A 回答 (5件)
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No.5
- 回答日時:
ある人から同じ問題を聞かれましたので、この欄を借りて答えます。
すでに回答がいくつかなされていますが、かならずしも満足のいく回答とはいえません。まず、生産者(企業の)の供給曲線から答えましょう。市場供給曲線は個々の企業の供給曲線を(当該財の)市場に参加しているすべての企業について集計したものです。まず供給曲線が問題になるのは、市場が完全競争市場の場合だけあることに注意しましよう。独占市場や寡占市場には供給曲線は存在しません。完全競争市場とは、市場に参加するすべての主体(企業、消費者)が価格を所与として(すなわち、プライステイカーとして)行動する市場で、とくに完全競争市場の企業を競争企業といい、競争企業だけが供給曲線を持つのです。(競争)企業の(ある財の)供給関数とは、(当該財の)市場価格のそれぞれの値に対してその企業の利潤最大化生産量を示したもので、供給曲線とは、その供給関数を、価格を縦軸に、生産量を横軸にとって表わしたもの(グラフ)です。独立変数である価格を縦軸に、従属変数である生産量を横軸にとるのはマーシャル以来の経済学の伝統(慣習)です。では、個々の競争企業の供給関数はどのようにして導かれるでしょうか?いま、市場価格がある値pに与えられたとき、企業の利潤最大化条件は
(1) p = MC(q)
であることを思い出しましょう。つまり、企業は自らの(当該財の)生産量qを、限界費用が与えられた市場価格に等しくなる水準に決定するということです。ここで、MC(q)とは当該企業の、生産量がqのときの限界費用です。利潤を最大化する競争企業は与えられたすべての価格に対して(1)に従って行動しますから、(1)式が供給曲線にほかなりません。より正確には、価格pを縦軸に、数量qを横軸にとって描いたも(1)式のグラフをこの企業の供給曲線と呼ぶのです。なお、この企業の供給関数は(1)をqについて解き、qを価格pの関数としてあらわしたもの、すなわち、(1)の逆関数q = MC^(-1)(p)で与えられます。したがって、「なぜ供給曲線は右上がりの曲線なのか?」という問いに答えることは、(1)式の右辺の、限界費用曲線MC(q)がなぜ右上がりの曲線なのかということに答えることにほかなりません。では限界費用は生産量qの増加とともになぜ逓増するのでしょうか?短期においては固定的生産要素が存在し、可変的生産要素を増やしていっても産出量は「限界生産力逓減の法則」によって可変的生産要素の投入量とは比例的には増えないからです。例をとって説明しましょう。ある野菜をつくる生産者(企業、農業法人)を考えましょう。この野菜生産者は土地、労働、肥料を投入して野菜を生産しているとします。この生産者はある面積の土地を土地所有者から賃貸する長期契約を結んでおり、短期にはこの契約によって与えられた土地のもとで野菜生産を行うしかないとします(土地の賃貸契約期間が終了すれば、契約を改めたり、別の土地所有者と新たに契約したりして、土地面積を拡大したりすることができますが、これは「長期」の問題です)。したがって、この例では土地が固定的生産要素であり、労働と肥料が可変的要素(投入量を自由に増やしたり減らしたりすることのできる生産要素)です。この一定の土地を使って野菜生産を拡大していくためには、土地を集約的に使って労働や肥料の投入量を増やしていくしかありませんが、このように一つの要素(この場合土地)の投入量が固定していると、生産の拡大にも限度があり、限界費用(生産をもう一単位増やすためにかかる追加的費用)は生産の増大とともに上昇していくことになるのです。この事実を限界費用逓増の法則と呼ぶことがありますが、この限界費用逓増の法則によって供給曲線は右上がりになるのです。
いま、ある価格のpのもとである企業の生産量qが(1)を満たしている、すなわち、このqは市場価格pのもとでこの企業の利潤最大化生産量だとします。ここから生産をこのqからさらに増やし、q'にするには価格pから上昇しp'=MC(q')とならなければならない。逆に言うと、価格がpからp'へ上昇すると、生産量(利潤最大化生産量)はqからq'へ増加するのです。これが供給曲線右上がりの意味です。なお、この市場に参加しているすべての企業が(1)の形の供給曲線を持っているとき、それらを集計した市場供給曲線も右上がりの曲線となることはいうまでもないでしょう。
