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知的財産部に配属になり数カ月のものです。よろしくお願いします。
出願当初明細書には、実施例が5つあったとします。拒絶理由対応のため請求項1を限縮する補正をしたところ、実施例2,3,4,5は請求項1のクレーム範囲内のままであるが、実施例1がクレームの範囲外であって効果が他の実施例2~5に比べ同等の場合、当初の実施例1は参考例1にするのが通常かと思います。
 クレーム範囲外であるにもかかわらず効果が実施例と同等な参考例について、意見書で何か述べたほうがよろしいでしょうか?この点に迷ってます。当初明細書には参考例1が効果の点で劣るようなことは一切記載されておりません。例えば、明細書に記載されていない効果まで持ちだして、参考例1が他の実施例よりも劣る点を意見書で述べたほうが良いのでしょうか。意見書で特に触れなくても良いのでしょうか。宜しくお願いします。

A 回答 (4件)

クレームから外れて比較例にならないものは参考例にする理由は、簡単に言えば、補正を簡単にするため、分割出願を容易にするため、等々です。

これらの詳細は、miyutakeさんも今後のためにご自分で勉強して考えるようにした方がいいですよ。あと、必要ないことはしないという考え方もあるでしょうね。補正後の発明にとって不都合なことが書かれていても、世界中に公開しちゃったんですから、今さら隠しても(削除しても)だめです。

次に、本願発明および引用文献の追加情報を考慮に入れて追加回答しますが、引用文献から、A+Dは新規性なし、A+Cも効果が証明されていないので進歩性なしでしょう。そもそも、実施例を見ると、A+Bが基本構成のように思われますね。でも、実施例1~5は全部、引用文献から容易に想到し得たものということになりますから、効果の有無がポイントになります(#3に挙げた6つのケースの内の上3つ)。つまり、miyutakeさんが言う「効果」が何を指すのか、そしてその効果が予測できたものかどうかが重要になってきます。

Aと組み合わせてBを用いることによる効果が全く新たな効果で、しかもその構成からは全く予測できなかったものであれば、可能性はないこともないでしょう。

しかし、Bによる効果が引用文献に記載されていなくても、その技術分野ではAに類似したものにBを加えることやそれによってどういう効果が得られるかが従来から知られていたり、AにBを加えればどういう効果があるかが予測できたのであれば、#3に書いた6つのケースの内の2つ目に該当しますので、厳しいことになります。

そして、A+BがNGだったら、それと同等の効果しかないA+B+CやA+B+DもNGでしょう。(進歩性なし)

さらに、最後のA+B+C+Dも、その効果が予測し得たものだったら、NGでしょう。プラスアルファの効果(相乗効果)が必要です。これについては、A、B、C、Dの詳細な技術内容(種類、配合量等)がわからないので、正確なことは言えません。(両方使ってるんだから効果が大きくて当たり前なのかも知れません。)技術者の方とも相談して、プラスアルファの効果を見つけ出して下さい。
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この回答へのお礼

ご丁寧に回答をいただきまして、大変どうも有難うございます。
教わったことをよく考えて、対応したいと思っております。本当にどうも有難うございました。

お礼日時:2010/01/26 23:31

まず、補正前の請求項にはAのみの場合が含まれているので、Aが本願発明の基本構成で、それにBやC、Dを加えたものが所謂実施態様と考えるのが妥当かと思いますが、正しいでしょうか?そして、引用文献にAのみの場合が記載され、さらにA+Bの場合が記載(示唆)されているということですね?(なお、#2の回答文中には少々誤解があるように思われますが、実施例1はA+B、実施例2はA+B+Cで、Aのみの実施例は存在していないんですよね?)



>クレーム範囲外であるにもかかわらず効果が実施例と同等な参考例について、意見書で何か述べたほうがよろしいでしょうか?

