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法科大学院受験生です。
以下のような、製作物供給契約(請負契約)において錯誤があった場合の事例について、教えてください!

テニスショップで乙が、ラケットのガット張り替えをお願いしたときに、「Aのガットに張り替えてください」と申し込んだのに対して、店員甲がBのガットと誤解しながらも「わかりました」と言って承諾したので、乙は誤解されてることに気付かずに張り代とガット代の料金を支払った。
そして後日、乙が張りあがったラケットを取りに行ったらBのガットが張られていた。
この時、乙はガットの張りなおし、ないし返金を請求したいのだがそれは可能か?可能だとしてその法律構成は何か?

本件のように、契約の成立において申込みと承諾の外形の一致はあるが内心の合致がない場合、誤解した甲の錯誤の問題になるのはわかります。
しかし、錯誤は取消的無効であり、表意者(この場合甲)しか無効を主張できないため、文句を言いたい乙は錯誤無効主張できず、乙の保護が図られないのではないでしょうか?
店員甲の方からわざわざ誤解を認めて錯誤無効主張してくれるとは考えづらいですから…

拙い質問で恐縮ですが、ご指導いただけるとありがたいです。

A 回答 (5件)

一つ訂正。



>>(ただし追認はできる)

この記述は無視してね。
字数制限(バグがあるけど未だに直らんね)に合わせるために記述を削ったんだけどそこで削り忘れただけだから。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
要素の錯誤に関する解釈は感銘を受けました。
確かに「意思表示」という文言に従えば、おっしゃる通りの解釈になると思います。
自分もその通りだと思うのですがひとつ気がかりなのが、このように解するとほとんどの場合、要素の錯誤の要件は満たされてしまうのではないでしょうか?
要素の錯誤を満たさないような「勘違い」はほとんど観念できないように思えるのですが、それでいいのでしょうか?

ちなみにこの事例は、自分が実際に経験した事案を単純に事例化したもので、法科大学院の試験などで出題されるような問題ではないと承知していますが、どうしても気になったので質問させていただきました。
不可解な問題だと思われたと思いますが、その旨ご了承ください。

お礼日時:2010/02/03 00:10

錯誤でしょ?結論がおかしいのは契約ひいては意思表示の解釈を間違ってるからだと思うけど。



店(甲は単なる店員であって契約の主体は店)と乙の間に成立した契約は「外形的に見れば」「Aガットに張り替える」というものと解釈すべきであり、それをBガットのつもりで承諾した店には錯誤がある。そしてこれは要素の錯誤に当たる。
錯誤は、簡単に言えばその錯誤がなければ当事者においても一般的にも「そのような意思表示をしなかった」ということだけど、これは別に「契約をしなかった」という意味じゃない。別の内容だったとしても契約をしたかもしれないということは当該意思表示に錯誤があることを否定するものではない。
例えば不動産屋が値段の同じ甲土地と乙土地を順に客に見せたとして、乙土地を見たところで客が「この土地を買う」と言ったのを「甲土地を買う」と聞き間違えて承諾したとしよう。この場合、乙土地と解っていれば契約しなかったわけじゃない。どっちであっても売るつもりなんだから。でも、錯誤はある。甲土地を売るつもりで乙土地の売買の承諾の意思表示をしたのだから。
さて、質問に戻って、この場合の店側の承諾の意思表示は「Aガットに張り替える」という内容と解釈すべきだけど、そうすると客の「Aガットに張り替えてくれ」という意思表示に対して「Aガットに張り替えることを承諾する」のだから意思表示は外形において合致し契約は成立する(仮にBガットに張り替えるという意思表示だとすると内心外形いずれにおいて合致していないので契約は不成立となる)。
しかし、「Bガットのつもりで、Aガットに張り替えるなどという意思表示は本来しない」と考えるのが当然だから、これは内心と表示が食い違っている錯誤になる。そこでもし内心が「Aガットに張り替える」だったなら「Aガットに張り替える」という意思表示をしただろうから要素の錯誤じゃないというのは意思表示の錯誤について誤解している。「Bガットに張り替えるつもりならAガットに張り替えるなどという意思表示はしない」のだから要素の錯誤になるんだよ。
判例通説の言う「その錯誤がなければそのような意思表示はしなかった」というのは「実際の内心」と錯誤のある表示の関係を問題にするのであって「仮定的な内心」と錯誤のある表示との関係を考えるわけじゃない。あくまでも、「その実際の内心を元にそのような表示をするかどうか」という視点で考えるんだよ。だから「Aガットという内心で」という風に内心の方を勝手に都合よく変えちゃいけない。あくまでも「Bガットという内心で」「Aガットに張り替えるという表示」をするかどうかで考えるの。そして当然そんなことはしない。
ということで、これは要素の錯誤に当たる。これは古典的な分類に従えば、表示上の錯誤ということになるだろう(この分類自体には、今日的には意味がない)。
そもそも錯誤と「ただの勘違い」と何が違うの?錯誤だって「意思表示の要素に関するただの勘違い」だけど?職人がAガットを張るつもりで間違ってBガットを張ったというのなら意思表示と関係ない「ただの勘違い」で錯誤の問題にはならないけどさ。

だけど、店の店員は複数種類のガットがあることを知っているのだからその内いずれかであるかをきちんと確認する注意義務があると言うべきであり、店としての注意義務に反した重過失があるから錯誤無効は主張できず、当該契約は有効と考えるべき。その上で、「Aガットに張り替える」という契約に対して「Bガットで張り替えた」というのは債務の本旨に従った履行をしていないから店はAガットに張り替えるという債務を負担したままになる。後は債務不履行の問題だけど字数制限に掛かるから割愛。

