No.3ベストアンサー
- 回答日時:
例えば、235Uの半減期は7億年です。
これは、7億年の時間が経過すると、235Uの量が半分になる事を表します。
逆に言うと、7億年前には、235Uは現在の2倍の量が存在していたと言う事です。
そして、14億年前には現在の4倍、21億年前には現在の8倍、という具合に過去に遡る程、235Uの量は多かった筈です。
従って、現在の地球に235Uが存在していると言う事は、太陽系の初期に地球が形成される際の原材料となる、原始太陽系円盤を構成していた物質中に、に235Uが存在していた事になります。
それでは、次の例として14Cに関しても同様に考えて、現在存在している事が、過去においても存在していたと言う証拠になるのでしょうか。
14Cの半減期は5730年に過ぎませんから、最初の質量が14gある14Cの塊は、45万3千年経つと、残っている14Cの原子核は、計算上は1個未満になります。
ですから、太陽系の初期に存在していた14Cは殆ど全てが崩壊している筈で、現在の地球において存在している14Cの殆どは、太陽系の初期に存在していたものでは有り得ません。
実は14Cは、大気中の原子核が、高エネルギーの宇宙線によって破壊される際に放出される中性子を、大気中の14Nの原子核が吸収して、陽子を放出する事によって、常に作られ続けているのです。
従って、現在において14Cが存在しているからと言って、太陽系の初期においても14Cが存在したとは言えません。
ところで、14Cが崩壊すると14Nになります。
炭素を含む物質中では、14Cが崩壊する事で、14Nが作られ続けています。
黒鉛や石灰石の様な、窒素を殆ど含まない鉱物中に、微量に含まれる窒素の同位体比を調べた時、14N以外の同位体の割合が、地球上の窒素の同位体比と比べて、極端に低い場合には、その14Nは14Cが崩壊して生じたものだと言う事が出来、その鉱物が形成された際に、14Cが存在していたと言う証拠になります。(鉱物が作られる以前に14Cの崩壊によって出来た14Nは、窒素を殆ど含まない鉱物の中には入り込みませんし、窒素の無い鉱物中では新たに14Cが生じる事もありません)
26Alについても同じ事が言えます。
26Alは25Mgや26Mgが、宇宙線に含まれている重陽子(重水素の原子核)を吸収して、中性子を放出する事によって生成されますから、26Alが現在存在している事は、太陽系の初期においても存在していたという証拠にはなりまん。
ですから、14Cの例と同じようにに考えて、太陽系の初期に形成された鉱物で、条件に合うものを探して、調べれば良いと思います。
それから、この件で関係の深い資料としては、
Alan.E.Rubin著作の
「なぜ熱かった?小惑星の謎[What Heated the Asteroids?]」
という論文があります。
日本語に翻訳されたものが、「日経サイエンス 2005年8月号」と「別冊日経サイエンス167 見えて来た太陽系の起源と進化」に掲載されています。
又、内容を以下のサイトから、有料でダウンロードする事も出来るようです。
【参考URL】
なぜ熱かった?小惑星の謎
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0508 …
この回答へのお礼
お礼日時:2010/01/31 23:37
非常に丁寧で分かりやすいご解説、ありがとうございます。
おかげさまで、なんとか助かりそうです。
色々と参考資料まで教えてくださって、感謝しつくせません。
本当にありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
>半減期の短い放射性核種(26Al など)
これらの放射性同位体はどんな運命を辿ると思いますか?
その結果何が残るでしょうか?
その様に考えて答えを探して下さい。
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