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「俠」という漢字、「キョウ」と読みます。
これとよく似た字で「侠」がありますが、意味は同じようです。

実は古い本を読んでいて「俠助」という言葉に出合い、これもやや古い「明解漢和辞典」(昭和38年発行)で調べたところ「俠」という字を見つけました。
ところがこの辞典では「侠」がないのです。

そこでインターネットで調べていくうちに、今では「侠」はあっても「俠」はないようです。
どうしてこういうことが起きたのでしょうか?
いきさつなどを教えてください。

A 回答 (3件)

パソコン上の字体について、詳しいわけではありませんが、「侠」の字は、おっしゃるように「にんべん+夾」が正字体です。



この「夾」を要素に持つ漢字として、「狹」や「挾」などがありますが、この新字体は「狭」「挟」です。
この例に倣って、「にんべん+夾」も「侠」という字体がパソコン上の字体として採用されたのだと思います。

辞書には載っていなかったということですが、昔の手書きの写本などでは「侠」という形の字も時に見られ、全く存在しない字ではありませんが、比較的使用頻度が低い字ですので、一般的ではありません。
ですから辞書にも「異体字」として採用されなかったのだと思います。

そんな辞書にも載っていないような「異体字」をJISに採用したのは、漢字をよく分かっていない人(漢字の学者ではなく技術者)が勝手に決めたからです。
単純に「簡単な字体にしよう」ということだと思いますし、「“狹”が“狭”なんだから、“にんべん+夾”も“侠”でいいだろう」という勝手な判断がなされたのだと思います。
このような例は他の漢字、たとえば「顛」「掴」など、たくさんあります(先輩編集者はこういう漢字を称して“嘘字”と言っていました)。

「狭」や「挟」は常用漢字ですが「侠」は常用漢字には入っていません。
公文書やそれに準ずる文書を除いて、一般的な文書中では、常用漢字以外の漢字は正字体で表記することになります。
つまり、本来ならば「にんべん+夾」が採用されるべきだったのですが、上記のような事情でJISには採用されませんでした。
それで仕方なく、昔のワープロや、今のパソコン、携帯電話、電子辞書などではこの「侠」の字を使うことになりました。

先の回答にあるように、現在は「にんべん+夾」もJISに取り入れられたようですが、それでも機種によっては文字化けしますので、普遍的ではありません。
特に携帯電話や電子辞書では、JIS第二水準くらいまでしか使えない仕様になっているので、どうしても「侠」の方が出てきてしまうのです。

そんなこんなで、みなさん「侠」の方が見慣れてしまい、違和感が薄れ、「にんべん+夾」の字が使える環境でも「侠」の方を使う方が増えてきました。
かくいう私も、ワープロが出始めたころは“嘘字”が気持ち悪くて仕方なかったのですが、今では昔ほど拒否反応を起こすことがなくなりました(完全に受け入れたわけではありませんが)。

ですから、質問者さんの「“侠”はあるのに“にんべん+夾”はない」という疑問が生まれるようになったのだと思います。
今でも「にんべん+夾」という字は存在しますし、漢字にこだわる方はきちんと正字の方を使っていらっしゃいます。

※この回答中、「侠」の正字をすべて「にんべん+夾」と書いたのは、質問文にある「俠」という字は、環境によっては文字化けするからです。
読みづらくなってしまい申し訳ありません。
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この回答へのお礼

なるほどわかりやすくご説明いただきありがとうございました。

もしやと思っていたことが現実に起こっていることを知り、危惧します。
一例ですが、パソコンのワープロ機能。
これもMicrosoft社の技術に左右されており、Microsoft社に雇われた在米日本人が携わっているやに聞きました。仮にMicrosoft社が真摯な姿勢であっても、日本語をチェックできるのはどうしても日本人となります。どこまで正確に反映してくれるか不安ですね。

そもそも、漢字の見直しがこう頻繁にあるのはおかしなことだと思います。

お礼日時:2011/06/27 14:35

》 ところがこの辞典では「侠」がないのです。



「この辞典」の辞典名、版数、出版社名、出版年は?、

この回答への補足

「明解漢和辞典」新版 三省堂 昭和34年3月25日第1刷発行 昭和38年5月1日第37刷発行

補足日時:2011/06/26 21:48
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>今では「侠」はあっても「俠」はないようです。


JIS C 6226-1978 では俠でした。
それが JIS C 6226-1983 で侠に字体変更されました。
その後 JIS X 0208:1997 で包摂規準が定められ,侠と俠は過去の規格との互換性を保つ包摂規準に位置付けられました。
そして JIS X 0213:2000 で正字の俠が採り入れられ,どちらの字体も使えるようになりました。

この回答への補足

>そして JIS X 0213:2000 で正字の俠が採り入れられ,どちらの字体も使えるようになりました。

なるほど今ではどちらも使えるのですか。

http://ja.wiktionary.org/wiki/%E4%BF%A0

↑では侠は簡体字,俗字となっていますが、インターネットの世界ではむしろ「侠」が主で「俠」は使われていません。
それどころか私が持っている電子辞書「広辞苑」第五版では「侠」のみで「俠」は全くありません。
さらに同じ電子辞書の中の「漢字源」(学研)にも「俠」はないのです。
・・・・ま、そういうことで不思議になって古い辞典を開いてはみたのですが・・・・。

どうも腑に落ちませんねえ、なぜでしょうかね?

補足日時:2011/06/26 21:44
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