はじめまして。
工場排水の分析をしているのですが、上司がCOD分析の際、水浴を使わずに電熱ヒーターに直接三角フラスコをかけろと言うのです。
温度管理もできないし、30分間そんな状態で加熱をしてしまったら乾固してしまうのではないのか?と意見したところ、それなら最初から水量を増やして測定をしろと言われました。
それで正確なCODの値が出るとは思えません。
実際、今まで勤めていた会社(4社)ではそのような方法を行ったことはないですし、100ml検水を200mlとか300mlとかにして分析などして、その値はCOD値として提出できるものなのでしょうか?
上司はそれでいいというのですが、自分は怖くてそんなことはしたくないのです。
サンプルも残り少ないので出来るだけ失敗はしたくないので、詳しい方のご意見を聞かせていただきたいと思います。
宜しくお願いいたします。
No.1
- 回答日時:
学生さんではなく会社で、ということで
計量証明事業所での測定ということでしょうか?
もしもそうなら工場排水中のCOD測定はJIS K 0101
に定める方法に従うことになります。
K0101の17には、「沸騰水浴中で30分間反応させ・・」と明記してあります。
また、「試料の適量を三角フラスコ300mLにとり、水を加えて100mLとし・・」
ともあります。(検水の量は最大で100mLです)
つまり、上司が仰る方法では公定法無視ということになります。
一般的な考えでは、電熱ヒーターでは一度に測定する数が限られますし
ryu-iさんも仰るようにCODの測定で最も重要なフラスコの温度が均一に成らず
雰囲気の温度にも大きく影響を受けるでしょう。
つまり検査室の温度条件によって
過マンガン酸カリウムの消費速度にムラができることは十分予想されます。
どのような根拠でこの方法を推されるかが私にも理解できません。
迅速分析やコスト面や人員配置の兼ね合いで
どうしても公定法からはずれた方法をとらなければならない場合は、
既知濃度(あらかじめ調節した濃度)のサンプルを用意し、
想定されるあらゆる条件を試し、同時に公定法も平行して実施し、
その結果全く問題ない(公定法とのバリデーションがとれる)と判断されてから
実施しなければならないと思います。
でなければ顧客への説明が付きません。
如何でしょうか。
早い回答をありがとうございました。
自分が思っていた通りの意見をzep1100さんからいただけてとても嬉しく思います。
もう一度上司に意見をしてみたいと思います。
本当にありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
そのとおりです。
このCODというものは、そのやり方で出る値がいくらかということを調べます。やり方が違うとかなり値が違ってきます。職人的な試験方法です。
水道関係では過マンガン酸カリウム消費量という試験があって、その方法では直火のはずです。(これも、TOCに変更になりましたが)
科学的な試験ではないのです。
排水の試験であれば、次から工場排水試験方法(K0102)を見て確かめることができます。
JIS検索をクリックしてください。
他のHPは参考としてはよいのですが、公定法自体にはなっていません。
(ただし、上司の方法は研究などであればよいのでしょうが、水質汚濁防止法の放流水の適否の試験であれば間違いです。)
参考URL:http://www.jisc.go.jp/
回答、ありがとうございます。
JISは自分でも水質を購入していますので、それを見ながら上司に意見をしたのですが納得していないようです。
上司の言う方法ではCOD値が求められないと言うことが0144kitaさんの回答からも確認できてとても参考になりました。
ありがとうございました。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
過マンガン酸カリの有機物酸化反応はかなり微妙で、反応条件により結果が変化します。
有機化合物の種類により反応回収率が極端に異なり、かつ低反応率です。過マンガン酸カリをCOD分析に用いている国は日本以外に余り無いはずです。
この点、二クロム酸カリを用いる酸化方式の反応率は殆どの化合物が90%~100%です。
私の会社では、廃水処理の理論的な考察にはCODCrを用い、CODMnは法対応のみの運用としています。
【温度】
電気ヒーターでは正確な温度管理は無理で、恐らく局部加熱されてCODは高く出てしまうでしょう。
しかし、沸騰水浴と言う物も管理しにくい物ではあります。PID制御したアルミブロックバスなら加熱時間を5分ほど延長すれば結構良い感じかもしれません。
【酸化剤濃度】
又、試料量を多くするのは、全くもって問題です。
過マンガン酸カリの濃度が薄くなってしまい、CODは低く出るでしょう。
JISでは、反応後の残存過マンガン酸カリを一定レベルに保つ様規定されているくらいです。
ここからは独り言・・・・・
しかし、「公定法に全ての操作を合わせろ」と言うのは、合理化・自動化のネックになり、コストダウンが図れません。ご都合主義の公定法に振り回されて困った事です。
例えば、検水中の塩素の妨害を除去するために加える銀塩は、以前は「硫酸銀の粉末」とされていたため自動分析計製作のネックとなっていました。 仕方なく硝酸銀水溶液を加える方式で自動装置に仕上げていたのですが、これは亜流扱いでした。
しかし、この自動装置がかなり普及すると見るや、JISも硝酸銀水溶液を加える方法に改訂されました。
沸騰水浴加熱も改訂されるべきネックですね。
回答、ありがとうございます。
自分はCODMnでしか測定をした事がないのですがCODCrの方が酸化反応はよいのですね。
確かに沸騰水浴でも管理しにくいものですが、電熱ヒーターというのはやはりCOD値としては使えないものだと確認できました。
酸化剤濃度に付いては自分が考えていた通りの回答をいただけて安心しています。
確かに公定法に全て合わせてというのは会社とすればコスト面、時間面で大変ですよね。
それでも一線はしたがって分析を行うようにもう一度上司と話してみます。
本当にありがとうございました。
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