来週には測定を始めたいので困っています。どうか、回路図を直していただけないでしょうか。(この回路がデタラメなのは自覚してます。)
胸に貼り付けた小さなエレクトレット・コンデンサ・マイク(ECM)で心臓の音を拾って増幅し、ADコンバータ(ADC)に入れたいのです。
音をきれいに録りたいわけではなくて、ただ、音が大きくなるタイミングを判定して心拍数を調べたいだけですが、回路はなるべく簡単にしたいので、音量を測るのはADCの後段のソフトウェアでおこなうつもりです。
● 電源は3.3Vで、最大30mA程度使えます。
● ADCは入力レンジ0~3.3Vなので、アンプの出力にDC1.65Vのオフセットを加えねばなりません。
● 録りたい音はおおむね30Hz~200Hzです。ADCのサンプリング周波数をせいぜい1~2kHz程度にしたいので、500Hz以上は切りたい。
● コンパクトにまとめる必要があり、せいぜい4cm角で、DIPパッケージの背の高さより高くならないようにしたい。
ということは、あたかも1.65Vがグラウンドであるかのようにアンプを組んでやればいいのかな?と考えまして、初心者向けの解説をいろいろ検索し、材料・工具を買い出して作ってみました。オペアンプはLM358Nを使いました。
悪戦苦闘のあげく寸法は収まったのですが、
・増幅率が不足らしくて、マイクをうんと強く胸に押しつけねばなりません。
・再現性が悪いようで、うまく録れることもあればまるで駄目なときもあります。
・R6やR8の抵抗値を少々大きくしてみてもゲインがあまり上がらず、かといって大きな抵抗(1MΩとか)を付けると信号が出なくなってしまうようです。
そこで、少々心得があるという人に回路図を見てもらったところ、1.65Vのラインにつなぐのは2段目のオペアンプの+側だけにしろ、ということでした。その通りに作り直してみると、かえって信号が出なくなってしまいました…
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
1.C1は1ケタ以上大きくします(チップタンタルなど)
2.R4は 1k→100kに変更、ECMと並列に0.01から0.1μF程度のコンデンサー追加
3.ECMの出力は多分-40dB程度と思います、これをADCの中心値 1.6Vに増幅するには
46dB(200倍)程度が必要です、
そのためにはR5 10k→1k R6 100k→220k に変更
増幅度はVout=Vin xR6/R5 です、220k/1k=200 (倍)
R6 と並列に 0.001μF程度のコンデンサー追加(不要な高域をカットするので容量はカットアンドトライ)
発振など不安定になる場合は数キロΩを直列に入れてください
4.後段のOP Ampはバッファーに変更
出力のフィルターも変更したほうがよいでしょう
5.オペアンプの選択ですがLN358は下限電圧が3Vなので、電池が消耗すると動作しなくなります。
LMで回路が完成してからで良いですが、もっと低いNJM2732などに変更したほうが良い
ADCのほうから電源供給されるのであればこのままでも良いです
なをECMのみをシールド線で接続すれば検出部はECMの大きさになります。
参考URL:http://semicon.njr.co.jp/njr/hp/productSpec0010S …
この回答への補足
丁寧に教えていただき、ありがとうございます!
厚かましいのですが、もしよろしければ、ご教示戴いた回路についてもう少し教えて下さい。
> 1.C1は1ケタ以上大きくします(チップタンタルなど)
C1を大きくしないと1.65Vのラインの電圧がふらふらしてしまうから、という理解で良いですか?
> 2.R4は 1k→100kに変更、ECMと並列に0.01から0.1μF程度のコンデンサー追加
R4を大きくするのは信号が分圧されて1.65Vのラインに流れるのを減らすため、
コンデンサを入れるのはこの段階で高周波成分をある程度カットするため、という理解で良いですか?
