独立行政法人研究所について教えて下さい。
独立行政法人研究所として有名なものに
AIST, NIMS, NICT、理研などがあります。
博士取得後に、こういった機関で働くことを考えております。
ネットで調べたり、人から聞くなどして調べたのですが、
いくつか質問させて頂けますでしょうか?
1) 研究資金についてなのですが、年に数十万という最低限の研究費用と公務員並の給料は研究所から支払われ、
基本的には、さきがけやCRESTなど外部の資金源に応募して、研究費用を獲得して研究を行うということで合っていますでしょうか?
研究所から支給される研究費は、私のイメージでは理研>NIMS>NICT>AISTといった順番のように思いますが、
外部から資金を調達してくる以上、それほど研究所自身がお金を持っているかということには関係ないと思いますが、
合っていますでしょうか?
2) 大学では、助教くらいまでは自分で実際に装置を使って実験をして結果を出しますが、
准教授以上になってくると、資金集めや政治、雑用といった仕事が増えて来ます。
一方で、研究所だと終身雇用で、60歳になるまで、自分で手を動かして実験をして、論文を書けるわけですよね?
しかしながら、私と同じ研究フィールドにおられるAIST出身の人の経歴を見ていると、
なぜかほとんどの人が40代くらいで、AISTを出て、大学に移られています。
しかもなぜか決まって、修士課程の学生すらいないような、3流大学に移られています。
せっかく終身雇用で研究が出来るのに、わざわざ外へ出るのはなぜなのでしょうか?
3) AIST, NIMS, NICTでパーマネント職に就こうと思ったときに、
大学でポスドク→助教→准教授のキャリアアップして行きながら、業績を増やして行き、最初からパーマネント職を狙うのと、
まずは、ポスドクで入所し、その後、パーマネント職に昇格してもらうのとではどちらの方が良いでしょうか?
私の考えでは、やはり自分の実力を付ける上では大学の方が適しているため、とりあえずは大学に残って、
業績を貯めつつ、資金の少ない環境であっても、成果を出していけるように自分の腕を磨いて行き、
チャンスを伺う方がベストではないかと考えております。
しかしながら、実際にAISTの採用担当やそこで働いている人に話を聞く限り、本当にお金がないとみんな仰っています。
いずれにしても、研究所でパーマネント職に就くのは極めて厳しいわけですが、
研究所に入って研究することは大学と比べて、本当に幸せなのでしょうか?
専門家のアドバイスを聞かせて頂けますでしょうか?
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
1-1) 基本的には、さきがけやCRESTなど外部の資金源に応募して、研究費用を獲得して研究を行うということで合っていますでしょうか?
合っています。
1-2) 研究所から支給される研究費は、理研>NIMS>NICT>AIST
合っています。
1-3) 外部から資金を調達してくる以上、それほど研究所自身がお金を持っているかということには関係ない
違います。外部資金は競争で取ってくるものですが、競争に勝つためには準備段階の研究の質が重要で、これは研究所自体の持っている資金の多寡に大きく依存します。また、独法のブランド力にも差があります。文部科学省系の資金に限れば、理研>NIMS>NICT>AISTの順で取りにくくなります。
2-1) 研究所だと終身雇用で、60歳になるまで、自分で手を動かして実験をして、論文を書けるわけですよね?
違います。(まず、大学も教授は終身雇用です。)研究所でも、実験や論文作成には外部資金で雇ったポスドクを使い、自分は資金獲得に向けた活動をしないと、外部資金が取れません。外部資金が無ければポスドクも雇えず装置も買えず、蛇の生殺し状態になります。つまり、40過ぎて自分で手を動かしている私のような人間は、そのうち論文すら出なくなります。
2-2) わざわざ外へ出るのはなぜなのでしょうか?
