「量子力学」の試験で次のような問題が出て、復習しているのですが導出過程と解答が分かりません。
お手数をおかけしますが、教えていただけないでしょうか。お願いします。
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問、固有値aとbを持つ物理量演算子をFとし、対応する固有関数をそれぞれA,Bとする。
(1)固有関数Aで表される状態(固有状態)でFを測定すると、どのような測定値がどんな頻度で得られるか。
(2)別の力学系でFの測定をしたところ、その平均値はcであった。この力学系の状態ψをA,Bを用いて表せ。
(3)状態ψにおけるFの分散(ΔF) ^2を求めよ。
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No.1ベストアンサー
- 回答日時:
(1)
系の状態がFの固有関数Aで表されるということは,この系でのFの測定値が必ずその固有値aとなるということ.
Fの測定値は必ずa.
以下,しばしばディラックの記法を使います.
固有関数A,Bに対応するケットを|A>,|B>,
状態ψに対応するケットを|ψ>とします.
(2)
Fは物理量演算子なのでエルミート演算子であり,エルミート演算子の固有関数は完全系をなす.したがって|ψ>は
|ψ> = u|A> + v|B>
の形に展開でき,<ψ|ψ> = 1 より
|u|^2 + |v|^2 = 1, …[1]
<ψ|F|ψ> = c より
a|u|^2 + b|v|^2 = c. …[2]
[1]と[2]を連立させて,|u|^2,|v|^2について解くと,
|u|^2 = (c - b)/(a - b),
|v|^2 = (a - c)/(a - b).
これ以上,u,vについての情報がないので,適当な位相因子をつけて,
u = e^(iα) √{(c - b)/(a - b)},
v = e^(iβ) √{(a - c)/(a - b)}
とする.
したがって,
|ψ> = e^(iα) √{(c - b)/(a - b)} |A> + e^(iβ) √{(a - c)/(a - b)} |B>
すなわち
ψ = e^(iα) √{(c - b)/(a - b)} A + e^(iβ) √{(a - c)/(a - b)} B.
ただし,α,βは任意の実数.
(3)
(ΔF)^2
= <ψ|(F - c)^2 |ψ>
= <ψ|F^2 |ψ> - 2c <ψ|F|ψ> + c^2 <ψ|ψ>
= <ψ|F^2 |ψ> - c^2.
ところで,
F|ψ>
= F[e^(iα) √{(c - b)/(a - b)} |A> + e^(iβ) √{(a - c)/(a - b)} |B>]
= e^(iα) a√{(c - b)/(a - b)} |A> + e^(iβ) b√{(a - c)/(a - b)} |B>,
<ψ|F†
= (F|ψ>)†
= e^(-iα) a√{(c - b)/(a - b)} <A| + e^(-iβ) b√{(a - c)/(a - b)} <B|
なので,
<ψ|F^2 |ψ>
= <ψ|F† F|ψ> (∵Fはエルミート演算子なのでF = F†)
= a^2 (c - b)/(a - b) + b^2 (a - c)/(a - b).
したがって,
(ΔF)^2
= a^2 (c - b)/(a - b) + b^2 (a - c)/(a - b) - c^2
= (a - c)(c - b).
# 計算間違ってたらすみません.考え方は合ってると思います.
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