たな視点で捉えられ得るのか、知りたかったのです。しかし回答に知識は必要ありません、皆様の率直なご意見の中にも、論理的な展開が見出せれば良いと考えています。
No.10
- 回答日時:
夢か現実どちらに認識している存在があるかのまえに、そもそもあなたはここにいるのですか?私はここに居るという認識は、私はここに居ると認識している「疑っている」認識に過ぎません。
認識している認識を認識している認識は認識に過ぎません。←これも認識に過ぎません。←認識。突き詰めれば認識する存在は在る!←これも認識です。意識や魂があるのか考える意識が存在する!という意識である以上、それが存在なのかわかりません。http://www.aozora.gr.jp/cards/000182/files/3216_ …
まあ、形而上学的なことはともかく、よく成功哲学の本を見ていると、「成功をイメージせよ!」と書いていますよね。潜在意識にイメージを刷り込んで、成功している自分をイメージする。
人間の認識は現実と夢を区別できないから、寝ている時の夢にしろ心に描いた夢にしろ現実を必死に生きているにしろ(これは夢?)、本当にイメージした世界に居る自分に近づくからこそ、"夢をイメージし続けろ!"と言うんすね。
色々と考えましたが区別はつかない意識する意識みたいなものがあるようです。
有難うございます。
今回の問答で頻繁に見られますが、これは論点のずれやすい問題です。問題とする論点は「夢と現実の区別」であり、意識は存在するといった展開は関連項目ですが本旨ではありません。極端な純粋論理的には意識の存在・不存在に関わらず「夢と現実を区別」できる可能性はあります。私は単なる常識ではなく、哲学や論理的にどう説明できるかという点に興味を持っています。従いまして非常識な展開でも、論理的であれば参考と致します。
皆様ありがとうございました。
No.9
- 回答日時:
夢って
rem睡眠中に見るのと
覚醒時に例えば自分の将来について抱く夢とは何か次元が違うような気がします。
レム睡眠中の夢は脳のバランスをとるために現実との反作用的なものを見るというのをきいたことがあります。でも、わらしべ長者に見られるような夢はrem睡眠中の夢であるにもかかわらず現実にかかわってきます。そしてそれに似た話は現代においてもよく耳にします。
自分の将来に対して抱く夢も実現可能なものと不可能なものがあると思います。不可能だよって思ってしまうことの中にも決して不可能でないものもある。一代では無理なものであってもそれを引き継ぐ者が現れれば夢は途絶えない。
夢と現実世界が区別つかなくなるとしたら夢が現実になっていく時なんでしょうね。個人の見る夢も。集団の価値の共有による夢も。
思うのは、例えば月や火星に人類が住めるようになる、住めるようにすることが人類共通の夢ではないということです。以前NHKの番組でやっていました。アメリカで月に住めるような環境を作る研究として地球上に巨大な閉回路のドームを作り、そこに循環する生命の生態系を作り上げるというものでした。その研究がどうなっていったかは今解りませんが、最後にそこの研究者が言っていました。
月に循環する生態系を創造することの研究は
結局は地球を循環可能な生態系にしていくことの考察であると。
宮崎駿の天空のラピュタの中でも言っています。
この生命を育む大地をなくして人は生きられない。
そのことを犠牲にしての人の文明の進歩は地球に生まれたものの共通の夢ではないと思うのです。
興味深い点のみ引用させて頂きます。
>夢と現実世界が区別つかなくなるとしたら夢が現実になっていく時なんでしょう
これは現実が理想に近づくことを前提としている点で、非常に良い意見だと思います。理想主義的、あるいは楽観的な態度として肯定されるべきです。しかし一方で、同じ前提もありえます。
>夢と現実世界が区別つかなくなるとしたら「現実が夢に」なっていく時なんでしょう
これは、現実逃避的、悲観的な前提です。このように考えなかった回答者様の性格に私は安心いたしました。世の中、前者のような「良い」世界であって欲しいと私も思います。
No.5
- 回答日時:
妄想に囚われないことで、夢と現実を分別してきたもとのものを識ることができます。
それを(変わらない、もしくは変えられる)現実と思いなさず、夢であるとも思わず、何でもないとして虚無を思わず、何も思っていないのでもない、そのように思いを知って、妄想を離れます。
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