光を量子として捉えるとき、単一光子という概念になるようですが、これは、相互作用する相手との関係で定義されるのではないでしょうか?
すなわち、検出器の状態変化に必要なエネルギー(たとえば、光電効果に必要なエネルギー)に対する単位として意味があると思っています。
で、ハーフミラーを使って「光子がどちらか(あるいは両方)の経路を通った」といった概念にて実験が行われているようですが、検出器としての役割を果たさないハーフミラーの場合、単一光子であろうとも2方向に分かれると考えるべきだと思うのですが、間違っているでしょうか?
No.1
- 回答日時:
この場合、2方向に分かれますが、検出できるのはどちらか一方のみになります。
この回答への補足
回答へのお礼の順番と補足の順番とが前後して申し訳ございませんが、いろいろと調べ、しばらく考えている内に、下記のような状況ではないかと思いました。間違っているなどありましたら、ご指摘願います。
1.いわゆる「光の強度」と呼ばれるエネルギーは、その光が単色光であったなら、hνの単位にまで分離することが可能。(単一光子)
2.単一光子の振幅(f)は電場・磁場の強度であり、|f|^2に相当する電場強度x磁場強度というエネルギーは、単一光子の場合hνとなる。
3.単一光子が2方向に分裂するというとき、たとえばエネルギーが半分になるような場合、
3-1.振動数(ν)は一定のまま、電場・磁場強度の振幅がそれぞれ1/sqrt(2)になる。
3-2.振動数(ν)が半分(すなわち、波長:λが2倍)になって、電場・磁場強度の振幅がそれぞれ1/sqrt(2)になる。
のいづれかになると考えます。
3-1の場合、もとの光は「単一光子」ではなく「単一光子」が二つ重なった状態だったともいえます。
3-2の場合、特定波長(特定エネルギー)の光子によって反応する機器(特定波長の光子を待ち構えている機器)にとっては検出されないので、「2方向に分かれた場合、検出されない。1方向のみ選択された場合、検出される。」になると考えます。(無論、分裂した後、干渉ないし重なり合って特定波長に回復する場合も考えられます)
3-1の場合は、「単一波長」の定義を否定するものなので、3-2が生じうると考えます。
で、そういったことが生じている可能性はあるのでしょうか?
(いろいろ調べていると、下記のようなものも見つけました)
http://www.jst.go.jp/pr/report/report266/index.h …
No.2
- 回答日時:
#1のお答え通りなので複数スリット問題は「訳分からん」のです。
^^;この回答への補足
回答を書いていて気がついたのですが、「検出器としての役割を果たさないハーフミラー」という表現はおかしいですよね。
ハーフミラー(ビームスプリッター)が反射するというとき、「光は一端、吸収されて放出される」と考えるならば、「相互作用する相手」(検出器相当の軌道電子)が介在するために、「どちらか」の経路をとると考えていいのですよね。
そういう意味で、「検出器としての役割を果たさないハーフミラー」ではなく、「複数スリット」ということでお願いいたします。
ありがとうございます。
スリットの問題でも、もともと粒子として扱われている「もの」(たとえば電子)の波動性(存在確率)を取り扱う場合と、もともと波動として扱われている「もの」(たとえば光子)とでは、本質的に異なると思っています。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
>光を量子として捉えるとき、単一光子という概念になるようですが、これは、相互作用する相手との関係で定義されるのではないでしょうか?
もっともな考え方で、実際そのような考え方をたどった歴史があるようですが、現在では相互作用する相手とは独立に光子自身が量子であると考えられているようです。
>で、ハーフミラーを使って「光子がどちらか(あるいは両方)の経路を通った」といった概念にて実験が行われているようですが、検出器としての役割を果たさないハーフミラーの場合、単一光子であろうとも2方向に分かれると考えるべきだと思うのですが、間違っているでしょうか?