> 3.ECMの出力は多分-40dB程度と思います、これをADCの中心値 1.6Vに増幅するには46dB(200倍)程度が必要です、
> そのためにはR5 10k→1k R6 100k→220k に変更
> 増幅度はVout=Vin xR6/R5 です、220k/1k=200 (倍)
> R6 と並列に 0.001μF程度のコンデンサー追加(不要な高域をカットするので容量はカットアンドトライ)
> 発振など不安定になる場合は数キロΩを直列に入れてください
第1段のオペアンプで一気に200倍の増幅をするのですね。(あんまり大きな増幅は無理なんじゃないかと遠慮してました。)
R6と並列に入れるコンデンサでできるフィルタのカットオフ周波数を200Hzにしたければ、
C = 1/(2π×200Hz×220kΩ) ≒0.03μF
という計算で良いでしょうか。
> 4.後段のOP Ampはバッファーに変更
> 出力のフィルターも変更したほうがよいでしょう
バッファーというのは、前段が後段の影響を受けないように切り離す作用をする、という理解で良いでしょうか。
最終段のローパスフィルターのR9を取り除いてC3を0.01μFにするということですが、第1段のオペアンプのところにローパスフィルターがあるからR9,C3は省略してもいいのでは?とも思うのですが、どうでしょうか。
> 5.オペアンプの選択ですがLN358は下限電圧が3Vなので、電池が消耗すると動作しなくなります。
> LMで回路が完成してからで良いですが、もっと低いNJM2732などに変更したほうが良い
> ADCのほうから電源供給されるのであればこのままでも良いです
オペアンプにもいろいろあるとは知らず、そもそも選択すべきものとは思っていませんでした…たはは。NJM2732は1.8Vで動作するのですね。スペースがないためにICソケットもなくジカ付けですので、最初からNJM2732Mを使うことにします。
No.7
- 回答日時:
こんばんわ。
stomachman さんの回路でICをNJM2732に変更してシミュレーションしてみました。
結果を添付します。
ECMは感度やゲインが不明ですので、容量:500pFでJ-FET内臓と仮定しました。
シミュレーション結果の周波数特性は上が出力の周波数特性(ゲインが実線、
位相は破線)を下がVCCに挿入したノイズ源から出力への伝達周波数特性
(ゲインが実線、位相は破線)を示してます。
出力の周波数特性で上のカットオフ周波数が200Hzより倍くらい高くなってますので
C3を0.47uFにすれば200Hz近辺まで下げられます。
また、ゲインがまだ足らなければ、後段のOPアンプ増幅回路の入力抵抗R7(10kΩ)
を1kΩ等に小さくすれば良いかと思います。
つぎに、Vccラインのノイズにい対する感度は-6dBとそんなによくありません。
もし改善が必要でしたら、C1(0.2uF)を33uF程度に大きくすることにより30dB近く
改善されます(シミュレーションにより確認済みです)
以上のように、基本的にはICを変更するだけでも大丈夫かもしれません。もし、
それだとゲインが足らないとかVccのノイズが気になるという場合は上述した
ような変更を試してみてください。
シミュレーションまでしていただき、本当にありがとうございます!
ノイズに対する応答まで分かるのですね。うーむ、シミュレータは便利だなあ。あ、いや、使いこなせれば、でしょうけれども。
次に回路を作るはめになった時には、ブレッドボードの接点がスコスコになるまでいじくって徹夜するより、まずシミュレータを使ってみようと思います。
No.6
- 回答日時:
Acha51です 補足への回答です
> 1.C1は1ケタ以上大きくします(チップタンタルなど)
C1を大きくしないと1.65Vのラインの電圧がふらふらしてしまうから、という理解で良いですか?
Ans:はい
> 2.R4は 1k→100kに変更、ECMと並列に0.01から0.1μF程度のコンデンサー追加
R4を大きくするのは信号が分圧されて1.65Vのラインに流れるのを減らすため、
Ans:はい
コンデンサを入れるのはこの段階で高周波成分をある程度カットするため、という理解で良いですか?
