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2008年度 日立製作所の繰延べ税金資産による赤字
2008年度決算で約8千億円の赤字となった日立製作所ですが、その赤字の約4千億円の繰延べ税金資産とは日立の場合、どのようなものでしょうか。
1)4千億円は既に税務署に支払ったものでしょうか。
2)繰延べ税金資産とは税金の先払いとの解説を見かけますが、先に払うことのメリットは何でしょうか。会計の世界では、翌年度を楽にするための操作はご法度では無いのでしょうか。
3)過去の決算では税金の先払いを行った理由で、その過去の決算期では、払った分の利益を減らして、報告しているのでしょうか。
4)繰延べ税金資産の影響で、実際に日立はこの4千億円のキャッシュが消えてしまったのでしょうか。

A 回答 (3件)

ご質問の件は、税効果会計制度という会計制度に基づく処理です。

会計ルールに基づく計上ですからもちろんご法度などではありません。まずは税効果会計について調べてください。なお、赤字になったから繰延税金資産が生じたのであって、繰延税金資産のせいで赤字になるというようなことはあり得ません。
http://kessansyo.com/7-10.html

1)欠損金に関する部分は将来の税金が減ると見込まれることによる一種の引き当てであり、実際に払ったものではありません。黒字の場合の繰延税金資産なら原則支払済みということになります。
2)メリットデメリットの問題ではありません。税法と会計制度の違いによって生じるものです。
3)税効果会計制度のルールに合わせた処理をしているはず、としかいいようがありません。詳しくは有価証券報告書の注記などで確認してください。
4)繰延税金資産は評価による計上であって、収支は伴わないのでキャッシュは増減しません。
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この回答へのお礼

ご返事、ありがとうございます。
またお礼が遅れまして、すみません。

教えていただいたURLでもう少し勉強します。

お礼日時:2010/03/15 21:06

>その赤字の約4千億円の繰延べ税金資産とは日立の場合、どのようなものでしょうか。



平成21年3月期ですね。

>1)4千億円は既に税務署に支払ったものでしょうか。

繰延税金資産(赤字の場合の税効果会計の概略・超簡単に記載)
 n年度  所得額 ▲1000億円
 n+1年度 所得額 +1100億円
  税務上(納税)の計算
    n年度はゼロ(赤字ですから法人税はゼロ)
    n+1年度は、100億円(▲1000+1100)×税率(40.6%くらい)=40.6億円
       になります。
  会計上の計算
    会計は、各年度の税金を理論上算出します。
    n年度税金の理論値は ▲1000億円×40.6%=▲406億円
       ※税金がマイナス406億円
    n+1年度税金の理論値は 1100億円×40.6%446.6億円
       ※税金がプラス446.6億円
         →▲406億円+446.6億円=40.6億円と実際の納税と同じになる。
  つまり、税効果会計は納税額と、会計上の計上額の差違を明確にするために計上
  するものです。
   ※実際には、赤字の場合は通期で納税しますが、赤字の期は税金を還付
    されたことにして会計上は計上します。

>2)繰延べ税金資産とは税金の先払いとの解説を見かけますが、先に払うことのメリットは何でしょうか。会計の世界では

税法と会計原則の違いを明確にするためのものであり、メリット・デメリットは
当該制度を厳格に運用する限り発生しません

>、翌年度を楽にするための操作はご法度では無いのでしょうか。

ご意見、ごもっともです。
定められた規則のとおり運用(監査法人の意見等を的確に反映)すれば操作では
なく、税法との際を明確にしたものとなります。
恣意的に税効果会計を運用すればそれは粉飾決算となります。
 ※例示されている日立製作所は、有価証券報告書に正しく計上している旨が
  記載されていますので、正しく計上されていると判断します。

>3)過去の決算では税金の先払いを行った理由で、その過去の決算期では、払った分の利益を減らして、報告しているのでしょうか。

税効果会計の場合、繰延税金資産、繰延税金負債を各々計算して、税法上の
納税額と、会計上の税額(会計上の計算)の差違を埋めるため、当期純利益
が増減します。

>4)繰延べ税金資産の影響で、実際に日立はこの4千億円のキャッシュが消えてしまったのでしょうか。

繰延税金資産はキャッシュを伴いません。
(消えたのではなく、元々税効果会計はキャッシュと会計の差違を表していただけです)
キャッシュは有価証券計算書のキャッシュ・フロー計算書で確認する必要があります。
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この回答へのお礼

説明ありがとうございます。

再度教えてください。下記のように3年連続で赤字の後の黒字の場合、どのようになるのでしょうか。
 n年度  所得額 ▲1000億円
 n+1年度 所得額 ▲1100億円
 n+2年度 所得額 ▲1100億円
 n+3年度 所得額 +100億円 または +3500億円の 2通り

お礼日時:2010/03/15 21:12

>n+3年度 所得額 +100億円 または +3500億円の 2通り



税効果会計で重要なのは、累計で黒字になる事です。
n+3年度(本年を含んで4期)で+100億円であれば、累計で▲3100億円の赤字です。
一般的にn年度で、n+3年度までがこのように推移する事が予測できるのであれば
n年度で繰延税金資産を全部取り消す必要があります。
 ※税効果会計は、トータルで黒字になる事が前提です。
  http://www.ginkouin.com/law/account010.php
  累計で赤字の場合は、繰越欠損金が還付されませんので税効果会計の概念
  が成り立ちません。
 ※一般的には、このような予測の場合は税効果を取り消すのが一般的です。

これに対して、n+3年度で+3500億円であれば、累計で+400億円の黒字です。
これをn年度で合理的に予測できるのであれば、その予測に基づいて税効果会計
を行います。(赤字が1000億であれば、その約40%である400億円の繰延税金資産
が増加します)
ただし、n年度の予測で赤字がn+3年度までの累計がマイナスであると予測してい
たが実際にはプラスになる場合もあると思います。
この場合は予測に従ってn年度に繰延税金資産を取り消し、n+1年度に累損が解消
できる予測が立てば、n+1年度に改めて繰延税金資産を計上します。

つまり、未来の予測に従って繰延税金資産を取り消す必要がありますので、考え
ようによっては恣意的に行うことも可能となってしまいます。
よって税効果会計は恣意的にならないように厳格に行う必要があります。
http://www.tohmatsu.com/view/ja_JP/jp/knowledge/ …
(監査委員会報告第66号)
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