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「人間を支配する者と支配される者に分けて閉鎖的な空間に閉じ込めると必ず虐待を起こす」
という実験が行われたとテレビで観たことがあります。テレビによると悪魔の実験だとかで研究者は大変な批判を浴びたそうですが…。

この実験に具体的な呼び名があれば教えてください。
あと、「支配される側に振り分けられた人間は必ず虐待を行う」という仮説は正しいのでしょうか?例えば私を含め、今の日本人のほとんどは血を見るだけで気分が悪くなる精神的に脆い人間ですし、私は人一倍弱い者いじめは嫌いなつもりです。けれどそんな私でも環境次第で虐待を行ってしまうのでしょうか?

中国人がチベット人を虐待する。アメリカ人がイラク人を虐待する。
そんなニュースを聞くたびに、その実験を思い出してしまいます。

A 回答 (2件)

スタンフォードの監獄事件ですかね。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF% …
ただし「支配される側に振り分けられた人間は必ず虐待を行う」というような仮説ではありません。役割や権力への服従というものが発生する構造を分析するためのものです。

元になったのはミルグラムの服従実験のバリエーションです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4% …
これはそもそもナチのユダヤ人虐殺がなぜ起こったのかという疑問から(特殊なレアケースでしかなく、ドイツ人が異常だったであろうという前提で)彼らの異常性を示すことが意図されていたのですが、結果的にアメリカ人でも同様の追い詰められた構造を作ってしまえば誰でも虐殺に手を貸すという衝撃的な結論が導き出されたため、心理学会に与えた衝撃としては大きなものでした。
批判についてはまぁ実験の手法についてですが、この辺の実験を契機に社会心理の学会はこの手の被験者に強い負荷を与える実験自体が認められることはなくなりました。ただそれが社会的にどういう反響があったかというとそれほどのものではありません。今だって心理学的な実験に限らず様々なレポートなんて多数でていますが、だからといってそういうものに社会が一々反応を示すことはないでしょ? あくまでも狭い学会の中で盛り上がってるだけで。

でミルグラムによって証明された服従やら構造をその仕組みから具体的に解き明かそうとしたのがスタンフォード大の事件になります。結果的にというか予想以上に人間の弱さを暴き出してしまったため、実験は途中で中止になっています。

質問者ご本人の疑問については、役割というものが、その人の態度に元々その人が持っているパーソナリティを上回る影響力があるというのはある程度事実でしょう。仮に現代日本で同じ実験を行ったところで、全く同じことになるかどうかは同様の実験を行うことは現在では出来ませんので分かりませんが、ただ例えば見てみぬ振りをしたりするってのは今でも質問者さんご自身(を含む大部分の人)が実践していることですし(別に質問者さんご本人に対して意見を言っているわけではありませんが、チベットやイラクの出来事についても心を痛める程度で具体的に何かをしているわけではないでしょ?)、あるいは教室内のいじめにしても、大部分の人間がそれを見逃しているためにより悪化させているわけで、見てみぬ振りをするというのも一種の加担になります。
ただこういう消極的な加担と積極的な加担の間には大きな差があると普通の人は思われるのでしょうが(ex.見てみぬ振りはしても直接関わったりはしない)、ミルグラムの実験ではその差は殆ど無いということも証明されており、そういう弱さは人間誰しもが持つものと言えると思います。
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この回答へのお礼

ナチスは異常な団体だったわけではなく、誰にでもありうることだったということですか。「一切責任はもたなくていい=じゃあ電流を流しちゃえ」というのと「ユダヤ人は虐殺してもいいんだよ=じゃあ虐殺しようって」というのは確かに通じますね。

>ミルグラムの実験ではその差は殆ど無いということも証明されており、そういう弱さは人間誰しもが持つものと言えると思います

力があるから加害者になる。力がないから被害者になる。あるともないともいえないから傍観者になる。ということでしょうか。隙を見せたら負けってことですね。いつの時代でも、どんな人間でも。

自分で質問したくせになんですが、なんだか欝になりました。
とにかく回答ありがとうございました。

お礼日時:2008/03/22 13:06

スタンフォード監獄実験のことでしょうか?


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF% …

かなり有名な実験で、映画にもなっています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/Es_%28%E6%98%A0%E7% …

ただ、この実験は「虐待を起こす」ということを証明するためのものではなく、「役割をあたえるとその役割通りに行動する」ということを証明するために、閉鎖空間に閉じ込めて看守と囚人という役割を与えたところ、結果として虐待がおこり実験中止になったというものです。

心理学実験では、倫理がかなり重視されます。昔はかなり過激な実験もお子なられていましたが虐待を起こさせるための実験を行うことは、かなり考えにくいです。
おそらく、テレビで紹介されるときは、曲解されたりオーバーに表現されたりしていたのだと思います。

>あと、「支配される側に振り分けられた人間は必ず虐待を行う」という仮説は正しいのでしょうか?例えば私を含め、今の日本人のほとんどは血を見るだけで気分が悪くなる精神的に脆い人間ですし、私は人一倍弱い者いじめは嫌いなつもりです。けれどそんな私でも環境次第で虐待を行ってしまうのでしょうか?
質問者様のことをしらないのでなんとも言えませんが、「ありえない」と断言することは誰にもできません。
ただ、心理学に「沈黙の螺旋」という理論があります。
http://www.jkokuryo.com/literature/bs/review/doc …

これは、「孤立をおそれて少数派が意見を発しなくなり、多くの人が1つの意見にそまっていく」という理論です。そして、その多数派の意見にのまれずに自分の意見を保っていられる人のことを「ハードコア」と呼びます。
質問者様が虐待者になりうる立場になって、虐待をする人が多数になっても虐待をしないでいられたら、それはハードコアと呼ばれる存在だということなのでしょう。

参考になれば幸いです☆
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この回答へのお礼

スタンフォード監獄実験ですか。テレビでは視聴者受けのする視点から描かれたみたいですね。
アメリカ兵はアメリカ兵らしく、中国兵は中国兵らしくなるってことですよね。だったら兵隊って一体なんなんだよ、って感じがしてきました。

「ハードコア」「沈黙の螺旋」の考え方も非常に興味深いです。

回答ありがとうございました。

お礼日時:2008/03/22 12:39

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