人件費圧縮のための「肩叩き」があるからではないですか? 50過ぎて自分で手を動かしているようだと、特に。それでも、大学へ移れるのは良い方。悪くすると組織内失業状態。「教育」というミッションが無い分、外部資金を取れないシニアは存在意義が強く問われます。(早い話、上司からも若手からも給料泥棒と言われて過ごすのです。)
3-1) ポスドクで入所し、その後、パーマネント職に昇格
任期付き(=正職員)とポスドク(=契約職員)とを混同しています。博士を取ってすぐに任期付き正職員になれる人は極めて少数派です。また、ボスドクからいきなりテニュアは取れません。博士→ポスドク(他機関)→任期付き性職員→定年制職員というのが一般的です。
3-2) 准教授へとキャリアアップして行きながら、業績を増やして行き、最初からパーマネント職を狙う
最初からパーマネント職というのは、かなりの狭き門です。しかも、即戦力としての採用(=採用後すぐにリーダークラスへの登用を前提)ですから、独法が補強したい分野と自分の専門に見事に一致している必要があります。
最初からパーマネント職という場合、独法も実用化研究が求められているので、事業化経験のある企業の研究所のリーダー格が有利かも。
3-3) 実際にAISTの採用担当やそこで働いている人に話を聞く限り、本当にお金がないとみんな仰っています。
まぁ、ないでしょうね。大学の有力研究室の方が資金もマンパワーも豊富ですよ。もっと言えば、大企業の研究所の方が圧倒的に研究環境は良いと思いますよ。
ご回答ありがとうございます。
2つ質問なのですが、
1) AISTでは研究以外に出向という形でお国の仕事もさせられると聞きます。
研究だけをするのではなく、こういった研究以外の仕事もちゃんとこなしていれば、
定年まで残ることが可能なのでしょうか?
2) 私のイメージでは、研究をしやすさとして、
有力な大学の研究室>独法研究所>大企業研究所>有力でない大学の研究室
という順番だと考えています。
私は、一流の研究者にはなりたいし、将来的になれると考えていますが、
一流の教育者にはなれないし、なりたいとも思いません。
それに東大京大クラスの優秀な学生が集まる研究室で教官ができたのなら
幸せでしょうけど、やる気のないアホな学生しかいない大学での研究室に配属となると
それこそ蛇の生殺し状態になってしまうと考えています。
それで、独法研究所に入れたら、と考えているのですが、
独法研究所であっても安住出来ないというのであれば、博士号取得後にアカデミックに
残るべきではないということなのでしょうか?
頭から「教育」に興味がなく、私のような人間は「企業研究所」へ行くべきなのでしょうか?
しかしながら「企業研究所」もどんどんと経費・人件を削減してきているそうなので、
すぐに研究以外の部署に回されるのがオチではないでしょうか?
私の教官や助教になられた先輩方など、周りの人はみんな、
企業に行かずに絶対にアカデミックに行った方が良いと仰っています。
どうするのが幸せなのでしょうか?
No.2
- 回答日時:
>退職まで、研究所に残らずに、途中で大学に移る人が多いのはなぜなのでしょうか?
大学に移る人数は全体の10%以下です。大体そんなに大学にポストはありません。AISTは東大の裏庭と呼ばれるほど東大出の研究者が多いのですが、プロジェクト研究が多いため充分に論文数が稼げません。出るのは特許ばっかり。
東大に戻れる人はほんの少し、他の国立に行ける人も少ないです。
給与は大学と同じです。私も教授の給料を貰っていました。研究費は額だけから言えばAISTの方が多いでしょう。
しかし、使い途が縛られている場合が多いので、使いづらいです。
>AISTは研究設備的には大学で言えば、どこと同じくらいなのでしょうか?
東大を超えていると思います。
>AISTではポスドクからテニュア職に移ることが出来るという話を聞きます。
東大、京大、東工大出の人はテニュア職に移りやすいですね、他大学の人は少し難しくなります。
それに、最近は優秀な中国、ロシアなどの研究者と競争するので結構大変。
国立大の助教はテニュア職ではありません。腰掛けです。海外でポスドクを五年以上してくる者も居ます。それでも東大院卒が東大に戻れる数には限りがあります。
ありがとうございます。
でも、やはり質問内容が全くうまく伝わっていないようなのですが・・・
AISTに限定させて頂くと、
任期ありと任期なしがありますよね?
