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大学で有機化学をしているんですが、けっこう基本的なところから理解できてないと思います。

(1)化合物が非局在化電子をもっているかどうかってどうやったら分かるんですか?
非局在化電子は1つのp軌道が隣接する2つ以上の原子のp軌道と重なって生じる、とあるのですが、軌道のところが特に苦手なのでほぼ意味が分かりません^_^;
(2)正電荷をもつ炭素はどうやったら分かるんでしょうか?
(3)sp3炭素とは何なんでしょう?

分かる方、回答お願いしますo(_ _*)o

A 回答 (3件)

「非局在化電子」という言葉を私は知りませんでした、新しい教科書の言葉でしょうか。


まず簡単なところからいきますと(3)が初めが良いでしょう。
裸の炭素原子は1s軌道に2個の電子、2sには2個の電子、2pに2個の電子を持っています。
これは良いでしょうか?
結合に使われるのは2sと2pの4つの電子です。そして炭素がメタンのように4つの等価な結合を作るときには、原子軌道のうち2s1つと2p3つを使います。これが飽和炭化水素などの基本構造sp3です。s1つにpが三つなので…。
s軌道と3つのp軌道は量子化学的に「直交」しています。
この直交の意味はまた調べて下さい。
この2s1つと2p3つを同じ総数の4つの「直交」した軌道に「書き換える」ことが出来ます。
sp3が4つ、sp2が3つとpがひとつ、あるいはspが2つとpが2つ。どの組み合わせでも出来た軌道は直交しています。
これらの軌道を「混成軌道」と呼びます。ライナス・ポーリング先生達が考えついた概念で有機化合物の構造を量子化学的に説明するのに非常に便利です。
sp3は等価な四つの結合をつくることを表します。正四面体の各頂点に他の原子が来る構造です。
次に(1)の場合上記の混成軌道のうちsp2やsp軌道を持つ場合、同時にp軌道も持つことになります。
このp軌道が電子1つを持ちますが、これらのp軌道同士が隣り合ったり、となりに窒素や酸素のような非結合電子対を持った原子が来るとこのp軌道が結合に関与するためπ(ぱい)結合と呼ばれる結合が作られ、炭素上の電子や隣り合う非結合電子が結合に関与できるようになります。これが非局在化なのです。
すみません、ちょっと長くて分かり難いですね。
(2)はまず炭素に結合している原子の数が3であることが必要です。つまり通常の結合より一つ少ないのです。その場合炭素上は電子が足りなくて正電荷を持つカルベニウムイオン。元々の電子が残っている炭素ラジカル。非結合電子対を持つ炭素アニオン。これらのいずれかになります。
これらの概念はもう量子化学でなくて有機化学の「常識」なので教科書を何度も読んで、理解して下さい。
もちろんどんどん質問して下さって良いのですが。
m(_ _)m
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この回答へのお礼

非常に助かりました!!!1が8になったカンジです笑”10段階で。
そして、混成軌道を今更理解できました^_^;
ありがとうございました。

お礼日時:2007/12/08 22:32

(2)カルボカチオンの場合には電子式を書けばわかります。

炭素原子に属する価電子が、形式的に4個であれば電荷をもたないし、3個であれば正電荷、5個であれば負電荷をもつということです。「形式的」というのは、共有結合二使われている電子は結合原子で等分して考えるということです。つまり、単結合であれば1個、二重結合であれば2個の電子が、その結合に由来する電子として炭素に属することになります。
また、分極を考慮するという意味であれば、電気陰性度の大きい原子に結合している炭素は正電荷をもつことになります。たとえば、カルボニル炭素はこれに該当します。

(3)4本のσ結合を形成している炭素と、3本のσ結合を形成しているカルボアニオンがこれに該当します。後半がわかなければ、それは無視して下さい。

(1)2p軌道が3個以上つながっていることです。つまり、π結合では2p軌道が使われています。したがって、π結合があれば、それを形成している2個の炭素原子はいずれも2p軌道を提供していることになり、結果的に2個の2p軌道がつながることになります。共役ジエンであれば、それが4個、共役トリエンであれば、それが6個つながることになり、いずれも3以上ですので非局在化していることになります。三重結合の場合も同様です。
また、不飽和結合でなくても、たとえばアリルアニオンのように、sp2混成炭素をもち、2p軌道に電子対をもつような原子もこれに該当します。また、アリルアニオンのように2p空軌道をもつ原子もこれに該当します。
したがって、アリル系では2p軌道が3個つながることになりますので、非局在化ということになります。

なお、軌道の混成がわからなければこういったことの理解は絶望的です。上の説明がさっぱりわからないというのであれば、電子配置や軌道の混成の所からじっくり勉強して下さい。教科書以上の説明をここで求めても無理というものです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。

お礼日時:2007/12/08 22:35

#1さんが詳しく書かれているので、簡潔に書いておきます。



(1)主に共役二重結合(単結合と二重結合が交互になっている)
(違う場合もありますが、とりあえず、これでいいでしょう。)

(2)電荷を持っていない炭素から負電荷を持った原子や原子団が取れたもの

(3)s軌道1つとp軌道3つが混ざり合って、等価な4つの軌道になっている炭素。炭素から出ている結合の数が4つで、正四面体型構造になっている炭素。
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この回答へのお礼

簡潔にありがとうございました!!!

お礼日時:2007/12/08 22:34

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