Ans:外来電波の影響を受けないようにするためです。
> 3.ECMの出力は多分-40dB程度と思います、これをADCの中心値 1.6Vに増幅するには46dB(200倍)程度が必要です、
> そのためにはR5 10k→1k R6 100k→220k に変更
> 増幅度はVout=Vin xR6/R5 です、220k/1k=200 (倍)
> R6 と並列に 0.001μF程度のコンデンサー追加(不要な高域をカットするので容量はカットアンドトライ)
> 発振など不安定になる場合は数キロΩを直列に入れてください
第1段のオペアンプで一気に200倍の増幅をするのですね。(あんまり大きな増幅は無理なんじゃないかと遠慮してました。)
Ans:はい、増幅したい周波数帯域が低いのでゲインを高く出来ます
R6と並列に入れるコンデンサでできるフィルタのカットオフ周波数を200Hzにしたければ、
C = 1/(2π×200Hz×220kΩ) ≒0.03μF
という計算で良いでしょうか。
Ans:はい、発振など不安定になる場合は数キロΩを直列に入れてください
> 4.後段のOP Ampはバッファーに変更 > 出力のフィルターも変更したほうがよいでしょう
バッファーというのは、前段が後段の影響を受けないように切り離す作用をする、という理解で良いでしょうか。
最終段のローパスフィルターのR9を取り除いてC3を0.01μFにするということですが、第1段のオペアンプのところにローパスフィルターがあるからR9,C3は省略してもいいのでは?とも思うのですが、どうでしょうか。
Ans:はい、ADCは入力インピーダンスが低いものがあります
> 5.オペアンプの選択ですがLN358は下限電圧が3Vなので、電池が消耗すると動作しなくなります。
> LMで回路が完成してからで良いですが、もっと低いNJM2732などに変更したほうが良い
> ADCのほうから電源供給されるのであればこのままでも良いです
オペアンプにもいろいろあるとは知らず、そもそも選択すべきものとは思っていませんでした…たはは。NJM2732は1.8Vで動作するのですね。スペースがないためにICソケットもなくジカ付けですので、最初からNJM2732Mを使うことにします。
ECMとの間が1-2mであれば添付図のようにmicのみを2芯シールド線で接続すると
センサー部が小さくなります
IC含めて小さくするにはチップ部品を使いICも前段のみ1cHいりを使います
アナログ回路は回路を組んでからがノイズとのドロ沼の戦い本番です、
この用途であれば電源のハム(ブーン音)対策です。
がんばってください。
逐一回答していただき、有難うございます。なるほど、よくわかりました。
ノイズとの戦いについては、質問文にも書きましたように、音を聞くためじゃないので相当酷くたって大丈夫だと思っています。電源ハムの周波数は心拍の周期に比べればうんと高い上に周波数帯域が非常に狭いだろうから、現れても多分ソフトウェアで分離できるだろうと思いますし、それ以外の電磁ノイズはもっと高周波でしょうから問題にならないかと。でも、シールド線を買ってきてコネクタを作ってみようと思います。その方が格好良さそうだし。
No.5
- 回答日時:
肝心なことを忘れていました。
前の回答を試す前に、
電源部のR1、R2のそれぞれに並列に100μFぐらいの電解コンデンサをつなぎましょう。
今のままでは、電源のインピーダンスが10kΩぐらいになっていて、まともに動かないのも当然です。
この回答への補足
重ねて御回答ありがとうございます。
電解コンデンサを2個も…積むスペースが大問題でして、うわあ困ったなあ。
ええと、「まともに動かないのも当然」と仰るのは、1.65Vのラインがノイズだらけになるから、ということなんでしょうか?もしそういう意味なのだとしたら、1.65Vのラインにつなぐものを減らせばマシになりますか?
たとえば、
(1) ECMのバイアス電源は3.3Vの電源から2.2KΩぐらいを介して取る。R4は削除。
(2) オペアンプの第1段は+端子(non-inverted input)をGNDに直結。
(3) R7, R8を削除し、オペアンプの第2段は(回答No.1にあるように)バッファにして、-端子には出力端子を直結、+端子には100KΩを介して1.65Vをつなぎ、第1段の出力も第2段の+端子につないで電圧の足し算をやらせる。
(4) R9, C3は削除。
(5) ついでにR1, R2も10kΩだったのを100kΩに変更してみたりする。
これで、1.65Vのラインはオペアンプ第2段にだけつながる訳で、あとはR1, R2に並列に(スペースに収まる範囲で)容量ができるだけでかいコンデンサをつなぐ。
というのでは駄目でしょうか。
No.4
- 回答日時:
まず、R4から左のごちゃごちゃした回路(ハイパスフィルターですか?)を除いて、R5にECMを直結してみましょう。
出力部のC3も不要でしょう。経験から、オペアンプには余計な部品を付けるほど不安定になることが多いようです。オペアンプ自体に安定化機能がありますから、まずは、もっともシンプルな入力抵抗と帰還抵抗だけの回路で試してみましょう。
あと、電源が3.3Vですが、オペアンプは3.3vで動作するタイプのものですか?
