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1) 誘電率がテンソルになるのは、誘電体の分極が必ずしも電界の向きと一致するまで回るとは限らないからと考えて良いのでしょうか?
2) 気体の誘電率はスカラーになり易い、というようなことはありますか?

A 回答 (3件)

 水分子のような極性分子であれば、大きな電気モーメントをもつため、高い誘電率をもちます。

しかし、液体や気体のような状態の場合、分子が回転の自由度を持つため、分子に電磁波が当たった向きの違いをキャンセルしてしまいます。したがって、気体や液体ではスカラーになり易いと言えます。液体や気体が旋光性をもつのは、分子が鏡映面をもたないキラルである場合です。この場合、分子の回転では右偏光と左偏光に対する応答を解消できず、誘電率がテンソルになります。たとえば、キラルではない水は旋光性をしめしませんが、キラルである糖の水溶液は旋光性を示します。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A9% …

 結晶が複屈折を示すのは、各原子の相対位置が固定されているために、電磁波に対する回転自由度をもたないからです。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。よくわかりました。誘電率のイメージが少し掴めた気がします。助かりました。

お礼日時:2011/09/15 00:00

 誘電率がスカラーではなく、テンソルになるということは非等方的ということです。

この非等方性を生み出しているのは、おもに以下のものです。

1)共有結合による物質の非等方性
 共有結合性は向きをもち電子分布が非対称的ですから、誘電率が非等方的になります。たとえば複屈折性をもつ結晶や、分子の旋光性などがこのタイプ

2)磁化による物質の非等方性
 物質が磁化を持つと、対称性が破られます。そのため誘電率が非等方的になります。

3)外部磁場による非等方性
 電荷を持つ粒子に磁場を引加すると、サイクロトロン運動により磁場に垂直な向きの運動が制限されます。そのため、たとえ気体であってもプラズマのような電離気体であれば、誘電率が非等方的になります。また固体であっても、エネルギー準位が角運動量依存性を持つ場合、遷移確率の光子偏光依存性が生じ、誘電率がスカラーでは無くなります。

この回答への補足

有難うございます。
1) は、少なくとも小さな単位では自発分極を持っているもの、ということになりますか?
例えば水蒸気の誘電率はテンソルになるのでしょうか?

補足日時:2011/09/11 22:29
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2011/09/14 23:58

慣性テンソル,応力テンソルなどと同様に,テンソルによって非等方性の度合いが表現されます。

したがって,誘電率がテンソルになるのは,結晶などの電気的な性質における非等方性を示すものと思います。たとえば極性をもつ分子からなる結晶において,電界の方向によって「必ずしも電界の向きと一致するまで回るとは限らない」という解釈も可能かもしれません。したがってまた,気体の誘電率テンソルは等方的になり,スカラーとして記述できるといえると思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2011/09/09 22:06

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