No.3
- 回答日時:
まずその温度での水蒸気圧以上の水蒸気圧は気相中に存在できません。
平衡圧の温度依存性はClapeyron-Clausiusの式によります。dP/dT=ΔH/TΔV...(1)
ここでΔHを凝縮のエンタルピー(ΔH<0)とすれば、ΔVは蒸気の体積に負号をつけたものとなります。(凝縮後の体積を蒸気に対して無視。)よって
dP/dT=-ΔH/TV=-ΔHP/RT^2
dlnP/dT=-ΔH/RT^2
即ち
P=C*e^(ΔH/RT)...(2)(Cは積分定数由来)
です。
一方吸着そのものは発熱反応なので平衡の観点からは低温の方が有利です。同じ吸着量(被覆率)でみたら低温ほど低圧で達成されます。吸着熱(吸着に伴うエンタルピー変化に負号をつけたもの)をqとすればLangmuirの式でいえば、
θ=(a*e^(q/RT))P/{1+(a*e^(q/RT))P}...(3)
となります。(2)のPを(3)にいれてθが増えるかどうかが問題です。つまり温度が下がって低蒸気圧でも同じ被覆率になりますが、その時に平衡蒸気圧がもっと下がっていたら意味なくなりますのでそこをチェックする必要があります。(3)を見れば判りますように、(2)を入れれば
a*e^(q/RT)xC*e^(ΔH/RT)=aC*e^{(q+ΔH)/RT}...(4)
という量が問題となることが判ります。qが吸着熱で吸着のエンタルピーに負号をつけたものでプラス、ΔHは凝縮のエンタルピーで発熱でマイナスです。そして物理吸着では吸着熱の絶対値は凝縮のエンタルピーに近い数字です。よって(4)は温度によりあまり変化がないことになります。即ち(3)に変化がない、ということです。従って温度低下による蒸気圧の減少に対して加えてさらに沢山蒸気圧を下げる、ということはあまり期待できないと思います。
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