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「10℃温度を上げると速度は2倍になる」とよく言われます。
たとえば、これをアレニウスの式にあてはめて、300Kの場合の活性化エネルギーを計算してみると、12.8kcal/mol という数字になります。
でも、これって本当に、およそ間違いのない数字なんでしょうか。
ちなみに私は、高粘性油中のO2(酸素)の拡散係数の温度依存性をざっくり推定(例:25℃から85℃に上げると拡散係数はおよそ何倍になる?ただし油自体の酸化はないものとする)したいのですが、冒頭の推論がおおまかでも当たっているのかどうか、確認したいのです。
また、「上記のような拡散系であれば、おおむね E=12.8kcal/mol で正しい」とか、「実験的あるいは理論的に、冒頭の命題が証明可能」といった情報がありましたら、具体的に教えていただけませんでしょうか。

なお、私はこの世界のプロではありませんので、平易にご説明いただけますと助かります。

どうぞ宜しくお願い申し上げます。

A 回答 (2件)

高分子材料等の気体透過の拡散係数と活性化エネルギーには,ある程度の相関性が認められます.つまり拡散係数が小さいものは活性化エネルギーも大きいことが多いのです.もちろん,大雑把な傾向なので,序列通りにならないことはいくらでもあります.逆にいえば,常温で同程度の拡散係数に見えても,活性化エネルギーが2倍,3倍と違う場合もあるわけです.


高粘性液体と固体の高分子とを一緒くたにはできないでしょうし,高粘度といっても液体であればそれほど高分子材料ほどには拡散係数が大幅に変動するってこともないのかもしれません (高分子材料中の拡散係数は,材料によって5桁,6桁,あるいはそれ以上も異なる).
これらの違いは,媒体の熱運動特性 (分子内の振動を含む) と,拡散する酸素と媒体分子との間の化学的相互作用が複雑にからんでくると思いますので,一般性のある議論は困難でしょうね.
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この回答へのお礼

返信が遅れ、申し訳ありませんでした。
明快な回答をいただき、まことに有難うございました。よく理解できました。やはり、ラフにでも「10℃で2倍」が適用できるかどうかは、今回のような拡散現象に関しても「一概には言えない」ということなのですね。しかし、「つまり拡散係数が小さいものは活性化エネルギーも大きいことが多い」という点は面白いと思いました。直感的にわかるような気がします。
また機会がありましたらどうぞ宜しくお願い致します。

お礼日時:2009/11/28 12:00

手っ取り早く言うと,10℃で2倍とか3倍とか言うのは経験則です.


現実の活性化エネルギーの値としては,ほとんど0から数100kJ/molくらいまで,いろんな場合があります.しかし,われわれが体験する事例としては,なんとか2倍とか3倍になる,まあ,数10kJ/mol 程度のものが多いと言えば多いのです.例外は枚挙にいとまはないのですが.
したがって,実験的にも理論的にも証明はできません.
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この回答へのお礼

迅速かつ解り易い回答をいただき、どうも有り難うございました。やはりざっくりとした経験則なのだということがよく解りました。
なお、引き続き、不活性ガス分子(と想定する場合)の拡散のような単純系では、「およそ2倍」とか「およそ3倍」などと言えるかどうか、ご存知でしたらご教唆くださいますと助かります。

お礼日時:2009/11/22 19:00

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