任期ありであれば、博士号取得直後であっても雇ってもらえます。
そして、HPの情報によれば任期ありで3~5年ほど働いた人の8割くらいの人が
任期なしに昇格出来ると書かれてあります。
しかしながら、大学でポスドクをするのとは違って、AISTの場合には
入ってみないと、どういった人が指導者になるのか分からないわけですよね?
場合によっては放任主義で成果の出にくい研究チームに入れられる可能性もあるわけですよね?
そういった環境で、成果をほとんど出せず、苦しむよりかは、
大学でポスドク→助教→准教授とキャリアを積んで、
最初から任期なしを狙った方が幸せなのでしょうか?
というのが質問内容なのですが。
もちろん運によるとは思うのですが、
任期ありで採用されて、成果で全く出ず、その5年後に任期なしに昇格出来なかった場合のことを考えると
最初から任期なしを狙った方が安全パイなのかなという気がするのですが、
どうでしょうか?
No.1
- 回答日時:
AISTの研究者を定年退職した化学屋です。
>さきがけやCRESTなど外部の資金源に応募して、研究費用を獲得して研究を行う
まあ、そうですが、AISTの場合昔からのよしみでNEDOからのお金が一番多いですね。
でもあなたは、そのお金がどこから出ているか知る必要はありません。
知るとしたら、年金、健康保険、失業保険などの社会保険がどこの扱いか研究機関により異なると言う事程度でしょうか。
>研究所だと終身雇用で、60歳になるまで、自分で手を動かして実験をして、論文を書けるわけですよね?
でも一般に「管理能力」が認められると管理職になる事も多いです。定年後の再雇用の際、AISTでは二つの再雇用のポストがあり、グループを率いていたり、管理職で地域センターのセンター長や管理部門の長を経験していた方は五号職員に、自分の研究しかしなかったり、管理職になると「うつになる」(私のこと)様な職員は六号職員に採用されます。前者は自分の研究予算があり年収一千万、後者は支援部門のお手伝い(早い話用務員)で年収も二百万円が上限、と「運命」が分かれます。これが六十一歳から六十五歳までですから、その差はでかいですよ。(笑)
>修士課程の学生すらいないような、3流大学に移られています。せっかく終身雇用で研究が出来るのに、わざわざ外へ出るのはなぜなのでしょうか?
それははじめて聞きました。私の知り合いはみな国立大学へ出られています。スプリング8に行った方も居ますが。
>とりあえずは大学に残って、業績を貯めつつ、資金の少ない環境であっても、成果を出して
それは甘い。理系大学で充分設備が整っているところは旧帝大と東工大、筑波大だけです。独法が使う予算は莫大なものです。AISTでもスパコンは常に最新のものに置き換えられます。
データ取りで大きな差が付きます。
>本当にお金がないとみんな仰っています。
今、「仕分け」られていますからね。それに大学も研究所も「交付金」を毎年10%ずつ減らされていますので、職員の給与を払うのでピーピー言っています。ポスドクの給与は外部資金で払えますが、職員の給与は交付金から払っていますからね。ここでは大学と差はないですよ。
回答ありがとうございます。
ちゃんとして回答を頂いてないものなどを、再度質問させて頂きたいのですが、
1) 退職まで、研究所に残らずに、途中で大学に移る人が多いのはなぜなのでしょうか?
大学の方が授業、採点など雑用が多く、研究をする時間が少ないという話を聞きます。
それでも大学に移る人が多いのは、
やはり大学の教授の方が「先生」と呼ばれる立場であり、名誉があるからでしょうか?
それとも、給料、研究費等が大学の方が多いためなのでしょうか?
2) AISTは研究設備的には大学で言えば、どこと同じくらいなのでしょうか?
3) AISTではポスドクからテニュア職に移ることが出来るという話を聞きます。
博士号取得後、AISTのポスドクになり、テニュア職を狙うのと、
博士号取得後、とりあえず、国立大の助教になり、最初からテニュア職になるのでは
どちらの方が良いでしょうか?
どちらの方が実力がつきやすいか?テニュア職をゲットしやすさなどに関して
教えて頂けますでしょうか?
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