これだけで十分でしょ。法科大学院の入試風情でそんな高度な問題が出るわけがない。そんな高度な問題は入学してからやる話だからね。基本書レベルだよ。

もう少し付け足す。内田民法を見れば載ってるけど(錯誤のところではなく契約の一般的有効要件の確定性のところなので注意)、契約の内容を合理的に解釈していかなる意思表示があったのかをまず考えなければならない。つまり、契約内容の合理的解釈から意思表示の解釈をしてどのような意思表示だったのかを確定する。この場合、当事者の意思表示は「Aガットの張替え」というものだったと考えるべきで、そうであれば契約は成立するし、仮に「Bガットの張替え」という内容で契約が成立したとみるべきものなら 客 の 意 思 表 示 に 錯 誤 が あ る ことになる。もし仮に「Cガット」あるいは「何でも良い」となると共通錯誤で無効とすべき(ただし追認はできる)だし、「何でも良い訳ではないがどれか判らない」なら確定性を欠き、契約は無効とみるべきということになる。
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No.2です。


補足回答いたします。

担保責任というのは特定物における、売買や有償の双務契約において問題になりますので、確かに、請負契約にも適用されますし、請負契約には明文で担保責任の規定があります。
しかし、この責任は判例の「法定責任説」によれば、特定物がちゃんと債務を履行された上で、その目的物に瑕疵等の問題がある場合に問題になります。

例えば、建物建築請負契約なら建物は少なくとも「完成」させ、引き渡した後、瑕疵が見つかったような場合に問題になります。
完成した特定物は瑕疵があっても、この特定物はひとつしかない以上、現状のまま引き渡せば「債務の本旨に従った履行」となるからです(民法483条)。
(そのため、担保責任は債務不履行とちがった別の責任を法定していることになります。)
したがって、担保責任は債務不履行の責任ではないということになります。

念のため、ガットの場合で請負契約における担保責任の例を挙げると
Aのガットをちゃんとラケットに張ったが(仕事の完成)、その引き渡し後、Aガットの不良によってすぐに壊れてしまった。
というような場合でしょうか・・・
しかし、ガット自体が不特定物なので・・・ある意味これでも債務の本旨に従った履行がないといわれるかもしれませんが・・・

貴方の質問の場合は、Aガットが張られていない以上、債務はまだ「完成」していません。
即ち、当該請負契約における債務としては「債務の本旨に従った履行」未だにないことになります。
したがって、ただの債務不履行であり、債務の本旨に従った履行をするよう求めることは当然可能となります(完成と引き渡しが債権の内容だから)。
そして、履行期の定めがあるときや、そうでなくても債務の履行を催告した場合は、履行遅滞となり、(415条と541条の要件に従って)損害賠償や解除をすることができるようになります。

参考にしていただければ幸いです。
法科大学院でも、頑張ってください。
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この回答へのお礼

二度のご回答ありがとうございます。
債務不履行の問題として処理されるわけですね。
了解いたしました。

お礼日時:2010/02/02 23:56

錯誤とは、意思表示の内容をなし、表意者がその内容にしたがって法律行為上の効果を発生させようと欲した事実であって、その事実につき錯誤がなかったら意思表示をしなかったであろうと認めることが合理的であるものを指す(判例)。



これに従えば、
・甲の誤解は錯誤ではありません。
(Aガットだと分かっていても、契約をする意思はあるだろうから。ただの勘違い)
・乙の意思表示の時には、甲の誤解はなかったのだから乙の意思表示には錯誤はありません。

従って、本来の正解は錯誤ではなく、以下のようになると思います。
請負契約は仕事を「完成」させて引き渡す契約ですから(民法632条参照のこと)、
Aガットの張り替える仕事を請け負った以上、Aガットを張っていなければ仕事を「完成」できていません。
だから、債務の本旨に従った履行ができていない以上、Bガットを外してAガットを張らなければいけません。
(張り替えは当然に請求できる。)

また、履行期の定めなどがある場合、履行遅滞に基づく損害賠償(民法415条)、あるいは、解除(民法541条)をすることで代金を返還してもらうことができます(要件は自分で参照のこと)。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
伊藤塾テキストには、契約の成立において「客観的合致と主観的合致が内心においてされれば契約は成立するが、内心の一致がない場合でも外形において一致があれば契約は成立する。この場合の不一致は錯誤(95条本文)として処理される。」と書いてあったので質問の事例でも錯誤だと早とちりしてしまったのですが、おっしゃる通り、甲の勘違いは錯誤の要件のうちの要素の錯誤を満たしていませんね。
見落としておりました。

ということは契約は有効に成立し、請負人の担保責任が問題になる。そして担保責任は無過失責任であるから甲に過失が無くても甲の経済的負担で張り替えをしてもらえるという理解でよろしいでしょうか?
また、契約成立時の乙の申込みの際に、Bガットと誤解されてもしかたないような紛らわしさがあった場合でも、張り替えの際の負担(新たなガット代など)は甲が負うのでしょうか?

重ねての質問で恐縮ですがお願いいたします。

お礼日時:2010/01/30 23:46

法律の専門家ではありませんが・・・



>乙は「Aのガットに張り替えてください」といい甲は了解した。

甲は間違えてBのガットで張り替えた。

甲からしてみれば契約内容通りの仕事がされていないから、やり直しまたは返金を請求する。それだけのことでしょう。

甲の勘違いと契約上の錯誤とをゴッチャにしていませんか。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
おっしゃるとおり、要素の錯誤の要件を忘れておりました。
おかげですっきりいたしました。

お礼日時:2010/01/30 23:51

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