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No.1ベストアンサー
- 回答日時:
2倍則は要するに温度が10℃上がると寿命が半分になる,ということです.しかし,Arrhenius 式からそのような温度依存性を導くためには,まず活性化エネルギーEが決まらなくてはならず,しかもその上で近似も必要です.
Eがそのような値を取るという物理化学的根拠は何もなく,単にたまたまそのような系が多いのでそのような式が経験式として使われているというだけです.
L=L0×2^{(T1-T2)/10}
両辺の対数を取ると
lnL=lnL0 + {(T1-T2)/10}×ln2
=lnL0+(T1-T2)×(ln2/10)
∴ln(L/L0)=(ln2/10)×(T1-T2)
寿命と速度定数は逆数関係にあるので,もとのArrhenius 式を寿命で書けば
L=Aexp(E/RT)
T1でL0,T2でL の寿命だとすると
L0=Aexp(E/RT1)
L=Aexp(E/RT2)
∴L/L0=exp(E/RT2-E/RT1)
ln(L/L0)=(E/R)(1/T2-1/T1)
=(E/R)(T1-T2)/(T1T2)
={E/(T1T2R)}×(T1-T2)
ここで,T1とT2は絶対温度ですから加速試験程度の実験条件ではこの差は大きくありません.つまり,T1T2という項は通常は常温の2乗と近似してしまっても問題ないということです.そうすると,この式の{E/(T1T2R)}という項は活性化エネルギーが決まれば定数項として扱えるということです.
これが2倍則になるためには,Eが適当な値でなくてはなりません.式を見比べてください.
すでに述べたようにそのようなEになるという根拠はどこにもありませんが,経験的にそのようなものが多いようである,というだけです.
ちなみに化学反応では10℃上がると速度が3倍になる,という経験則がよく知られています.しかし,実際にいろいろと反応を見ていると,2倍にしても3倍にしても,そんなに適合しませんし,10倍くらい変わったり,ほとんど変わらなかったりするものも珍しくもなんともありません.それだけEの値はいろいろである,ということです.
丁寧な回答ありがとうございます。
ln(L/L0)={E/(T1T2R)}×(T1-T2)の中の{E/(T1T2R)}がln2/10 と経験的に分かっている という理解をしました。
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