10秒目をつむったら…

「社長は会議室にいらっしゃった」
「社長は会議室にいらした」
どちらも「居た」の敬語になると思うのですが、合っているでしょうか。

その場合、「いらした」の活用は文法的にはどうなるでしょうか。
また、終止形は「いらす」でしょうか。
文法に詳しい方教えてください。

A 回答 (5件)

「いらす」という言葉があってもよさそうに思われてしまいます。


調べると、古語で「貸す」ことを「いらす(貸す/息す)」、借りる方は「いらふ(借ふ)」と言っていたのですね。
また「入る」に尊敬の助動詞「しむ/しも」がついて「いらしむ/いらしも」という言い方があるようです。
これは「せたまふ」に起源し、「したまふ」を経て、「しまう」「しも」と変化し、更に揺れで「しむ」となったようですが、今日では失われた言い方ということでしょうか。

一方、「いらせられる」の転化である「いらっしゃる」は、動詞及び助動詞としてラ行5段活用しますが、その連用形は「いらっしゃい(マス)」「いらっしっ(タ・テ)」「いらしっ(タ・テ)」と幾通りかの変化をします。「特に助動詞の用法では助詞「て」を介して動詞・形容詞に付き、居るの尊敬語として用いる」(前田勇編「江戸語の辞典」)

「「社長は会議室にいらし(っ)た/いらせられた」、それに古さを気にしなければ「しも」を遣って「社長は会議室にいらせたもうた/いらしも(う)た」とも言い得るものでしょうか。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

大変参考になりました。
もう少し教えていただければ助かります。

1.
「いらっしゃる」の連用形として、「いらした」「いらして」という活用がある。
ということになるでしょうか。
また、これ以外の活用形はない、と考えてよいでしょうか。
たとえば、いらさない・いらす・いらせば・いらせ、など。

2.  
>「特に助動詞の用法では助詞「て」を介して動詞・形容詞に付き、居るの尊敬語として用いる」(前田勇編「江戸語の辞典」)

という抜粋文をお示しいただきましたが、
これは具体的に、どのような事柄について述べられているものでしょうか。
「いらした」は、動詞としても助動詞としても解釈できる、という意味でしょうか。
特に
『助詞「て」を介して動詞・形容詞に付き』
という文面の意図がよくわかりません。

追加質問で恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
    

お礼日時:2010/12/25 20:36

#4です。


1.
>「いらっしゃる」の連用形として、「いらした」「いらして」という活用がある。
ということになるでしょうか。
正確には連用形には「いらっしゃいます」の他に、「いらっしった」「いらっしって」「いらしった」「いらしって」があると同書では記されています。

>また、これ以外の活用形はない、と考えてよいでしょうか。
もちろん「命令形」と助動詞「…マス」をつけるときは本来の連用形である「いらっしゃい」をお忘れなければ、ですが。

>たとえば、いらさない・いらす・いらせば・いらせ、など。
本来「いらせらる」の転化は「詰まる」形での促音便や語尾の省略などでの「くだけた」発音によって「いら(っ)せ(ゃ)る」となっていったという流れを辿ればおおよその予想は立つと思います。
要は、既にくだけてしまっている話し言葉を論じる場合、その変化のプロセスにある「音便」や「語尾の省略」など音韻変化の要素を丹念に辿らなければならないということです。
それには大変な労力を要しますから、以下はあくまでも大雑把なイメージです。
「いらさない」→「いら(っ)さ(ゃ)(ら)ない」→「いらっしゃらない」
「いらす」→「いら(っ)せ(っ)(る)」→「いらっしゃる」
「いらせば」→「いら(っ)せ(っ)(れ)ば」→「いらっしゃれば」
「いらせ」→「いら(っ)せ(れ)(ば)」→「いらっしゃれば」

2.
>特に『助詞「て」を介して動詞・形容詞に付き』という文面の意図がよくわかりません。
同書の例を上げておきます。
「よくお寐臥(よって)いらツしつたらふのに」(天保9年・英対暖語)
「マアご機嫌よくツて入(いら)ツしやるのでございませうネ」(天保元年・由佳里の梅)
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この回答へのお礼

再度のご回答ありがとうございます。
また、詳細に渡る解説をいただき感謝いたしております。
文法の活用形などにも疎いもので、理解が乏しくご迷惑をおかけします。
学校時代に文法の勉強を疎かにしていた付けですね。^^;
教えていただいたことを中心に、まとめてみました。

1.
「いる」の尊敬語としての「いらっしゃる」は「いらせらる」という下二段活用語から変化してできたものである。

2.
いらせらる、は
いらせら・れ-ず
いらせら・れ-て
いらせら・る
いらせら・るる
いらせら・るれ-ば
いらせら・れよ

のようにラ行下二段活用する。
「いらっしゃる」よりも尊敬の度合いが高い。
しかし、(たぶん)非常に高貴な対象にだけより適用しない表現である。

3.
いらっしゃる、は
いらっしゃ・ら-ない
いらっしゃ・り-ます / いらっしゃ・っ-て
いらっしゃ・る
いらっしゃ・る-人
いらっしゃ・れ-ば
いらっしゃ・れ

のようにラ行五段活用する。

4.
「いらっしゃる」の連用形には、
「いらっしゃいます」の他に、「いらっしった」「いらっしって」「いらしった」「いらしって」がある。

5.
「いらした」「いらして」が「いる」の敬語表現として存在することは、お陰さまで理解できたと思います。
「いらせらる」の支流として、「いらっしゃる系」「いらす系(活用が限定されるにしても)」が生まれたと考えることもできるのでしょうか。

また、一番確認をさせていただきたい点なのですが、
「いらさない・いらす・いらせば・いらせ」
という活用も、現代人の人口に膾炙しているか否かは別にして、(古語としてでも構いませんが)誤った活用ではない、ということになるのでしょうか。
しつこくて申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
  
年末で何かとお忙しいことと存じます。
特に急ぎませんので、お時間のある時にでもお知恵を拝借できれば幸いです。
  

お礼日時:2010/12/26 20:19

「いらした」はいらっしゃったの転訛だとおもます。

それ以外には活用しません。

「いらっしゃる」は いく くる いるの三つの言葉の敬語です。

「社長は会議室にいらっしゃった」言いかえれば「会議室におられました」
「会議室にいかれました」「会議室に来られました」
の意味があります。
「いらした」も同然です。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

>「いらした」はいらっしゃったの転訛だとおもます。それ以外には活用しません。

そうでしたか。
ただ、どうなんでしょう。
「そんな遠方からわざわざ訪ねてきてくださるなんて、いいお友達がいらして良かったですね」
「今度、いらしたらゆっくりご案内いたします」などという表現があったような気がするのですが。
私が、#2さんおっしゃるところの「欠陥語」を覚えてしまっただけでしょうか。^^;

>「いらっしゃる」は いく くる いるの三つの言葉の敬語です。

おっしゃるとおり、3様の解釈が可能ですね。
  

お礼日時:2010/12/24 22:11

 僕個人の意見ですが、まず「いらっしゃる」は正式の日本語、「いらす」は非公式のしかも女性に使う人が多いように思います。



 その結果か、「いらす」の活用は、欠けています。
「いらし」て/た、はある。あとの「いらさ」「いらす」「いらせ」「いらそ」はない、欠陥語だと思います。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

>その結果か、「いらす」の活用は、欠けています。

そんな印象を受けますね。

>欠陥語だと思います。

押し切られそうです。^^;
  

お礼日時:2010/12/24 21:55

http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/15386/m0u/


終止形は いらっしゃる
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。


  

お礼日時:2010/12/24 21:52

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