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先日「目の色を変える」の意味を辞書で調べていたら、意味がわからない説明文に出会いました。
大辞泉には「目つきを変える。怒り・驚きや、何かに熱中するようすにいう」と書いてありました。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E7%9 …
そして大辞林には「目つきや表情を変える。怒ったり、夢中になったりするさまにいう」と書いてありました。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E7%9 …

そこで質問ですが、両方の説明文の末尾にある「~にいう」とはどんな意味でしょうか。「~を言う」ならば理解できますが、複数の辞書にある表現なので簡単に誤植と考えていいものかどうか、ためらっています。日本人としては恥ずかしいことですが、誤植でないとしたらどのような意味かお教えください。

A 回答 (4件)

自分は間違いには思えません。


「に」は「に対して」の意味だと思います。「怒ったり、夢中になったりするさま‘に対して’いう」ということです。

「怒ったり、夢中になったりするさま」を言いたいならそのままそう言えばいいですが、この場合「目の色を変える」というちょっと凝った表現を使うので、「そういう様子をいう」というよりも、「そういう様子に(対して)言う(使う)」といった方が、なんとなくしっくりくるというのはあります。あえて「~をいう」にしなかったのはそういうことなのではないかと。
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この回答へのお礼

「怒ったり、夢中になったりするさま‘に対して’いう」とは、全く考え付きませんでした。ありがとうございました。
あえて「~をいう」にしなかった事情については異論の余地がありそうですが、それはまた別の問題でしょうね。

お礼日時:2012/06/24 20:31

この場合の「いう」は「言う」ではなく、「謂う」なのですね。



【用例】車とは自動車を謂う。謂うところの、謂わば、

「称する・名付ける・いわゆる」という意で用いられます。
実際に誰かが発言したものを聞いたというような、言ったり聞いたりする感じではないのですね。 
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この回答へのお礼

そんな言葉があったのですか。初耳です。
貴重なご回答、ありがとうございました。

お礼日時:2012/06/24 20:58

格助詞の問題です。



「ようすにいう」「ようすをいう」の「に」「を」が格助詞ですが、「に」は格助詞の中でも最も用法が多く、いろんな局面で使用が可能です。

たとえば「人に頼る」「人を頼る」は、いずれでもOKでしょ?
これらで使用している格助詞「に」「を」は、「頼る」という動作の対象を示します。
「ようすに(を)いう」も同じで、「いう」の対象を、格助詞「に」「を」が示しています。

厳密にいえば、これらは少し意味が違う部分もありますが、「に」も「を」も、動詞の対象を示すことが出来る格助詞であり、それぞれ入れ替えられる場合もあります。

「ようすにいう」は、余り頻繁に使われる用例では無いし、特に口語的では無いですが、これも「を」と入れ替えて使える例であると覚えて下さい。

違う言い方をしますと、「に」は用例がとても多いので、便利といえば便利ですが、用例が少ない格助詞に比べ、どういう用例かが特定しにくく、「ようすにいう」などの言い方は、すたれてきてるのかも知れません。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。「すたれてきている」と言っていただけると、この説明文に違和感を覚えていた私も少し安心できます。
ちなみに広辞苑(1999年頃CD収録の第四版ですので、少し古いですが)では次のように載っていましたので、このような違和感が生じる余地はありません。
「怒ったり驚いたり熱中したりして目つきをかえる」

お礼日時:2012/06/25 16:41

この用法は、文語体ことに漢文書き下し文に良く見受けられるもので、簡略を旨とする、また古くから引き継いだ、このような辞書類においては、今なお名残となって見受けられるものです。



文語体の辞書では格助詞「に」の用法として次のように記されています。
(7)ニテ、ニ於イテの意なるもの。「朝に起く」「途に説く」
(8)ノ為ニ、ニ因ッテの意なるもの。「花見に行かむ」「多きに驚く」
(9)ニ就キテの意なるもの。「遊ぶに楽し」「悟るに易し」
(引用:大槻文彦「言海」)

この場合では、「「目の色を変える」トハ、「目つきを変える」モシクハ「怒り・驚きや、何かに熱中するようす」ニ就イテいう」という意味に取れば落ち着くでしょう。

漢文では古来、助詞の扱いで、「ヲ・ニ・ト(鬼と)逢うたら返れ」とされています。
「いう」と助詞の接続について、大雑把ですが、それぞれ、「~を言う」、「~に云う/~に曰う」、「~と謂う」といった使い分けも可能かもしれません。言い換えれば、「ヲ・ニ・ト」はまた、入れ替え可能な場合も少なくないことになります。

この格助詞「に」については、さらに次のような表現もあります。
「つくる【作る・造る】(「…に作る」の形で)ある文字の異体をある形で表わす。「『事』は古くは『叓』につくる」」(「国語大辞典」小学館)

結局のところ、格助詞「を」を用いての、目的格を立てた同定文としての断定口調を避けて、格助詞「に」にて補語句としての説明口調を残す言い方とも取れるものでしょう。
そういう点では、今日の意味的観点からは曖昧ではありながらも、「~をいう」という、やや極め付け風の押しつけがましさをさけた言い回しとしてのソフトさには、いささか捨てがたい面もある思いもしています。
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この回答へのお礼

文語体に端を発していた表現だったのですか。文法に則った本格的なご説明、ありがとうございました。
正直申して難しくて完全には理解できない内容ではありますが、このようにご説明いただけると気が済みますね。

お礼日時:2012/06/26 05:32

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