質問はタイトルどおりなんです。
デカルト主義者と呼ばれる人たちが、近代科学の
発展にいかに貢献し、またときには邪魔してきたか
ということ知りたいのです。
1)デカルト主義者とはどうゆう人たち(その定義は?)
2)デカルト主義者と呼ばれた人には具体的に
どんな人がいたのか?(具体的名前、その活動)
3)デカルト主義者たちは、アイザック・ニュートンの
物理学書プリンキピアをどう捉えていたのか?
以上の3点、もしくは3点の参考になりそうなこと
お教え下さい。
また、私の疑問に答えてくれそうな本などありました
ご紹介下さい。洋書、和書を問いません。英文はOK
ですが、フランス語の文献も、それが1番いいと
お勧めならトライしてみます。ドイツ語は専門書の
レベルは今すぐ読みこなせないと思いますが、
これがお勧めということでしたら、ご紹介下さい。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
1)「デカルト主義者」(Cartesian)というのは、本来はただ「デカルトの思想あるいは方法を信奉する人」という意味で、それ以上の定義はありません。
1.一番狭い意味での「デカルト主義者」というのは、「17世紀後半から18世紀前半にかけてのフランス、オランダで、デカルトの思想を支持した人たち」のことです。その中には、日本でよく知られている人はほとんどいません。
2.広い意味で「デカルト主義者」という場合、デカルトの思想のどの部分を重視するかによって意味がちがいます。比較的共通する特徴は
(1)理性によって吟味して確実と思われることしか信じない。(感覚や経験や常識を疑わしいものとする)
(2)感情に左右されず、理性と意志に基づいて生きる。
(3)精神と物質を全く違ったものとみなす。
(4)「考える私」の存在を絶対に確実なものとする。
といったところでしょうか。
2)「狭い意味でのデカルト主義者」は、フランスでは、レジス、アルノー、フォントネル、マールブランシュ
オランダではレギウス、ゲーリンクスなど。
「広い意味でのデカルト主義者」ということになるといろいろで、極端な場合は、(経験主義者でない)「合理主義者、理性主義者」のすべてを指すこともあります。
20世紀の哲学者では、「現象学」の創始者であるフッサールに『デカルト的省察』という著作があり、彼は自分がある意味でデカルト主義者であることを認めています。
また、文学者、詩人として有名なヴァレリーも、デカルト主義者であることを自認しています。
3)デカルトの自然学では、「真空」というものはなく、力は接触している物体の間でしか働かないものとされていました。だからデカルトの説の支持者たちは、力を伝える物質なしに離れた物体に作用する万有引力は、神秘的で不合理なものであるといって、プリンキピアを批判しました。
3)のように、自然学(物理学)の上でデカルトの思想が果たした役割が知りたいのであれば、次のような本が参考になるでしょう。
山本義隆『重力と力学的世界』
バターフィールド『近代科学の誕生』
コイレ『コスモスの崩壊―閉ざされた世界から無限の宇宙へ』
丁寧なご説明、本当に有難う御座います。
>山本義隆『重力と力学的世界』
はすでに購入し、今読み始めています。
山本先生の著書は皆名著と聞いていましたので、
いづれ読みたいと思っていましたので、
非常にいい機会でした。
>コイレ『コスモスの崩壊―閉ざされた世界から無限の宇宙へ』
は注文しましたが、在庫がないということで、
入手に1ヶ月ほどかかる見込みです。
>バターフィールド『近代科学の誕生』
は少しお高いので、図書館で借りるかどうか
検討中です。
他に
バターフィールド『近代科学の誕生』
という本も何か載っていそうなので、オンライン書店
で注文しました。
>万有引力は、神秘的で不合理なものであるといって、プリンキピアを批判しました。
山本先生の本に大きな章として重力を
信じないデカルト主義者のことが書かれて
いますね。(まだ読んでる途中ですが)
19世紀にラプラスが天体力学という書物
を出す過程のことをずいぶん前にいろいろ
読んだのですが、デカルト主義者たちの
話が出てきまして、プリンキピアに批判的
でありながら、その内容が再検討されるのを
妨害していたような記述が見られたので、
批判するなら内容を再検討して問題点を
指摘すればいいのに、と疑問に思っていた
ところ、18世紀の女性科学者の立場を
デカルト主義者たちが擁護していたと
いう記述も別な書物で見つけ、デカルト主義者
とはどうゆう人たちか興味が深まっていたところ
でした。
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