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相続回復請求権を勉強していて、わからならくなり、どなたか、ご存じの方いればお教え下さい。

相続回復請求権については、個々の物権的請求権の集合にすぎないとする集合権利説が通説のようですが、この理解では、通常の物権的返還請求権や妨害排除請求権は相続回復請求権に化けてしまい、本来の物権的請求としては行使できないということでしょうか?

例えば、真正相続人に帰属すべき土地が、相続人でないものの占有や登記があったりした場合、真正相続人は自分の土地の取得原因が相続であった場合には、常に相続回復請求権によらなくてはならないのでしょうか?

おなじことですが、普通に物権的請求として返還、妨害排除を求めても、相手方から、相続回復請求にあたるから5年間の時効にかかると、抗弁されると、もともと、相続回復請求権による請求だったことになってしまうのでしょうか?

宜しくお願いいたします。

A 回答 (2件)

 相続回復請求権については,適用場面を狭める方向です.


 判例の立場で言えば,No.1の方が挙げられたような事案では,ほとんどの場合,884条の適用自体が認められないでしょう.

>常に相続回復請求権によらなくてはならないのでしょうか?
 そのようなことはありません. 884条は,No.1の方が書かれたように,権利関係の早期確定を目的として本来時効のない所有権による追及を制限するものです.
 なので,返還を求める側は,本来の請求権の根拠である所有権に基づく返還請求権を行使すればよいと思われます.

>普通に物権的請求として返還、妨害排除を求めても、相手方から、相続回復請求にあたるから5年間の時効にかかると、抗弁されると、もともと、相続回復請求権による請求だったことになってしまうのでしょうか?

 抗弁が認められた場合,相続回復請求権による請求に変わるのではなく,物権的請求権の行使が時効により制限されると考える方が妥当なのではないでしょうか.
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

相続回復請求権=物権的請求権という単純な関係を素直に頭にいれるこことができなかったのが原因のようです。
相続回復請求「権」という講学上の用語が予め頭に刷り込まれたため、なにか特別な権利が生まれるような錯覚に陥ってしまいまいた。

「相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。」という条文も物権的請求権に関する特別な時効消滅規定という目で読み返せば、ご回答者のご説明がしっくりします。

個人的には、回復請求者側から884条の請求をするのは、実質的にデメリットが大きいので、普通、回復請求者は知らん顔して物権的請求をし、これに対して、請求を受けた側から抗弁として884条の適用を主張すると、結局、特別な時効期間の制約付きの物権的請求であることが暴かれてしまう、そんなイメージを持ちました。

お礼日時:2008/08/08 09:14

 相続回復請求権は物権的請求権の一種ですが,5年又は20年の消滅時効にかかります(民法884条)。


 この消滅時効の趣旨は,相続をめぐる財産関係を早期に安定させる趣旨だと解されます。
 たとえば,遺産分割完了前に,ある相続人が,相続財産に含まれる甲土地を勝手に自己名義の登記をした上,第三者に譲渡した場合,登記に公信力は有りませんので,第三者は甲土地の取得を他の相続人に対抗できず,相続回復請求されてしまいます。
 しかし,遺産分割がもめて,5年以上経過してしまうことは珍しいことではない(つまり,相続人間の紛争から,僭称相続人の名義に移されてしまう可能性がある)ので,取引の安全の見地から,相続財産についての物権的請求権について,その行使期間を制限する必要があるのです。

 よって,884条の期間を過ぎたら,真正相続人は,もはや物権的請求権を行使して,返還請求等を行うことはできません。

※(相続回復請求権)
第884条 相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から20年を経過したときも、同様とする。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

基本書にも、集合権利説では、相続回復請求権の内容は個々の物権的請求権だと書いてあるので、やはり相続回復請求権は通常の物権的請求権が変質したものというイメージですね。

お礼日時:2008/08/08 08:53

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