アプリ版:「スタンプのみでお礼する」機能のリリースについて

少し前までは、本籍地管理の身分証明書には
禁治産者と準禁治産者の項目しかありませんでしたが
最近これに破産者の項目が加わりました。
これの経緯と破産者の記述といわゆる裁判所の
破産宣告の関係、および禁治産者と法務局の
成年後見人登録の関係を説明してください。

A 回答 (1件)

1.歴史的沿革



「囚獄人及徒流人ノ事」(明治5年1月13日太政官布告第4号)によって監獄の身柄拘束者及び徒刑処者又は流刑処者は、その旨を戸籍表又は寄留表に記載すべき取り扱いがなされていたところ、「市町村長ヲシテ本籍人ノ犯罪人名簿ヲ整備シ及転籍者ニ関スル通知ヲ為サシムル件」(大正6年4月12日内務省訓令第1号)により市町村長が犯罪人名簿を作成保管すべきものとされ、また名簿登載者が他市町村転籍の場合には刑罰・破産等の事項を転籍地市町村長に通知することが義務付けられた後、改めて「入寄留者犯罪人名簿整備方」(昭和2年内務省訓令第3号)により犯罪人名簿を、また「禁治産者、準禁治産者名簿及破産者名簿ノ整備」(昭和2年1月29日内務省訓令第4号)により裁判所公告又は他市町村長からの通知により、禁治産者・準禁治産者名簿及び破産者名簿の作成保管を義務付けられると同時に転籍者の新本籍地市町村長に通知を要する旨が定められました。

戦後において、「犯罪人名簿」は内務省地方局長通達(昭和21年11月12日内務省発地第二七九号)などによって選挙資格調査等の資料として引き続き作成保管されることとなりーこれは後に犯罪事務規程(法務大臣訓令)によって対処することとなりーまた「禁治産者・準禁治産者名簿」「破産者名簿」に関しては昭和22年地方自治法が施行されて後も明文上の根拠規定はないものの、従来どおり継続して作成保管され今日に至ったようです。
(平成12年4月1日改正前の地方自治法2条3項(地方公共団体の事務の例示)16号においても「住民、滞在者その他必要と認める者に関する戸籍、身分証明及び登録等に関する事務を行うこと。」とだけ規定されていましたが、選挙・印鑑証明・公私の資格に関する制限事項確認に必要不可欠なことから、各市区町村役場では戦前の「禁治産者、準禁治産者名簿及破産者名簿ノ整備」(昭和2年1月29日内務省訓令第4号)を踏襲する形で条例・規則・規程などの名のもとに作成保管&身分証明事務を行ってきたのが現状でのようです。)

2.後見登記等に関する法律の施行以前(平成12年3月31日まで)

家庭裁判所で禁治産宣告・準禁治産宣告が決定すると、官報に公告され、本籍地の市区町村役場にある戸籍簿(禁治産者・準禁治産者名簿)にその旨が記載されていました。
また、裁判所で破産宣告が決定すると、官報に公告され、本籍地の市区町村役場にある破産者名簿にその旨が記載されます。
これらに基づいて本籍地の市区町村役場では「禁治産又は準禁治産の宣告の通知を受けていない」&「破産宣告の通知を受けていない」旨を内容としてして、もしくは破産宣告に関する事項を削除(破産宣告事項部分を証明しない事も選択可能なので、証明様式は市区町村役場により取り扱いが若干相違するかも)した形の身分証明事務を行っていました。(年月日までは定かでは有りませんが、破産宣告に関する事項も以前から身分証明事項であったように記憶しておりますが?)

3.後見登記等に関する法律の施行以後(平成12年4月1日から)

家庭裁判所で成年被後見人・被保佐人・被補助人の後見等の開始の審判がなされたり、公証人役場で任意後見契約の公正証書が作成された時は、官報や戸籍には載らず、家庭裁判所又は公証人から唯一の登録機関である東京法務局民事行政部後見登録課に嘱託されて後見等登記がなされます。なお、選挙資格制限等の理由から、本籍地の市区町村役場に対し「成年被後見人」の登記がされた旨の通知がなされます。なお、旧法の準禁治産者のうち「浪費者」については、新法以降は被保佐人の対象から除外されたものの、旧法上で宣告を受けた「浪費者(準禁治産者)」は従前のままと定められています。
また、裁判所で破産宣告が決定すると、官報に公告され、本籍地の市区町村役場にある破産者名簿にその旨が記載されます。
これらに基づいて本籍地の市区町村役場では「禁治産又は準禁治産の宣告の通知を受けていない」「後見の登記の通知を受けていない」&「破産宣告の通知を受けていない」旨を内容として、もしくは破産宣告に関する事項を削除(破産宣告事項部分を証明しない事も選択可能なので、証明様式は市区町村役場により取り扱いが若干相違するかも)した形の身分証明事務を行っています。

なお、改正後新しく登記された「被保佐人(・被補助人)」に関しては、「成年被後見人」と違って本籍地の市区町村役場に通知されないので、完全な身分証明を得るためには、本籍地の市区町村役場の身分証明書だけでは足りず、東京法務局民事行政部後見登録課にて「登記されていないこと」の証明書の交付を受ける必要があります。

4.旧法上の禁治産者・準禁治産者に関する件

改正後は「禁治産者」「準禁治産者(浪費者を除く)」ともに各々「成年被後見人」「被保佐人」とみなされますが、何も手続をしなければ戸籍簿上は「禁治産者」「準禁治産者」の記載がそのまま残存します。

「禁治産者」に関しては、成年被後見人、成年後見人もしくは成年後見監督人とみなされる者又は当該成年被後見人とみなされる者の配偶者もしくは四親等内の親族が、改めて後見(成年被後見人)の登記を申請することが出来ます。同様に、「準禁治産者」に関しても、被保佐人もしくはその保佐人とみなされる者又は当該被保佐人とみなされる者の配偶者もしくは四親等内の親族が、改めて保佐の登記(被保佐人)を申請することが出来ます。
「成年被後見人」「被保佐人」とみなされる者について、改正後に確定した審判に基づく変更の登記又は終了の登記の嘱託がされた場合は、東京法務局民事行政部後見登録課側にて登記がされます。

これらの登記がされた場合には、東京法務局民事行政部後見登録課から「成年被後見人」「被保佐人」ともに本籍地の市区町村役場に対し通知がなされ、この通知に基づいて「禁治産者」「準禁治産者」の記載がある戸籍簿を「再製(=「禁治産宣告」「準禁治産宣告」事項を省略・白紙化して新たな戸籍簿が作成)」することになります。

上記のとおり、改めて申請等をしない限りは従前と変わらず、また「浪費者」は従前のままの扱いですから、結局は3.と同様に、完全な身分証明を得るためには、本籍地の市区町村役場の身分証明書だけでは足りず、東京法務局民事行政部後見登録課にて「登記されていないこと」の証明書の交付を受ける必要があります。

以上当初の予想どおり(躊躇していましたが、どちら様からもカキコミが・・・なので)超々長文になってしまいましたが、あくまでも身分証明に関する最低限のカキコミに過ぎないことを御了解下さい、また要約が下手なので御勘弁を&ご質問の意図とズレていたらゴメンm(_"_)m

参考URL:http://www.moj.go.jp/MINJI/minji17.html
    • good
    • 0
この回答へのお礼

自他ともに相当以前から身分証明書を取得する
機会が多かったものでふと疑問に思っておりました。
こんなすごい回答をお寄せ頂き心から感謝申し上げます。

お礼日時:2002/09/14 22:55

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!