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物理系の研究者を目指していましたが、能力のある先輩達がポスドクで苦労しているのを目の当たりにし、博士号取得後の進路変更を考えています。といっても、基本的に数字を扱う研究が大好きなもので、一般企業でも自分の今まで培ってきた能力を生かせる職種を望んでいます。その可能性の有無を探っているところです。

職種と言えるのかわからないのですが、金融関係で「クオンツ」という理数系に特化した人々がいることを最近知りました。そこで経済学も独学で少しずつ学び始めているのですが(なかなか面白いです)、いまから大学に入り直す余裕は、経済的にも年齢的にも、持っていません。第二新卒とも扱って頂けないでしょうし、(実務経験はないですが)専門職として雇ってもらえるよう、専門的な知識をある程度身につけたいと思っているところです。

どの様な本を読めば、クオンツに必要なスキル、あるいは普段の仕事内容を概観できるのでしょうか。関連の質問へのご回答を拝見したところ、基礎的な数学は、微分積分、統計、線形代数など一通りやったので問題ないと思いますが、特に、ファイナンスへの応用において、例えば物理の実験的な研究などと比べ、どの様な違いがあるのか、知りたいと思っています。そして、経済学的な(本当に必須な事柄以上の)素養は、クオンツの仕事をする上で必要となるのでしょうか。職を頂くという点も重要な目標なので、どの程度机上の勉強、前準備が現時点で必要なのか、知りたいのです。

そして、もしクオンツの具体的な仕事内容、例えば作業はマニュアル化しており創造的な能力は必要ないのか、プログラミングの知識はどの程度必要か、経験者がいらしたら研究生活との大きな違いは何か、といった点において、知るきっかけがあれば大変助かります。

ご教示のほど、よろしくお願い致します。

A 回答 (3件)

私自身クオンツではないのですが、周囲にそのような人が複数いましたので、知っている限りにおいての参考意見です。



クオンツという場合、大別すると
1.デリバティブクオンツ
2.クオンツアナリスト
3.リスクマネジャー
の3種類の職種(これらは代替可能な場合もある)があります。

1は複雑なオプションやスワップ等の金融派生商品の商品設計をするのが仕事です。具体的には株・債券・為替・信用リスクなどの原資産の変動をもとにキャッシュフローを複製して裁定利益を得たりリスクヘッジ商品を作ったりします。投資銀行やメガバンクの金融商品開発部などにいる人たちです。
2は上場企業の財務指標や株価などの大量のデータを統計的に分析して最適ポートフォリオ戦略を構築してファンドマネジャーに提供したり、証券アナリストの分析レポートに基礎資料を提供したりする仕事です。証券会社の経済分析部門などにいます。
3はVaR(バリュー・アット・リスク)のモデルや信用リスク管理のためのツールを作成したりモデルのバックテストを行ったりして、金融機関の各部署や各商品のリスク限度額をモニターするなどのリスク管理業務に従事しています。

金融のどんな本を読めばいいか、という点についてですが、質問者さんの知識水準や求めているレベルにもよりますが、

(1)企業金融論 : 「コーポレート・ファイナンス」第8版(ブリーリー&マイヤーズ著、藤井他訳)
(2)資産価格理論 : 「資産価格の理論」第版(大橋他訳、ただし英語の原著は第3版あり)
(3)投資理論 :「現代投資マネジメント」(リターマン著、ゴールドマンサックスアセットマネジメント計量部訳)

などではないでしょうか。(1)と(3)はMBA向け以上のファイナンスの教科書の決定版。(2)はファイナンス分野の博士課程の教科書の最高峰の一つとされる本です。

実験ですが、金融は紙と鉛筆の世界なので統計データをひたすら検定して多変量時系列モデルの精度を上げたり(株価や企業業績、投資ファンドのパフォーマンスの予測などのため)、モンテカルロシミュレーションなどで数値計算をする(キャッシュフローの予想やリスク限度の算出のため)のが多いと思います。それらの計量分析の本としては

(4)「ファイナンスのための計量分析」(キャンベル=ロー=マッキンレイ著、祝迫他訳)

があります。ちょっと旧い本ですが。
ただし、実際には会社で取り組む仕事なので、入社して実務をやりながらでも十分間に合うとは思いますが。実際にどんな成果物を作っているかという点については、証券図書館に大量に置いてある証券各社のアナリストレポートのうちクオンツの書いたものや、日本金融証券計量工学学会(ジャフィー)の論文集などに目を通すと分かりやすいと思います。

