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酸素分子基底の三重項状態における三電子結合について

一体どのようなモノなんでしょうか・・、一つのオービタルに三つの電子が入ることはパウリの禁制律によって禁じられていますので、どのような様式による化学結合なのかさっぱり見当も付かないのです!

A 回答 (3件)

タイプミスで、最後に*が抜けていました。


ところで、本題の三電子結合ですが、有名な事例としてはヘリウム分子イオン(He2+)があります。
(これはHeの2価のプラスイオンではなく、ヘリウム分子He2のプラス1価イオンを表しています。)
He原子には2個の電子がありますので、ヘリウム分子が存在するとすれば、この分子には4個の電子があります。
プラスイオンですから、合計3個の電子となります。
これがHe:・He+ と He・+ He:との間で共鳴していると考え、その共鳴エネルギーで形成される化学結合を三電子結合といいます。
ちなみに、ヘリウム分子イオンの場合は58kcal/molの共鳴安定化のようです。
三電子結合の事例は非常に少なく、ヘリウム分子イオンの他、一酸化窒素、二酸化窒素、二酸化塩素などで考えられているに過ぎないとのことです。(理化学事典参照)
この場合も、1つの軌道に3つの電子が入るわけではありません。
酸素分子が三電子結合だと記述しているホームページも見られますが、酸素分子の基底状態での電子配置は、前の回答の通りです。
よって、三電子結合ではないと思います。
どちらにしても、パウリの排他律が破られて、一つの軌道の中に電子が3つ存在するという状態ではないと思います。

この回答への補足

さっそく回答の続きをいただきまして恐縮の至りでございます。酸素分子を3電子結合を含むと考えている人たちは2電子が入った一つの結合性軌道のオービタル(πpxあるいはπpy)と1電子が入った反結合性のオービタル(πpx*あるいはπpy*)を併せて3電子結合とよんでいるみたいです。
http://www.ci.noda.tus.ac.jp:1804/classroom/1997 …
あるいはWikipediaでも酸素分子基底状態3重項は3電子結合を含むと書かれています。結合性軌道のオービタルが満たされていることから反結合性軌道に一つ入っていても全体として結合性だという意味であるように受け取りました。ヘリウム分子イオンの場合にも1sの結合性軌道に2つと反結合性軌道に1つの電子によって3電子結合をしているわけですからよく似ています。これが4電子にまでなれば軌道は開裂してしまうようです。
http://kusuri-jouhou.com/chemistry/homo.html
1つのオービタルに3電子が入っているのではないことだけは大いに納得できました。

ありがとうございました・・。

補足日時:2010/07/12 23:41
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2つの原子軌道から、同じ数、つまり2つの分子軌道が作られます。



2つ出来る分子軌道の内、1つが原子状の原子軌道よりも安定な、結合性軌道、もう一つが不安定な反結合性軌道です。

ここで酸素分子を考えてみましょう。

酸素の場合、主量子数が2まででよく、3以上の軌道は考慮する必要がありません。

最も安定な軌道から、2つの1s軌道からはσ1sとσ1s*
(*印は、反結合性軌道を意味します。)
つぎに2s軌道です。
これらからは、σ2sとσ2s*が生じます。
最後に2p軌道ですが、酸素分子の結合軸に沿った方向のp軌道から生成する分子軌道は結合軸に対して回転対称(結合軸を回転させても同じ形で対称性を保持している)のでσ結合を生成します。

2つのp軌道から生成するσ結合ですから、約束通り結合性軌道と反結合性軌道が生成します。

この2pから生成する結合性軌道(σ2p)は他のp軌道から生成されるπ軌道に比べ安定になるので反結合性軌道(σ2p*)は、逆にπ結合の反結合性軌道よりも不安定になります。

以上のことをまとめて、酸素分子の分子軌道を低い方から並べてみましょう。
σ1s、σ1s*、σ2s、σ2s*、σ2p、π2px、π2py、π2px*、π2py*、σ2pとなります。

ここで、π軌道は結合性も反結合性も縮退しています。

これらの軌道に酸素分子の16個の電子を下から順番に入れていきます。
結合性のπ2p軌道までをいっぱいにすると14個の電子が埋まります。
残り2つん電子が縮退しているπ2p*にフントの規則に従い、1つずつ入ります。

結果として、反結合性軌道に不対電子が2つとなり、スピンの向きが同じなので、3重項となります。
主量子数2の3つの結合性軌道は、電子で満たされていますが、反結合性軌道にも2つの電子が入っているので結合力は3重結合とはなりません。

この回答への補足

>σ1s、σ1s*、σ2s、σ2s*、σ2p、π2px、π2py、π2px*、π2py*、σ2pとなります。

瑣末なことですが、最後のσ2pはσ2p*の打ちミスですね?

他は、だいたいどういう状況であるかは分かりましたけれども、いわゆる「三電子結合」というのは「結合性軌道の2つの電子に反結合性軌道の1つの電子を合わせた状態」を指して言っているものと思われます。これは「1つのオービタルに3電子が入っている」ように言っても良い類(たぐい)のものなんですか?

ま、一番そこが知りたいンですけれども・・・。

補足日時:2010/07/12 22:47
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分子軌道法使っても良いですか?


酸素分子は電子が6つありますから、原子状態で水素型原子の軌道を強引に使えば、1s^2、2s^1、2px^1、2py^1、2pz^1になっています。2s、2p軌道にはフント則で四電子が平行に入っています。
O2になると2s二つからσとσ*が出来、三×2つのp軌道からπx、πy、πz、πx^*、πy^*、πz^*が出来ます。
今σとπの相互作用を無視します。そうでないとややこしすぎるから。
十二個の電子のうち四電子はOの1s^2に入ったままだと考えて構いません。残りはO-O軸をx方向に取った場合、2sσと2πxを混成してspとsp^*が出来spに二電子入ります。
残りはπy、πz、に二電子ずつ入り、これで「結合性軌道」に十電子入りました。もんだいは残りの二電子です。
こいつらは一番低い反結合軌道πy^*、πz^*に一つずつ入ります。
この時σ*とπy^*(もしくはπz^*)に一つずつ入ったと考えても良いです。
環境によって変わるでしょう。
これらの二電子はフント則で平行に入りますから酸素分子は三重項になります。

この回答への補足

分子軌道には詳しくないのですが、

>酸素分子は電子が6つありますから、原子状態で水素型原子の軌道を強引に使えば、1s^2、2s^1、2px^1、2py^1、2pz^1になっています。

酸素分子は電子が6つ、とはどういう意味ですか?まず2倍しなければならないと存じますし、その場合には酸素の原子番号は8ですから8×2=16ではないのでしょうか・・。

補足日時:2010/07/12 20:02
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