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トランジスタ(2SC1815Y)を使ったシュミットトリガ回路の設計をしようとしています。学生実験で添付画像のシュミットトリガを組んだ記憶があり、この回路の通りに設計しようと考えています。

なお、今回想定する入力波形は、周波数10~100Hzで立ち上がり時間が非常に遅く(1msくらい)、Vp-p=5Vの正パルス波形とします。これをシュミットトリガによって、立ち上がり時間を早くしたいわけです(500nsくらいに)。→IC(74HC~~)の入力にいれて、立上りで余計なカウントをしないように。

そこで添付画像に記した各パラメータ(R1,R2,R3,RE,RL1,RL2,C)の決め方について教えてください。また、R2とCが並列に接続されていますが、これは何のためでしょうか。
どうかよろしくお願いします。

※添付画像が削除されました。

A 回答 (2件)

今日は、



 設計の仕方、考え方はいろいろあると思いますが、一例として;

1)Q2が「ON」した時の出力「L」レベルを受け側のIC の閾値以下にする。
  ここでは、0.5V に設定します。

2)立ち上がり立下りスピードが500nsくらいを目標なので、それを満足させられる
 トランジスタの動作スピードを確保できるコレクタの動作電流 ICを決める。 

  500nSを実現するのに必要なトランジスタのfTはおよそ

   fT=(1/(2π*500ns))*3*hFE   (1)

  で計算する。式で3を使っているのはざっくりですが、必要な時定数は
  立ち上がり時間の1/3倍としてます。(立ち上がり時間は出力論理レベル「H」
  の10%~90%の時間ですが、時定数は0%から63%までの時間なので)

   ここでトランジスタのhFEを120と仮定すると必要なfTは概略、

   fT=115MHz

  2SC1815のデータシートのfT-IC特性のカーブからIC=1mAも流せば十分なことが
  わかります。よってトランジスタのICを1mAにします。

3)抵抗RL2とREを求める。

  Q2がON状態を考えます。2SC1815はIC=1mAの時のVCE飽和電圧は
  0.1V以下で十分小さいので、VCEsatは無視します。

  ICが1mAなので、抵抗RL2とREの和は電源電圧Vcc=5Vより、

    RL2 + RE = 5V/1mA = 5kΩ (2)

  になります。Q2がON状態は出力が「L」状態の電圧(VOL)にありますので、
  この状態では出力は電源Vccを抵抗RL2とREで分圧した状態になっていますので、
  次の関係が成り立っています。

    Vcc/VOL = (RL2 + RE)/RE = 5V/0.5V  (3)

  式(2)と式(3)からREは

    RE = 5kΩ*0.5V/5V = 0.5kΩ → 510Ω とする。

  RL2は  5kΩ - 0.5kΩ = 4.5kΩ → 4.7kΩ とする。

4) Q1のコレクタの抵抗RL1はRL2と同じ値になりますので 4.7kΩとなります。

5) R2を決めます。

   R2はQ1のコレクタ電圧をQ2のベースに供給しますのでICの値の1/3程度
  と大きめな電流を流しておきます。その場合、R2を10kΩ程度にすれば良い。

6)R2に並列につながれたCの役割:

  Q1のコレクタがH⇔Lと変化しますが、それぞれの変化する瞬間の立ち上がり立下り
  で抵抗R2をバイパスさせてQ2のベース電流を増加させてトランジスタのON-OFF
  スピードを速める効果があります。

  Cの値は大きいほど効果が出るというものでもありませんが、1,000pF程度は必要です。

7)R3について、

  R3は必要ありません。Q2をOffにする状態ではQ2のベース-エミッタ間をQ1で
  抵抗R2を介してショートしてますので、それで十分です。

以上です。
  
  

   
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この回答へのお礼

細かなアドバイスありがとうございました!!

実際に回路を組んでみたところ、Q2のICには4.5mA程の電流を流さなければ、立ち上がり時間が500ns程度になりませんでした。おそらく計算で参考にしたデータシートのfT-Ic特性の条件はVcc=10Vで、今回のVcc=5Vとは特性が少し違うのだと勝手に考えております。
また、RL1とRL2の抵抗の値を変えてみましたら、立上りと立下りの閾値に違いが表れ、おもしろかったです。

(1)式の計算の仕方がわかりませんでしたが(私が未熟ゆえに)、大変参考になるアドバイスありがとうございました!!

お礼日時:2011/02/19 11:22

シュミットトリガ回路については、アナログエンジニアの先生のブログに


「シュミットトリガの解析」として、詳細な解析が載ってます。
http://analog-engineer.cocolog-nifty.com/blog/20 …
http://analog-engineer.cocolog-nifty.com/blog/20 …
アナログエンジニアの先生は本も出してますから、それを読むのもエエでしょう。
http://www.amazon.co.jp/dp/4526055646
本を読んで質問すれば、責任ある回答が得られるでしょう。
また、ブログ内で検索すると、他でも触れてますね。
http://analog-engineer.cocolog-nifty.com/blog/20 …
http://analog-engineer.cocolog-nifty.com/blog/20 …
Cについては、スピードアップ用なんで、波形を見ながらカット&トライだと思いますが、アナログエンジニアの先生に質問すれば回答は得られるでしょう。
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この回答へのお礼

多くの情報ありがとうございます!
アナログエンジニアの先生のブログを読んで勉強します!

お礼日時:2011/02/18 11:52

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