借地借家法の転借地権について教えてください。例えば土地がAの所有で、その土地上に建物を所有するBがAとの間で借地権(賃貸借契約)を設定しているとします。この場合の転借地権とはどのようなケースなのですか?
.
例えば建物をCに譲渡したとします。その場合、土地利用権は従たる権利として建物の所有権に付随していくと思われるので、借地権はBからCに譲渡されたことになり、転借地権は成立しないと思います。Aとの関係で譲渡された借地権が主張できるかの問題は残りますが、BとCとの関係では転借地権ではなく、借地権の譲渡になるように思います。
次に建物についてBとCの間で賃貸借契約が結ばれた場合ですが、Cの賃借権はBに対して建物を使用収益させろという権利にとどまり、土地利用権はあくまでもBの建物所有権の従たる権利である土地賃借権であると思うので、この土地利用権である借地権をBが建物賃貸人に過ぎないCに股貸しするということは奇妙に思えるのです。
つまり借地権はあくまでも土地の上の建物を所有するための権利なので、債権者に過ぎないCが借地権を股借りするなどということがあり得るのかな?などと思ったりしてしまいます。
私の考えに根本的な誤りがあるのだと思いますが、教えてください
No.2
- 回答日時:
>例えば建物をCに譲渡したとします。
その場合、土地利用権は従たる権利として建物の所有権に付随していくと思われるので、借地権はBからCに譲渡されたことになり、転借地権は成立しないと思います。Aとの関係で譲渡された借地権が主張できるかの問題は残りますが、BとCとの関係では転借地権ではなく、借地権の譲渡になるように思います。そのとおりです。
>次に建物についてBとCの間で賃貸借契約が結ばれた場合ですが、Cの賃借権はBに対して建物を使用収益させろという権利にとどまり、土地利用権はあくまでもBの建物所有権の従たる権利である土地賃借権であると思うので、この土地利用権である借地権をBが建物賃貸人に過ぎないCに股貸しするということは奇妙に思えるのです。
そのとおりです。
「例えば土地がAの所有で、その土地上に建物を所有するBがAとの間で借地権(賃貸借契約)を設定しているとします。」という事例ではなく、たとえば「BはAから土地を賃借した。さらにBはCにその土地を転貸して、Cがその土地上に建物を建てた。」という事例で考えて下さい。Bの所有する建物が存在していなくても、AとBとの間で土地の賃貸借契約を結ぶことは問題ありませんよね。
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。
なるほどそうですね。その場合だと転借地権という概念に納得ができます。すると、
借地借家法第2条1号が
一 借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。
と定義づけしていますが、
(1)いまだ建物が建築されていない状態で締結された土地賃貸借契約も、建物が建築された時点で借地権に転化する、あるいは
(2)いまだ建物が建築されていない状態でも、将来建物を建築することを予定されて締結された土地賃貸借は借地権に含まれる
のどちらかの解釈がなされるということでしょうか?重ねてお願いします m(_ _)m
No.3
- 回答日時:
転借地と言うのは、土地所有者Aから借りている者Bが、その土地の貸主となって他人Cに土地を貸すことです。
借地権の譲渡とは、Bの権限をAの承諾を得てCに譲渡することです。
どちらの場合でもAの承諾がないとAには対抗することができないです。
違いは、前者の場合、BはAに地代の支払い義務があり、CはBに支払い義務があります。
後者の場合は、Bは関係なくなり、CはAに支払い義務があります。
以上で、お問い合わせの前半の、Aの承諾を得ないで譲渡することが、果たして譲渡と言えるかどうか。
この点、建物だけを譲渡しても借地権を「従たる権利」と言えないと思います。
何故ならば、上記のとおり「転借地」と言う方法があるので、即ち借地権は一人歩きできるので「従たる権利」ではないと思うからです。
後段では突然と「債権者に過ぎないC」と言う文言が出てきたので戸惑いますが、Cは単なる建物賃借人とすれば、Cの建物使用権には土地の使用権も含まれていることが前提となっていますので「土地の又貸し」と言う考えはしない方がいいと思います。
「又貸し」とは、冒頭の「転借地」のことですから、CがBから建物を借りる場合にAの承諾が必要となり、これは違うので、BとCの関係では「建物賃借権は土地利用権も含まれている。」と考えた方がいいと思います。
例えば、Cの建物賃借権が有効に成立していても、AとBとの間で土地賃借権が消滅すれば、Cの建物退去は免れないので、法律構成とすればそのように思います。
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。
ただちょっと疑問が生じたので補足させていただきます。Aの承諾なしに行われたBC間の無断譲渡・転貸も当事者間では有効に成立し、民法561条の売主の担保責任の規定が類推適用されると思われますが・・。さらに賃貸借の無断譲渡、転貸の効果は背信行為と認めるに足らない特段の事情がある場合には解除権は発生せず、(最判昭28.9.25ほか)背信行為に当たるか否かの判断は、原則として使用収益の状態に変化がない場合は(譲受人・転借人が使用を開始していない場合)はいまだ信頼関係の破壊はない、とされています。あと、借地上の建物の賃貸は土地の転貸には当たらないという判例(大判昭8.12.11)があると思いますが、どうでしょうか?
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
>(2)いまだ建物が建築されていない状態でも、将来建物を建築することを予定されて締結された土地賃貸借は借地権に含まれる
上記が正しいです。ただし、建物が存在していない以上、当然、建物の登記ができませんから、第三者に対して土地の賃借権を対抗するとができないというリスクは生じます。(もちろん、土地に賃借権の登記がなされている場合は、建物の登記がなくても、第三者に対抗できます。)
よくわかりました。借地権というのは現に建物が建っている必要はなく、将来建てることを予定した土地利用権(地上権・賃借権)ならば借地権として扱われる・・、ということですね。
そういえば借地借家法2条1号 借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう
も、そんな風に読めますね。
大変参考になりました。ありがとうございました。
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