間違っていないと思います。単一光子でも重ね合わせの原理が成り立つという意味でです。
>1.いわゆる「光の強度」と呼ばれるエネルギーは、その光が単色光であったなら、hνの単位にまで分離することが可能。(単一光子)
賛成。
>2.単一光子の振幅(f)は電場・磁場の強度であり、|f|^2に相当する電場強度x磁場強度というエネルギーは、単一光子の場合hνとなる。
電場強度x磁場強度がエネルギーであるという意見には反対です。電場x磁場はポインティングベクトルに相当し、電磁場の運動量密度に相当します。電磁場のエネルギー密度は(電場^2+磁場^2)に比例するような形をしていることは電磁気学の復習です。考えている空間中の電磁場のエネルギー密度を積分した結果が電磁場のエネルギーです。
それから単一光子を考えるための理論は電磁場を量子化したものです。その理論は上の電磁場のエネルギーが(hνx光子の数)になるように作られています。また電磁場の振幅は演算子で書かれ、単純な意味での数字で表されるものではなくなります。
>3.単一光子が2方向に分裂するというとき、たとえばエネルギーが半分になるような場合、
二方向に分裂するとき、単一光子のエネルギーが半分になって二つの光子に分裂しても良いですが、半分にならずに単一のまま分裂することもできます。分裂の意味が違いますが。
>3-1.振動数(ν)は一定のまま、電場・磁場強度の振幅がそれぞれ1/sqrt(2)になる。
反対です。
振動数は一定のまま、一つの光子が二つの方向に分裂した重ね合わせの状態になります。
単一光子を記述するとき、電磁場の振幅を単純な意味での数字で表せません。振幅がそれぞれ1/sqrt(2)になるという考え方がナンセンスになります。
>3-2.振動数(ν)が半分(すなわち、波長:λが2倍)になって、電場・磁場強度の振幅がそれぞれ1/sqrt(2)になる。
一つの光子の波長が二倍になって、二つの光子に分裂することはあります。光パラメトリック効果のひとつです。しかしそれには特別な結晶(まさに光パラメトリック結晶とも呼ばれる)を通す必要があり、単なるハーフミラーの場合は起こりません。
また上と同様、振幅がそれぞれ1/sqrt(2)になるという考え方はナンセンスになります。
>のいづれかになると考えます。
のどちらも起こり得ます。どちらも興味深い現象だと思います。
>3-1の場合、もとの光は「単一光子」ではなく「単一光子」が二つ重なった状態だったともいえます。
いえません。単一光子が二つの状態の重ね合わせの状態になるといいます。
>3-2の場合、特定波長(特定エネルギー)の光子によって反応する機器(特定波長の光子を待ち構えている機器)にとっては検出されないので、「2方向に分かれた場合、検出されない。1方向のみ選択された場合、検出される。」になると考えます。(無論、分裂した後、干渉ないし重なり合って特定波長に回復する場合も考えられます)
波長が二倍になった光を検出できる実験的状況も準備可能と思います。
この回答への補足
他に回答が投稿されるか?と待っていたのですが、どうやら別に質問を立て直した方が得策なようです。
回答下さった皆様、ありがとうございました。
多くのご指摘ありがとうございました。
電場・磁場の振幅とエネルギーとの関係については、下記を参考に補足欄を書きましたが、
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa1310381.html
http://staff.aist.go.jp/yoshizawa-akio/Lecturefo …
まさに「エネルギー密度は(電場^2+磁場^2)に比例するような形をしている」にも関わらず、誤っていました。
再度
http://www.ee.seikei.ac.jp/~seiichi/lecture/Wave …
等を含めて、電磁気学(のテキストから)を勉強し直すつもりです。
また、http://questionbox.jp.msn.com/qa4677538.htmlから引用されていた
http://www.phys.sci.kobe-u.ac.jp/~sonoda/seniors …
も見つけました。
量子力学的な取り扱いゆえに「単一光子」は分割不可能との記述を目にすることが多く、「基本的に電磁波の波動ならば、エネルギー的にも分割可能では?」といった疑問から質問を立てさせていただきました。
「光パラメトリック」から「非線形光学」という概念を検索することができました。波長が長くなることでエネルギーが減少して分裂しうることは、エックス線のコンプトン散乱を念頭に記述しましたが、光・光への分裂の場合には一般的には「光パラメトリック効果」と呼ぶことが分かりました。
ありがとうございました。
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