No.1
- 回答日時:
硫酸とは硫化水素を略したものではありません。
硫酸と硫化水素は全く別の物質です。
また、硫酸とは「硫黄を含んだ酸」という意味であり、酸素はあまり関係がありません。
硫化水素は化学式H2S、硫酸はH2SO4です。
酸素という名称は、これが酸のもとであると誤認されていた時期があったためで、その名残なのです。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
塩酸が塩化水素の水溶液なので硫酸は硫化水素の水溶液だと考える高校生が多いです。
でも酸の利用の歴史で考えると名前の由来が納得できます。
硫酸は代表的な強い酸です。発見は8世紀に遡るようです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A1%AB%E9%85%B8
錬金術などでも盛んに利用されてきました。金属や金属の鉱石を溶かす働きが酸の働きの中心です。
自然に産出する硫酸塩から得ることも出来ますが硫黄を燃焼させて作ることも出来ます。硫黄を含んだ酸は他にもあるでしょう。でも硫黄から出来た酸と言えばまず硫酸H2SO4なのです。英語ではsulfuric acidと言います。sulfurは硫黄のことです。(「亜硫酸」もありますが働きが弱いので「亜」が付いています。英語ではsulfurous acidと語尾を変えています。)
(鉱石から得られた段階では「硫酸」という名前ではなかったようです。硫黄を燃やして得られる気体から得られるということが分かった段階で「硫酸」という名前がついたようです。硫化水素は硫黄を燃やして得られる酸ではありません。)
「酸素」はラボアジェの命名です。
空気中には呼吸に役に立つ成分気体Aと役に立たない成分気体Bとがあリます。この気体Aの中では物が燃えることが出来ますがBの中では燃えることが出来ません。
気体Aには酸でないものを酸に変える働きがあリます。
炭素が燃えて出来た気体、硫黄が燃えて出来た気体、燐が燃えて出来た気体、・・・は全て酸性を示します。
気体Aには「酸でないものを酸に変える働きがある」という意味で「酸素oxigen」という名前を付けました。oxi-とは酸のことです。(acidと同じ語源だろうと思います。)
この変化に対してラボアジェはoxigenationという言葉を使っています。翻訳では「酸化」としています。でも現在の意味の酸化ではありません。「酸素と化合する」ではなくて「酸に変化させる」という意味です。
ラボアジェは「酸素が酸性の原因である」ということは一言も言っていません。
oxide、oxidationという言葉もラボアジェが作ったものです。でも現在使われている「酸化物」、「酸化」の意味ではありません。
私の見た化学史の本の中にはラボアジェの書いている内容を忠実に記述しているものはありませんでした。
「ラボアジェは酸素が酸性の原因であるという誤った考え方をした」という内容がほとんどです。著者達はラボアジェの本を読まずに化学史の本を書いているようです。
翻訳が出ていますから読んでみてください。
ラボアジェ「化学のはじめ」内田老鶴圃
塩酸は当時「海塩酸」と呼ばれていました。
食塩と濃硫酸で作ることが出来ます。
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