
手元の(安直な)古語辞典によると「尾」、「夫」、「男」、「女」、「小笠原流」、「惜し」、「折る」…、語頭は全て「を」で始まっています。
語頭が「お」の単語に50ページを割いているのはよいとして、「を」の単語にも13ページを費やしていて、これでは「基本は『お』、例外的に『を』」という怠け者向きの納得の仕方は通用しなそうです。
同じ語頭にありながら、嘗ての日本人が如何なる場合に「お」と発音し、如何なる場合に「を」と発音していたか、緩いにしても何か法則めいたものがなかったのですか。多分、識者の間では知られている事があるのだと推測します。素人が知っていても悪くない程度の知識が欲しいです。ここでの解説が困難であれば資料の紹介でも結構です。
よろしくお願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
暫くお名前をお見かけしなかったので、どうされたのかと思っておりましたが、
ご健勝のようで何よりです。
さて、ご質問の件、
> 同じ語頭にありながら、嘗ての日本人が如何なる場合に「お」と
> 発音し、如何なる場合に「を」と発音していたか、
ですが、これは
「お」と(或いはそれに当たる漢字で)書かれていれば、「お」と発音
「を」と(或いはそれに当たる漢字で)書かれていれば、「を」と発音
していた、としか回答できないのではないでしょうか。
つまり、現代においては「お」と「を」の音はともに「お」と表現できますが
「お」と「を」の音が明確に分かれていた時代においては
「お」と「を」を同一視する考えはなく、共通の表記法もなかったのでは
ないかと推測します。
(いってみれば、現代語において、同じ語頭にありながら、いかなる時に
「い」と発音し、いかなる時に「え」と発音するか、と問われるのと同じ
ように思います)
ただ、ややこしいのは、一部に「お」と「を」で対比の関係にある語が
あることで、これが今回のご質問を生んだ要因であるように思います。
つまり、
「大(おほ)」(大己貴:おほなむち)-「小(を)」(倭童男:やまとをぐな)
「男(をとこ)」-「翁(おきな)」
「をとこ」を「若い」とする点についての参考(→冒頭の「補足説明」):
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn/26003/m0u/%E …
「嫗(おうな)」-「女(をうな)」
http://dictionary.goo.ne.jp/srch/jn/%E3%81%8A%E3 …
のような例があるために、あたかも現代語で「お」と発音される「お」と
「を」の全てが、当時から関連のある音であったかのように錯覚された
のではないでしょうか。
(実際は、ともに「お段の一音」以上の共通点はなく、当時は(現代の
「い」と「え」、あるいは「あ」と「わ」と同様に)全く別のものという認識
でしかなかった、と)
・・・もしも当時の文書で、同じ文字を使いながら、一方で「お」、
他方で「を」と読む使用例に当たられたがゆえのご質問でしたら、
ご容赦下さい。
分かりました。
>>(いってみれば、現代語において、同じ語頭にありながら、いかなる時に
>> 「い」と発音し、いかなる時に「え」と発音するか、と問われるのと同じ
>>ように思います)
これがヒントになって全てが氷解しました。今回の質問をする者は「お」と「を」に限らず、「あ」と「い」、「あ」と「う」…という具合に語頭の発音が異なる全ての単語群に疑問をもつべきであって、それはナンセンスなことに気付きました。
無意識裏に「を」を特殊視してしまっていることからくる錯覚に陥っていたのだと思います。ご回答にあるような高度な事実に基づく疑問ではありません。
質問が出るのは気紛れに本を読むときで真面目に生活している時だというべきか、質問でもするしかない不真面目な生活をしている時だというべきか、何だかよく判りません。ともかく、今後ともよろしくお願いします。
有難うございました。
ーーー本日、12日(月)22時以降は締め切る可能性があります。―――
No.1
- 回答日時:
「同じ語頭にありながら、嘗ての日本人が如何なる場合に「お」と発音し、如何なる場合に「を」と発音していたか、緩いにしても何か法則めいたものがなかったのですか。
多分、識者の間では知られている事があるのだと推測します。」というご質問ですが、ア行の「お」とワ行の「を」は別の音で、日本語の最初に多量の記録が出る8世紀の初めには、音の違いがある事が、使われた万葉仮名で分かっています。
ア行の「お」の表記には、「意」、「於」、「隠」などが使われています。
ワ行の「を」に表記には、「乎」、「袁」、「烏」などが使われています。
この二つの音が合流して、実際の区別が無くなりました。下記などに説明があります。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question …
一度合流すると以前の状態をいまの発音などを基盤として再構成する事は不可能で、古語辞典のような書いた資料による情報源に頼るほかありません。「じ」「ぢ」「ず」「づ」の四つがなの区別が、昔、「じ」だったか「ぢ」だったかは文書にたよるしかないのと同じです。
この回答への補足
折角ですが質疑が噛み合っていません。これでよいとすると、早々に回答がついていたと推測します。
発音が違うからこそ文字も書き分けたのは承知しています。
質問は、
「同じ語頭にありながら、嘗ての日本人が如何なる場合に「お」と発音し、如何なる場合に「を」と発音していたか」です。
『同じ語頭にありながら、嘗ての日本人が如何なる場合に「お」と表記し、如何なる場合に「を」と表記していたか』ではありません。
よろしくお願いします。
NO.2を頂いて錯覚から脱出できました。疑問が解けた後で読み直すと、ご回答はNO.2に沿ったものとも読めます。補足の欄の記述は撤回します。失礼しました。
有難うございました。
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