No.4
- 回答日時:
供給曲線の見方は、No.2 aokisikaさんの説明の通りです。
供給曲線をどのような考え方で描くかは、No.3 noname#164990さんの回答が良いと思います。
ただ、非常に単純に考えて、
「供給曲線」
⇒ 「供給量が決まる状況を示す曲線」
⇒ 「価格がいくらなら、どれだけの数量を供給するのかをグラフにした曲線」
⇒ (価格が高ければ高いほど、売ろうとする人も、沢山売りたいと思う人も増えて、販売量、生産量は右上がりに増える」
⇒ 「供給曲線は右上がりになる」 でも構わないでしょう。
No.3
- 回答日時:
No.2の方の説明通り、
供給曲線とは要するに供給関数のグラフであり、
普通は縦軸と横軸を入れ換えて図示されます。
供給関数sは価格pの下で利潤を最大にする
供給量s(p)を与えます。
「供給曲線が右上がり」は
「sのグラフが右上がり」と同じことなので、
「sが増加関数」と同じことです。
ところでsは増加関数とは限りません。
よって供給曲線は右上がりとは限りません。
それを見るために定義に戻ると、
s(p)は
利潤px-c(x)
(cは費用関数)
を最大化するxに他なりません。
しかし利潤を最大にするxが
pとともに増加するかどうかは定かではありません。
そのようなxの動きは
費用関数cの形に依存するからです。
費用関数c、つまり生産技術によっては
sが増加関数ではない場合があるのです。
(試しに、具体的な関数cをいろいろ当てはめて
s(p)を求める実験をしてみてください。)
したがって、
「なぜ供給曲線は右上がりか?」への答えは、
「右上がりとは限らない。
右上がりなのは、生産技術に関して
一定の仮定を置いている場合に限る。」
ではどんな仮定がいるのかというと、
それは
「限界費用逓増、右上がり、供給曲線」
などのキーワードを調べてください。
このように、一見明らかと思われる法則についても、
それが成り立つ前提をきちんと明らかにしているのが
経済学のいいところの1つです。
No.2
- 回答日時:
供給曲線は横軸が供給量で、縦軸が価格になっています。
そして、供給曲線は右上がりで、供給量の多いところでは価格が高くなっています。質問者さんの疑問点は、
「供給量が増えると、商品がだぶついて価格が下がり、曲線は右下がりになるはずなのに、右上がりになっている。商品が余って売れ残りが出ると安売りするはずなのに、逆に価格が高くなるのはなぜだろう?」
ということだと思います。
私も以前同じようなことを考え、不思議に思いました。で、いろいろと調べてみました。
結論を言うと、グラフの使い方が違うのです。
私たちは中学校の数学の授業でグラフを習いました。そのとき、
y=f(x)
という関数の考え方を勉強し、横軸の”x”が変化したら、縦軸の”y”がどう変わるのかを考えましょう、と習いました。ですから、「横軸の供給量が変わったら、縦軸の価格はどう変わるのだろう?」と考えるわけです。中学の数学でそう教わったのです。グラフはそういうように使うものだ、それが数学でのグラフの使い方の習慣だ、と習ったのです。
しかし、供給曲線のグラフが作られたころ、そのような習慣、「横軸が変化したら縦軸がどう変化するかを考える」という習慣はなかったのだそうです。人によってグラフの使い方はいろいろで、このグラフを作った人たちは「縦軸yが変化したら、それに伴って横軸Xはどう変化するか?」というグラフの使い方をしていたのだそうです。
このグラフは、縦軸と横軸の役割が逆なのです。ですから、「価格が変化したら、それに伴って供給量はどう変化するだろうか?」というように読むのです。グラフを作った人が、そういう意味でこのグラフを使ったのです。
価格が高くなると、高く売れるわけですから、利益が増えます。するとこれを売って儲けようとする人が増えますし、すでにこれを売っている人たちは、もっとたくさん売って儲けようとします。つまり、供給量が増えます。したがって供給曲線は右上がりになるのです。
No.1
- 回答日時:
基本的には人間の欲望が天井知らずだということでしょう。
具体的には自由社会での複数の供給もとの競争があるからだと思いますが、いはば盲目的な暴走の結果だと思います。お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
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