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「関白は次第のままに」の口語訳をネットで調べても出てこないので
どなたか分かる方に教えて頂きたいのですが…

A 回答 (1件)

大鏡ですね?



「次第」は、この場合、予定の順序とか、常識的な順番、とかいう意味になります。
もっと具体的には、ズバリ、「兄弟の年齢順」という意味です。

現関白太政大臣が、死ぬとか引退するとかで、関白職に欠が出たので、次期関白を任命しなければなりませんが、その任命が、個人的な縁故関係とか、人情がらみとか、そのときの政治家としての名声や実績とか、世間における人気とか、そういうものによらず、順当な年功序列や兄弟の出生順、現在の役職の格式などに応じて、予定されていた順番どおりに行なわれるべきである、と言っているのです。

藤原兼通は、兼家よりも年長なのですが、弟の兼家のほうが兄の兼通よりもすぐれた政治的手腕を持っていたので、弟のほうが先に昇進していました。
そのことを恨んで、兼通は参内をサボりがちでしたが、摂政伊尹が死んで、次期関白を任命しなければならなくなったとき、皇后安子の直筆の手紙を、今上天皇の円融帝に見せます。
安子は兼通の妹、円融帝の母です。
この手紙には、「関白の任命は、兄弟の年齢順になさい。決して間違えなさらないように」と書かれてありました。
安子はこの時すでに死んでいたのですが、兼通は、いつかこの日が来ると思って、生前、妹に頼んで、この手紙を書かせていたのでした。
円融帝は、亡くなった母の手紙を見て、「お母様の筆跡だなあ」と感激してお泣きになり、母の遺志に従い、手紙の指示通り、兼通を次期関白に任じたのです。
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