No.3ベストアンサー
- 回答日時:
顕微鏡の方はあまり詳しくないのですが、基本的な原理(光学形式)はケプラー式屈折望遠鏡と同じだと理解しています。
望遠鏡は鏡筒の有効開口から光を取り入れ、対物レンズ・凹面鏡で有効開口から取り込んだ光を集光させ、鏡筒内に「実像」を結増させます。
そしてこの実像の光量(明るさ)・コントラストが、解像度とも言える絶対量の細かさとなります。
これにより対象を測定または識別できる能力を「分解能」と言います。
望遠鏡の「分解能」を求める式にはドーズの式が用いられておりますが、その式中の「116″」は天文学者ドーズの経験則から導き出された分解限界値です。
ですから「あくまでも経験則に基づく理論値」になります。
しかし対象と実像の間には、大気(大気成分・水蒸気・塵・ガス)があり、気流(揺らぎ)があり、鏡筒内部にも気流が発生することもあり、実像の光量・コントラストに大きく影響を及ぼします。
そして大気距離10km以上の影響を受ける天体望遠鏡の場合などでは、理論的分解能の半分以下の実性能しか得られません。
それから、対物レンズの透過率や凹面鏡の精度、反射式では副鏡・副鏡の支持具・光軸精度なども実像の光量・コントラストに影響を及ぼします。
さらに接眼レンズを用いる場合には、その光学性も大きく影響してきます。
光学系が完全なる精度で光の透過率100%で、大気の影響を全く受けない場合の、ドーズの経験則に基づく理論的分解能値の算出式は単純です。
「分解能=116″÷口径」→「2点を見分ける最小の角度」
(* また、低倍率からの一般式は、分解能=40″×√(口径/倍率+1)/口径+(82/口径) で求められる)←これはよく理解できてません/すみません。
以前に「分解能」を地上用望遠鏡に使うのはナンセンスと、意見されたことがありますが、性能の雑把な参考値として、解像力を求めてみましょう。
口径10センチの望遠鏡で1000m先の分解能・解像力は、
分解能=116″÷口径100mm=1.16″→0.00032°
tanθ=Y/X → Y=tanθ* X= tan0.00032°* 1,000,000mm = 5.585---
「100m先の2点間約6mmを見分けられる」となります。
この回答への補足
有り難う御座います。
因みに御詳しそうですから、更に教えて下さい。
ALMA計画の電波望遠鏡群の情報を
一体どうやって集約していくのでしょうか?
それともバラバラに受信していくのでしょうか?
宜しく御願い致します。
No.4
- 回答日時:
望遠鏡と顕微鏡はどちらも「小さくしか見えないものを大きく見えるようにする」ものではありますが, 「もともと小さいものを見る」ための顕微鏡と「もともとは大きいんだけど距離が遠いので小さく見えるものを見る」ための望遠鏡とでは「拡大対象の細かさの限界」が異なります.
顕微鏡では「観測に使う波の波長」が限界を決めます. 一方望遠鏡は「絶対的な大きさ」は大きいものを見るので, 「観測に使う波の波長と口径との比」で分解能が決まります. なので, 「大きな望遠鏡を使えば細かいところまで見える」というのが原則です... が, 天体望遠鏡についていえば大気のゆらぎが問題になるほど大きな望遠鏡を使っているので, 今では補償光学系を導入するのがあるいみ当然. また, 干渉計などの技術を使えば「擬似的により大きな口径の望遠鏡を作る」こともできます.
望遠鏡ではもう 1つ「集光度」という指標 (どれだけ暗いものが見えるか) もあって, こちらは誰がなんといおうと「口径」が大事. ハッブル宇宙望遠鏡 (HST) は「細かいところを見る」という点では現在最高クラスですが, 「暗いものを見る」というところでは地上の 8~10 m 級望遠鏡にはさすがにかなわなかったりします. といっても, 地上の望遠鏡でもそろそろ限界なんだけどね.
この回答への補足
有り難う御座います。
折角の機会ですから、もし御存知でいらっしゃいましたら、
御教授を下さいませ。
『ハッブル宇宙望遠鏡等には「ヘリウムの冷媒」を搭載させて、
CCDカメラによる撮影へのノイズを抑制しているそうですが、
ALMA計画の電波望遠鏡の場合には
「氷点下を下回る温度」の星からの電波を受け取る際に、
ノイズによる影響の存在が懸念され難いのでしょうか?』
宜しく御願い致します。
No.2
- 回答日時:
>望遠鏡の拡大対象の細かさの限界
いくら拡大してもぼけて意味がなくなる時点が限界とすれば、
おおむね対物レンズ、あるいは反射鏡に見合った、対象へ向けた口径の大きさに依存します。
われわれの方の事情としては、網膜の感光細胞の緻密さに限度があるということですが(こちらは生物)。
(星の光)など対象物からの光の量と変化などの情報を取り込む限度が口径の大きさで決まるということです。わrわれの黒目はせいぜい1Cmくらいですが、大きい望遠鏡は10mほどの口径がありますので、細かいところも良く見えるわけです。
口径が大きければ大きいほど拡大しても細かい部分が意味を失わないということです。
最近は直接目でみるよりもデジカメのようなCCDを使って撮影し、写真で観測分析することも多いので、その性能にもよります。また対称の動きに追随して長く露光させ、よりたくさんの情報を取り、細かいところを精密に見ることもするようです。
この回答への補足
有り難う御座います。
仰った内容から類推しまして、
『生産され得る「口径」の最大値が、究極的な限界なのだろう』
という解釈を私が勝手に行なったのですが、
誤っていますでしょうか?
畏れ入りますが、もし支障が御座いませんでしたら、
御教授を御願いします。
No.1
- 回答日時:
子供用の答え
●顕微鏡の倍率:1mmのものが10mmに見えるのが10倍、1mmの100mmに見えるのが100倍
●望遠鏡の倍率:10m先の大きさのものが1mと同じに見えるのが10倍、100m先の大きさものが1mと同じものが100倍
視直径と視角の関係がありますので、数学的にはもっと複雑です。(三角関数でも1度以下の値は分解能が不足します)
この回答への補足
有り難う御座います。
笑っちゃいましたが、質問の意味を文法的に捉えてほしかったです。
一寸残念…
「望遠鏡の拡大対象の細かさの限界」への哲学的な啓蒙を
御願いします。
因みにALMA計画の様に電波望遠鏡の性能を高めると、
氷点下の温度の星からの電波の測定もが叶うそうですが、
其の電波は流体が蒸発する際に発せられるのでしょうか?
是は、『大阪市立科学館の学芸員の方もが「分からない」と仰った内容』の1つなのですが、
正確な回答の提供への御協力を御願い致します。
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