プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

私は、大学の研究室で触媒の研究を行っています。
主にFT-IRを使用して、表面の吸着種の分析をすること
がおおまかなテーマなのですが、FT-IRで測定したピークの
同定(このピークはいったい何という分子の振動なのか?)が
なかなかうまくいきません。
私は、分からないピークは私と同じような改質実験を行っている
人の論文を探し、その人の論文から自分のデータのピークはこれ
じゃないか?という風に探したりしています。
皆さんは、どのようにしてピークの同定を行っているのでしょうか?
もっと良い方法があればお願いします。

A 回答 (2件)

 私も学生時代、spitilさんと全く同じく、固体触媒の研究をしており、FT-IRで触媒表面の吸着種を同定し、反応機構を推定する、という研究をしていました。

まさか同じような研究をしている人がいまだにいらっしゃるとは、大変驚きました。ご苦労をお察しします。
 ご質問のお悩み、私も持っていました。はっきり言って、何を根拠にすればいいのか、その根拠がどこにもないんですよね。私の場合、プロパンなどの低級炭化水素が、金属酸化物触媒上でカルボキシルなどの吸着種になる、ということを言っていたのですが、その場合、「これはカルボキシルだ」という根拠は、プロパンのIRスペクトルをながめていただけでは分からないんですよね。化合物が、触媒表面上でどういう状態で存在しているか、そもそもそれを知るための研究なのですから、その根拠となるものは、そもそも世の中のどこにも存在しないわけです。新たなピークが見つかった場合、それが何なのか、本当に悩みました。悩んでも悩んでも分からず、先生に一度尋ねた事があります。その答えは、「モデル化合物から決めるのだ」ということをちらっと言われましたが(元々あまり親切に指導してくれる先生ではなく、質問をするにも、自分でよく考えてからでないと、受け付けてもらえませんでした)。モデル化合物とは、例えば上の炭化水素が触媒表面でカルボキシルになっている、と同定する場合、反応条件が酸化雰囲気で、炭化水素は酸化されるとカルボキシルになりうる、ということが分かった上で、カルボキシルの錯体のような既知の化合物のIRスペクトルから同定する、というようなことを、先生はやってこられたとの事でした。しかし、困ったのが、アンモニアを使った反応の研究をしたとき、反応中に、未知のピークが一つ見つかったのです。それが何か、ということを調べようとしたのですが、上のように炭化水素が酸化される、というようなことが、アンモニアではどうなるのか、まったく見当がつかず、その先生の以前の論文で、「アンモニアが解離した化合物」である、と発表されていたので、それを引用することにし、その件は落着したのですが、その先生のそのときの論文は、何を根拠にしてそうと同定したのかは、結局謎のままでした。その論文は、結構いろんな研究者に、アンモニアが関与する触媒反応では、IR同定の根拠として引用されていました。私はいまだに、「何も根拠なく、まったくの推測で同定したんじゃないかなあ」という疑いを抱いています。その先生から、納得のいく話を一度も頂いたことがありませんので。
 以上、私の経験談でした。触媒反応って、途中がどうなっているか、わけがわからないと思うんですよ。類似反応をいろいろ調べてみて、そこから推察する、というのが定法ではないでしょうか。あまり有用な情報は提供できませんが、参考になれば幸いです。頑張ってください。
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この回答へのお礼

丁寧な解答ありがとうございます。
やはり、同じように苦労されたんですね。類似反応や論文、
実験時の酸化雰囲気や還元雰囲気等で推測してみます。
どうもありがとうございました。

お礼日時:2008/04/30 14:51

簡単な分子ですと、独立行政法人産業技術総合研究所のRIO-DB、SDBSがあります。


http://riodb01.ibase.aist.go.jp/sdbs/cgi-bin/cre …
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