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 植物の光合成で、水と二酸化炭素を原料にでんぷんが作られるということは知っています。
 しかし、大豆のようにたんぱく質が多い食品があります。少ない成分なら、根から吸収するということもあり得るのでしょうが、半分以上がたんぱく質ということは、大豆自身が体内で合成しているとしか考えられません。
 植物の中で合成している場合、原料は何(光合成の場合の水と二酸化炭素のように外部から取り入れたもの、光合成で作ったでんぷん など)で、どのようなメカニズムで作られているのか疑問がわきました。

 植物の中で、たんぱく質はどのように作られているのでしょうか。また、その反応について、光合成のような呼び名があるのでしたら、何と呼ばれているのでしょうか。



 この疑問の背景には、次のようなことがありました。

 子供の理科のプリントを見ていたら、(1)イネの種子の主成分と(2)大豆の種子の主成分を答えさせる問いがありました。 光合成について勉強する単元でのものです。

 光合成なのででんぷんがつくられる、また、イネの種子は米で主成分はでんぷんということで、(1)はでんぷんと即答できたのですが、(2)の大豆は、畑の肉と呼ばれるくらいたんぱく質が多い、しかし、光合成でたんぱく質ができるのかな、でも、イネとの対比での問題だからたんぱく質でいいのかな となかなか答えがわかりませんでした。正解を見ると、(1)はでんぷん、(2)はたんぱく質でした。

A 回答 (3件)

こんにちは、



植物はがタンパク質を作る過程には2つのステップがあります。
まずは、アミノ酸を作ること。
次に、アミノ酸をつなげてタンパク質をつくること、です。

植物においてアミノ酸を作る過程を「窒素同化」といいます。
植物は土の中の硝酸塩やアンモニウム塩に含まれる窒素(N)を取り込んでアミノ酸を作ることができます。
ところで植物が光合成をおこなうことはとても有名ですが、同時に呼吸も行っていることはご存知ですか?
植物は呼吸によって酸素を取り込み、光合成で作った炭水化物を分解してエネルギーを得ます。
(この時二酸化炭素ができるので、排出します。動物の呼吸と一緒ですね。)
呼吸はじつはとても複雑な化学反応の過程を経ます。
この複雑な化学反応の途中でできる、「ピルビン酸,α-ケトグルタル酸,オキサロ酢酸」といった物質と「窒素」を原料にアミノ酸を作るのが「窒素同化」です。

次に、「タンパク質合成」を行います。
タンパク質は、いろいろな種類のアミノ酸がたくさん連なったものです。
どのアミノ酸がどの順番でつながればいいのか、その設計図はDNAにあります。
DNAの中から必要な部分をコピーし、「アミノ酸」を原料に「タンパク質」をつくります。
DNAから必要な部分をコピーすることを「転写」、コピーを使ってアミノ酸からタンパク質を合成することを「翻訳」といいます。

これらの詳しい過程(光合成の過程を含む)は高校の生物IIの分野と大学の分子生物学で習います。
呼吸とタンパク質合成は動物・植物どちらも行いますが、窒素同化は植物しかできません。
そのため、動物はアミノ酸を作るのに必要な窒素をタンパク質を食べることで補います。
詳しい過程を知りたい場合は、以下のURLを参考にどうぞ。

窒素の同化
http://www.keirinkan.com/kori/kori_biology/kori_ …

呼吸
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%91%BC%E5%90%B8

転写
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%A2%E5%86%99_ …

翻訳
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BF%BB%E8%A8%B3_ …
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この回答へのお礼

 詳しくご説明をしていただき、ありがとうございました。
 でんぷんを作る光合成とは別の、そのでんぷんを利用してする呼吸によりたんぱく質などができているのですね。よくわかりました。

お礼日時:2011/05/08 15:30

学校での教育は段階的です。

特に小学校では段階的な教育が成されています。全く知らないものですから小学校理科の学習指導要領で確認しますと、ご質問の単元は5年生の「種子の貯える栄養」と思います。光合成は関係ありません。単純にどんな種子がどんな栄養を貯えているかの違いを勉強するものです。6年生になりますと「デンプンの出来方」と行った単元で炭酸同化を勉強します。ですからご質問の問題は、難しく考えることなく、どの種子が何を貯蔵しているか覚えるだけです。

光合成について極めて詳しい解説の後に、蛇足ですが反対に極めて簡単に解説します。
光合成は水を分解して得られた水素(酸素は必要ではないですから排出されます。)と光から得られたエネルギーで有機物を合成することを言います。合成する有機物によって2種類有ります。

1 光合成
 (1)炭酸同化(作用)…二酸化炭素と水素を利用し、光から得たエネルギーで炭水化物(デンプン等)を合成します。
 (2)窒素同化(作用)…窒素と水素と他の有機物を利用し、光から得たエネルギーでタンパク質の構成成分のアミノ酸を合成します。

さて、日本の義務校では光合成のうち炭酸同化作用だけ教えます。ですから日本人の大人でも、「光合成=炭酸同化→二酸化炭素と水からデンプンを作る。」とほとんどの方が思っているわけです。正しい知識ではないのですが…
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この回答へのお礼

 光合成のところと思っていましたが、種子の蓄える栄養という別のコーナーだったのですね。思い込みでした。
 光合成について学校で習ったことは、光合成の一部だったわけですね。
 ありがとうございました。

お礼日時:2011/05/08 20:19

 光合成で作った糖分を分解・酸化する際に生じるエネルギーを利用して、クエン酸回路と呼ばれる、糖分や脂肪を分解・酸化するするために行われる一連の化学反応の途中で生成される物質と、根から吸収した窒素分やミネラル類を原料にして、各種のアミノ酸が合成されます。


 そのアミノ酸を多数結合させたものがタンパク質です。
 詳しい化学反応の過程は、以下の参考URLのページに掲載されていますが、化学に慣れていないと理解する事が困難かも知れません。

【参考URL】
 福岡大学理学部化学科 > 研究室 > 機能生物化学 > 講義資料の目次へGo! > 代謝マップ > アミノ酸の合成
  http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/amino …

 福岡大学理学部化学科 > 研究室 > 機能生物化学 > 講義資料の目次へGo! > 代謝マップ > クエン酸(TCA)回路
  http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/tca_c …

 福岡大学理学部化学科 > 研究室 > 機能生物化学 > 講義資料の目次へGo! > 代謝マップ > 解糖
  http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/glycl …

 福岡大学理学部化学科 > 研究室 > 機能生物化学 > 講義資料の目次へGo! > 代謝マップ > 光合成
  http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/photo …

 福岡大学理学部化学科 > 研究室 > 機能生物化学 > 講義資料の目次へGo! > 代謝マップ > 糖新生
  http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/gluco …
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この回答へのお礼

 ありがとうございます。
 教えていただきました参考URLは、難しそうですが、じっくり読んでみようと思います。

お礼日時:2011/05/08 20:15

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