#1のお礼欄に書かれたような場合だったら、何も言わなかったら確実に拒絶査定になるでしょう。

>(3)しかし、A+B+C、A+B+C+Dの構成は容易に導けないので、請求項をA+B+C、又はA+B+C+Dにすれば、新規性、進歩性は確保でき拒絶理由は解消できると仮定します。

この仮定は間違ってます。A+B+Cは公知技術のA+Bと同等の効果しか証明されていないので、進歩性なしと判断されると思いますよ。公知技術に意味のない構成要件を追加しただけでは特許は取れないし、そんな特許はそもそも権利として無意味でしょう。他人はCを使わずにA+Bの発明を実施すればいいだけの話ですから。

Cを使うことによる効果が明細書に記載されていなかったとしても、A+Bに加えてCを使うことが容易に想到し得たことでなければ、使ったことによって考えられ得る効果を主張しておくべきです。なお、A+Bに加えてCを使うこと自体が容易に想到し得たことだったら、明細書で効果が証明されていないことは致命的です。

以下、詳しい解説。

実施例2については、
(ア)A+BにさらにCを加えることが当業者が容易に想到し得たことであるのか否か、
(イ)Cを加えたことによる効果の有無、
(ウ)その効果(のタイプ・大きさ)が予測可能か否か、
が問題です。

(ア)想到可 (イ)効果なし (ウ)(効果なし)・・・拒絶理由あり
(ア)想到可 (イ)効果あり (ウ)予測可・・・拒絶理由あり
(ア)想到可 (イ)効果あり (ウ)予測不可・・・拒絶理由なし
(ア)想到不可 (イ)効果なし (ウ)(効果なし)・・・拒絶理由あり (∵無意味な追加要件)
(ア)想到不可 (イ)効果あり (ウ)予測可・・・拒絶理由なし
(ア)想到不可 (イ)効果あり (ウ)予測不可・・・拒絶理由なし
(下の3つについての(ウ)は、構成を知ったときに効果が予測できるか否か。)

効果が実施例で証明されていなくても、構成が容易に想到可能ではなくて、しかもその構成を採用すればある効果が得られることが予測できるのであれば、進歩性が認められる可能性はあります。したがって、机上論でもいいから実施例1を上回る実施例2の利点を主張しておくべきです。(実施例1の記載を削除してもだめです。)

なお、実施例3~5についても、もしもDを加えることが当業者が容易に想到できたことだったという証拠(追加の引用文献)が見つかったら、効果(○→◎)の予測可能性が争点となりますので注意して下さい。

ちなみに、選択肢のうちの1つが公知技術だったというような場合(実施例1=A+B、実施例2=A+Cのうちの前者のみが公知で、A+Cを残すような場合)、公知とわかった発明を請求項からは除外ししかし実施例中に参考例として残すことは、特に問題はありません。効果が同等でも、代替手段として価値があるかも知れません。ただし、効果の点で負けていたら、進歩性なしと判断される恐れが大きいでしょう。
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この回答へのお礼

ご丁寧な回答をいただきまして、どうもありがとうございます。
私の質問の仕方がまずかったと思います。どうもすみません。
実際の拒絶理由は下記のような事案で、ご回答の「ちなみに・・・」に該当するものと思いましたが、あっておりますでしょうか。
クレームから外れて比較例にならないものは参考例にするのだと知財部配属当時、会社の先輩より教わりましたが、そうするものだということで、どうしてそのようにするのか教わることができませんでした。
参考例については、同等の効果を有する代替手段の紹介、というような位置づけで捉えれば良いということでしょうか。
ご教示いただけましたら幸いです。

(1)本願の補正前の請求項1
「A+B, A+C, A+D、A+B+C, A+B+D, A+C+D,又はA+B+C+Dのいずれかからなる☆☆樹脂。」
本願の実施例
・実施例1 A+Bからなる☆☆樹脂 効果は○
・実施例2 A+B+Cからなる☆☆樹脂 効果は○
・実施例3~4 A+B+Dからなる☆☆樹脂 効果は○
・実施例5 A+B+C+Dからなる☆☆樹脂 効果は◎

(2)引用文献一つ
・クレームにはAが記載されている。
・明細書中で、Aに加え、さらにBやCやDやXやYやZ(・・・等たくさん記載)を加えても構わないことが記載(※1)されているが、加えるどういう効果があるかは記載されていないし、加えることが好ましいとも記載されていない。
・実施例には「A+D」が具体的に記載されている。

(3)引用文献の実施例よりA+Dが記載されており新規性違反の拒絶理由、及び理由が具体的に記載されていないが進歩性違反が通知された。

(4)引用文献でA+Dが開示されており、新規性違反を解消するため本願請求項1からA+Dを削除する補正、
また、A+B, A+C, A+Dについては、引用文献の明細書中の上記記載(※1)から構成上、進歩性がない可能性があると判断し、請求項の選択枝のなかからこれらを削除する補正、最終的にA+B+C, A+B+D, A+C+D,A+B+C+Dを請求項に残す補正を検討。それに伴い、実施例1を参考例1に補正。

