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 日本語を勉強中の中国人です。「芳しい香り」の「芳しい」はどんな時に「かんばしい」と読み、どんな時に「かぐわしい」と読むでしょうか。

 また、質問文に不自然な表現がありましたら、それも教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

A 回答 (3件)

質問にはございませんでしたが、「かぐわしい」と「かんばしい」の言葉の意味を考えるとき、それぞれの語源は同じなので、私も「こうばしい」について、蛇足ながらも説明を付け加えさせていただきたいと思います。



長文で、先の回答者の方々と説明が重複する点もございますが、どうぞよろしくお付き合い下さい。

  
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まず、「芳(かぐわ)しい」とは、《「香(か)細(くは)し」の意》とあります。
《香細し(かくはし)》から《芳しい(かぐわしい)》と変化を遂げた言葉です。
「香しい」と書いて《かぐわしい》と読ませることも出来、意味も同じです。

また、「くわし」とは《細し》とも《美し》とも表記します。
繊細で美しい、細(こま)やかで美しい、麗しい、という意味です。


「かぐわしい」の意味は、

1 上品な香りが穏やかに匂うさま。
2 心が引かれる。好ましい。すばらしい。魅力的であるさま。

となります。

    
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また、「かんばしい(芳しい・香しい)」は「かぐわしい」から転じた言葉です。
言葉の流れとしては、

 かくはし → かぐわし → かぐわしい → かんばしい

と、時代と共に音韻変化を遂げていった言葉です。
「かぐわしい」も「かんばしい」も共に現代語ではありますが、「かんばしい」の方が後から誕生した言葉だと言えます。


「かんばしい」には、

1 良い香りが強く匂うさま。香りが高いさま。
2 好ましいもの、りっぱなものと認められるさま。 高い評価が与えられるさま。

という意味があります。ただし、2の表現で使われる場合の多くは否定の語を伴って使われます。

この場合、

「業績が、かんばしくない」 「かんばしくない噂が立つ」 「容態が、あまり かんばしくない」

などとなり、“ぱっとしない”とか“評価が低い”という意味になります。


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更に、「こうばしい」という言葉も、「芳ばしい」とも「香ばしい」とも表記され、「かんばしい」と同じく「かぐわしい」の音変化から生まれた言葉です。


「こうばしい」には、

1 良い香りがする。
2 見た目や印象などがすばらしく、立派である。望ましく思う。心が引かれる。

という意味があり、「かぐわしい」 「かんばしい」と同じ意味です。
 

また、香りの表現として使う場合、その多くは、コーヒーや ほうじ茶のように、「ほんのりと焦げたような良いにおい」の表現として使われます。食物を煎ったり焼いたりしたときの、好ましい香りを指しています。


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【まとめと感想】

・「かぐわしい」としたとき、その香りは穏やかで繊細、かつ優美なものであり、
 魅力的で惹きつけられる様子を表す言葉として使われる。
 人物の褒め言葉としても多く使われる。
 
・「かんばしい」とすると、その香りは高く匂い立つ様を表し、
 多くは否定的な意味で、人物像や業績の評価、状態が良くないことを
 表すときに使われる。

・「かぐわしい」や「かんばしい」は花の香りの例えとして使われることが多いが、
 「こうばしい」とすると、主に食品を焼いたり煎ったときの良い香りを指す。
 
・「こうばしい」とは、人物や身につけた衣服などを
 褒める言葉としても使われていたが、古典的な表現であり、
 現在、口語で使われるときは、香りを指す表現が主である。
 

また、ご質問文には、特に気になる間違いはないと思いましたが、

《どんな時に「かぐわしい」と読むでしょうか》を
《どんな時に「かぐわしい」と読むのでしょうか》と直し、

《質問文に不自然な表現がありましたら》を
《質問文に不自然な表現が ございましたら》と直すと良いと思います。
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この回答へのお礼

 早速のご回答ありがとうございます。よくわかりました。大変参考になりました。本当にありがとうございました。

お礼日時:2009/10/19 21:41

 結論を先に書きます。


 現代の日本では、同じ意味です。地方によって、世代によって、また、交際相手によって、どちらを多く使うか、は異なりますが、現代の日本では「かぐわしい」を多く使います。
 
 「貴い・尊い」も、「たっとい」「とうとい」の2つの読み方がありますが、現代の日本では、ほとんどの場合「とうとい」と読みます。「かんばしい」「たっとい」は、少し古い感じがします。少し古い感じがする文章は、演説や謝礼の文章やスポーツ新聞の見出しによく使われます。

 歴史的に見ると、
 「香詳しい」→「かぐわしい」→「かんばしい」→「こうばしい」となりました。でも、「こうばしい」は、少し焦げた臭い(コーヒー豆やトーストしたパンなど)を指します。

  また、質問文に不自然な表現がありましたら、それも教えていただければ幸いです。

 「教えてください」と言いますね。「教えてくだされば」が正しい表現です。今では「いただければ」もOkという人が多いですが、「ちゃんとした日本語」を使うほうがきれいに聴こえます。ブラジルやハワイの日系移民の5世の人などの日本語のほうがきれいに聞こえるのと同じです。「今ではこれで一般的ですよ」と言われる日本語を選ぶかどうかは、あなた次第ですが。
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この回答へのお礼

 早速のご回答ありがとうございます。ご意見は大変参考になりました。本当にありがとうございました。

お礼日時:2009/10/19 21:35

時代を経て「かぐわしい」→「かんばしい」と変化しています。


ニュアンスも少し変わって
かぐわしい:上品な香り
かんばしい:良い香りが強くにおう

良く似た言葉に「こうばしい」があります。
これは少しこげたようないいにおい と言う意味と 上の二つと同じ意味でも使います。

現代では「かんばしい」「こうばしい」が良く使われます。
「かぐわしい」は文語体ですね。
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この回答へのお礼

 早速のご回答ありがとうございます。大変参考になりました。本当にありがとうございました。

お礼日時:2009/10/19 21:23

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