的外れな回答になっていたらご容赦ください。
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この回答へのお礼

bigorange9様

的確で有用な情報を誠に有り難うございます。やはり部外者としては何処から始めていいものか全く分からないものですので、具体的な文献を上げていただき、大変助かりました。ひとまず図書館で、一通り目を通してみて感覚を掴んでみたいと思います。

宜しければ伺いたいのですが、クオンツの大別の仕方について、(1)のデリバティブクオンツは、より紙と鉛筆での作業に近い理論屋、(2)はひたすら既存のソフトを使ってのデータ解析屋、(3)はソフトウェア・プログラミングがベースのIT屋、といった理解の仕方は、現実に近いものでしょうか。あまりに大まかな点はお許し願いたいのですが、普段の仕事内容が、今自分にあるスキルと合致する職種があるかどうか、興味があります。

ご回答有難うございました。

お礼日時:2008/09/10 13:03

全然素人でまとはずれかも知れませんがコメントします。

物理学会に経済物理のセッションがありますが、一応聞かれたことはあるのでしょうか。これの全てがQuantを知るのにに役立つとは思えませんが、金融工学とかEconophysicsの何たるかを知るには参考になるものがあると存じます。高安秀樹先生、高安美佐子先生の書かれたものも参考になるとおもいます。
またEmanuel Derman(エマニュエル・ダーマン)のMy Life as a quant(日本語訳、「物理学者ウォール街を往く」(東洋経済新報社))は読み物としてもとても面白いし、質問者さんの境遇を考えると参考になると思います。Dermanはもともと素粒子の理論家だった人で、その後ゴールドマンサックスのクオント、マネージングディレクターをやり、コロンビア大学で金融工学も教えた人です。
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この回答へのお礼

お礼が大変遅れてしまい申し訳ございません。教えていただきました文献等参考にさせていただきます。物理学会に経済物理のセッションがあるとは初耳でした。機会があれば、是非行ってみたいと思います。

有難うございました。

お礼日時:2008/11/16 10:12

職種のイメージの違いですが、どの分野でも



理論屋・解析屋・IT屋

のいずれにもなり得ると思います。
専門職といえども大学や研究所ではなく競争の激しい金融機関なので営業志向が必要なことは確かだと思います。デリバティブクオンツならば顧客企業が発行を予定している株式の設計などで同行営業を求められたり、より厳しい要求に応える商品提案を求められたりすると思います。要は商売だということです。そこで「これは数式的に解けないから・・」的な対応に終始していれば理論屋になってしまうでしょうし、黙々と金融ソフトを回しているだけなら文系の人でもできてしまいます(この手のソフトの性能が向上しているので→テクマトリクスなどが開発しているもの)。またIT屋的になると金融というよりも勘定系システムなどの情報部門に配置替えになることもあるかもしれません。金融機関のIT部門は非常に多くの人を必要とするので。
それと、金融機関は会議や雑務や文書作成などもろもろの日常事務に忙殺されます。組織も大きいので稟議や根回しも欠かせません。社内や取引先での研修や金融セミナーの講師などに引っ張りだされたりもします(クオンツはそれ自体、会社の広告塔の場合もあります)。アナリストになると「アナリストランキング」での評価も出てくるので、結構気をもむこともあるかもしれません。部員は専門家なのに部長や課長だけはローテーション人事でやってきた専門外の人で、トンチンカンなことを言っては無駄な仕事を増やしたりといったことも日常茶飯事です。
 こういった現実はあるとは思いますが、それでもとても優秀な人は学会発表したり、専門誌から執筆依頼がきたり、新しい商品を作り出して業界で注目を浴びたりということも珍しくはないようです。
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この回答へのお礼

いろいろと雰囲気を教えてくださり、大変ためになりました。漠然とですが、内部の感じが掴めるアドバイスを有難うございました。研究生活はやはり、まったりとしていることは確かなので(笑)、民間企業で働く上で大胆な気持ちの切り替えが必要なのは、分かる気がします。

改めて、貴重な時間をとり色々と教えてくださり、本当に有難うございました。心から感謝致します。

お礼日時:2008/09/17 15:48

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