以上です。長くなり恐縮です。どうぞよろしくお願いいたします。

お礼日時:2010/01/24 02:15

追加情報を拝見しましたが、実際にそういう明細書があるときにそういう拒絶理由が来ることなど、現実に起きている事例なのかが疑問です。



つまり、将来起き得ることを仮定して考えすぎておられる(杞憂)ように見受けられるからです。

というのも(2)(3)のように、「新規性、進歩性の拒絶理由が来たとします。」「新規性、進歩性は確保でき拒絶理由は解消できると仮定します。」という場合、実際の拒絶理由通知には、拒絶理由の対象となる請求項が書かれており、請求項○については現在までに拒絶する理由を見出していない、という助言がついているものです。

または、引用文献にて、AにBを含ませることで生じる効果が本願と異なるならば、それは新規な課題にたいする新規な解決技術手段として特許性はありえます。しかし、その場合には、実施例1と実施例2で効果に差がないから、Bを加えることによっての相乗効果は認められない、という進歩性否定の拒絶理由がかかれているはずです。

さらには、引用文献として要件Cに絡む言及が無いからこそ、拒絶理由が解消すると想定するはずです。

これらのような具体的な拒絶理由の記載内容(審査官の判断内容)によって、A+BやA+B+Cが特許性を有するかどうかは異なってきます。ですから、実際の拒絶理由通知にそって処理していれば、自ずと整合性がとられるのです。(審査官の指摘が妥当ならばそれを受けた補正をし、妥当でなければ論理的に技術と効果や従来技術との差異を説明・反論して納得いただけばよい)

なお、A+B+C+D(実施例3~5)の効果が実施例1,2より優れているならば、その判断基準(◎と○の差)によって、改良発明として特許性があるとみなされる余地は残ります。

最後に、出願人が勝手に特許請求の範囲を狭めてくれることについて、誰も他人は異議は唱えません。ですから、クレームをどんどん狭くして、そこから外れた実施例が参考例となろうとも、困る人は他にいないのです。(効果があるとわかっているのに、わざわざ権利から外してくれたわけですから、競合も審査官も助かります)
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この回答へのお礼

ご回答を頂きまして、大変どうもありがとうございました。感謝いたしております。

お礼日時:2010/01/24 02:23

拒絶理由の内容によります。



つまり、実施例2~5は新規で発明の効果がある、と主張したいからこそ、実施例1が外れるような減縮の補正をして権利化しようとしているわけです。

その作戦が有効であるかどうかは、実施例2~5に減縮することで、拒絶理由が解消するのか否かにあります。逆にいえば、解消しないなら、もっと別の減縮(明細書本文中にある好ましい要件をクレームに追加するなど)で実施例1~5をサポートするクレームを維持する方策を考えるべきです。

なお、当初の明細書に開示されていないような効果を後出しで付け加えることはできません。腕でなんとか権利化できる明細書と、後で何とも手の施しようも無いどうしようもない明細書というのはあるものです。
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この回答へのお礼

早速、どうもありがとうございます。もう少し教えていただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。
(1)本願の補正前請求項:A、A+B,A+B+C、又はA+B+C+D
本願の実施例
・実施例1 A+B 効果は○
・実施例2 A+B+C 効果は○
・実施例3~5 A+B+C+D 効果は◎
であったとします。
(2)引用文献にはAが記載されており、明細書中で、Aに加え、さらにBやXやYやFや・・・を加えても良いことが記載されており(具体的にA+Bの構成は記載されていない)、新規性、進歩性の拒絶理由が来たとします。
(3)しかし、A+B+C、A+B+C+Dの構成は容易に導けないので、請求項をA+B+C、又はA+B+C+Dにすれば、新規性、進歩性は確保でき拒絶理由は解消できると仮定します。
(4)この場合、実施例1は参考例1になると思います。請求項の範囲内になるからこそ効果が良いのですが、請求項の範囲外にあるにもかかわらず効果の良い参考例の存在について違和感があり、どう考えたら良いかと迷い最初の質問をさせていただきました。

お礼日時:2010/01/23 13:42

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