もうすこし電源電圧を上げたほうが安定すると思います。(中点電圧がずれるので、対策を考える必要が出てきますが、まずは安定動作を目指して・・・)
この回答への補足
ありがとうございます。
> まず、R4から左のごちゃごちゃした回路(ハイパスフィルターですか?)を除いて、
R5にECMを直結してみましょう。出力部のC3も不要でしょう。
R4は自分でもよく分からん抵抗で、なくて良いと思います。
C2はDC成分をカットする積もりで入れたのでした。直結してみるとアウトプットが出ないので、どうもC2は取っちゃ駄目みたいです。
R3はECMのバイアス電源です。マイクの仕様には1.5Vを1kΩで繋げと書いてありますんで、1.65Vのラインを流用してました。ECMのバイアス電源は3.3V電源ラインから取ることもできると思います。(C2を入れるのなら、R3とC2が嫌でもハイパスフィルタを形成するので、だったらR3を3.3Vではなく1.65Vのラインにつなぐのが良いかと考えたのです。)
R9とC3はローパスフィルタのつもりでした。0.5kHz以上はなるべく増幅してほしくないので。ですから、回答No.1で教えて戴いたように第1段のオペアンプにローパスフィルタを組み合わせてしまえば、R9とC3は外せると思います。
> オペアンプは3.3vで動作するタイプのものですか?
3.0V以上で動作するというのでLM358を使ったのですけれども、動作電圧とは別に回答No.1, 2でご指摘の問題があって、NJM2732に変更しようとしています。
電源電圧はレギュレータの3.3Vを使わずに電池(Li-ion)直結にすれば3.7Vまで上げられますが、その方が良いでしょうか。
No.2
- 回答日時:
こんばんわ。
>・増幅率が不足らしくて、マイクをうんと強く胸に押しつけねばなりません。
>・再現性が悪いようで、うまく録れることもあればまるで駄目なときもあります。
>・R6やR8の抵抗値を少々大きくしてみてもゲインがあまり上がらず、かといって
>大きな抵抗(1MΩとか)を付けると信号が出なくなってしまうようです。
まず、上記のような具合の悪い原因として、
OPアンプの選定に問題があります。
LM358Nは出力電圧が電源電圧まで出せません。最大で電源電圧をVccとして
Vcc-2V
が保証値です。Vccが3.3Vですと 3.3V-2V=1.3V が保証される最高出力電圧
になります。実際はマージンがありますので Vc-1.6V~Vcc-1.7V 位になります。
つまり、 1.7V ~ 1.6V 程度の電圧までしか出力電圧は上げられません。
acha51さんの回路では基準電位が1.65Vに設定されてますが、OPアンプの出力は
基準電位1.65Vに近い電圧しか出せませんので入力電圧が高くなった時には出力は
基準電位1.65Vより低い電圧は出せますので正常に動作します。しかし、入力電圧
が基準電圧1.65Vより低くなった場合は、出力は大きな電圧を出そうとしますが
せいぜい1.6~1.7V程度までで頭打ちになるため正常な動作になりません。
対策として、出力電圧が供給電圧Vcc近くまで出せるOPアンプを使用することです。
回答NO.1の方の回答で推奨されているOPアンプNJM2732なら出力電圧はVccまで
出ますので正常に動作すると思います。
OPアンプの変更により、増幅度不足や、再現性の悪さなどは解消される可能性が
大きいです。変更後、もし、まだゲインが足らないようでしたら、帰還抵抗を
大きくする対応で何とかなると思います。
この回答への補足
ありがとうございます。
オペアンプの出力電圧は供給電源電圧と同じだろうと、勝手に思い込んでいました。オペアンプの選定が決定的に重要なのですね。NJM2732を使う事にします。
音を聞く訳ではないのでノイズの海の中から信号が垣間見える程度のアンプでも良いのですが、だからと言ってイーカゲンに作っても駄目なのだなと思い知りました。
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