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No.1ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは
正直、どこから、どの程度深く説明すればいいのか悩みますが、
まぁ一般的に基本書に書いてあるであろう内容を書いておきます
物権的請求権とは、物権を持つものがその物権の内容の円満な実現が
妨害等された場合に、その妨害等の排除を請求する権利のことです
(例えば、自己が所有する土地に、第三者が何の権利も無く、
不法に住みついている場合に、土地の所有権に基づいて、
出て行けと請求できる権利のこと)
条文に直接根拠はないですが、判例・学説共に異論は無く、
・物権の直接支配性
・自力救済の禁止
上記の例で言えば、法によらず自分の力で直接相手を追い出すことは禁止
・占有権については、民法197条以下で占有訴権の規定が設けられており、
それからの類推適用されるべき
という3つが根拠とされます
そして、判例によれば、「物権的請求権は物権から不断に流出するものであって、
物権と独立しては消滅時効にかからない」(大判大6.3.23)とされています
もちろん、物権自体が消滅すれば、物権的請求権も消滅しますが、
物権が存在する以上は、物権的請求権も消滅しません
仮に物権的請求権がなく、物権だけが存在する状態を考えると、
第三者にその物権の内容を侵害されても、
その侵害に対して何も出来ないことになるので、物権の意義がなくなるから
と言った感じでしょうか?
(先ほど書いた例で言えば、自己の土地に不法に住みつかれても、
物権的請求権がなければ、追い出すことが出来なくなり、
そもそも土地の所有権の意味が無いよね?ということです)
そして、登記請求権については、以下の3つがあります
1.物権的登記請求権
実体法上の権利関係と、登記とが一致しない場合に、
その不一致を是正するために、物権の効力として生ずるもの
2.債権的登記請求権
契約などの当事者間の合意によって、生ずるもの
3.物権変動的登記請求権
不動産登記法による、物権変動の過程を忠実に反映しなければならない
という要請に基づくもの
(もちろん、ある登記請求権が、必ずしも1~3のどれか1つのみに
当てはまるものではなく、2つ以上のもので説明できるものも多いので、
どこまでこの3つに分ける実益があるのかは、正直疑問がありますが。。。)
例えば、不動産が、A→Bに売買された場合に、Bが持つ登記請求権は
1~3いずれでも説明できます
しかし、A→B→Cと転売された場合に、BがAに対する登記請求権については、
一度契約している以上2でも説明できますし、
実体法上一度Bのものになっているので、3でも説明できますが、
Cに転売したためBは物権を持っていない以上、1では説明できません
もっと具体例をあげたほうが良かったかもしれませんが、
あまりに長文になるので。。。
参考になれば幸いです
No.4
- 回答日時:
#3さんへの回答になります。
質問者様には大変ご迷惑をおかけいたします。
ご指摘のとおり、物権のすべてが消滅時効にかからないとの記述は明確な誤りですね。
後述の例の所有権を念頭においていたため、誤って一般化してしまいました。
ご指摘のとおり、所有権以外の物権は消滅時効にかかります。訂正いたします。
借地借家法に関する指摘ですが、その点は念頭にありました。
ただ、私自身が提示した例示において問題となる点であってご質問とは直接関係のないことであるうえ、できるだけ簡略化したほうがわかりやすいであろうという一応の配慮から、あえて捨象させていただいた次第です。
建物買取請求権について直接に問題となる質問であれば本回答は誤りといえると思いますが、原則論から一般事項に関する説明を試みたものですので、本質問との関連では誤りとは考えておりません。
もっとも、他の方へ誤解を与えないためにも、(建物買取請求権についてはあえて省略)等の記述が必要であったかもしれませんね。
質問者様には重ねてお詫び申し上げます。
No.3
- 回答日時:
#2さんへ
回答に対して、他の回答者が質問するのは掟破りかもしれませんが、2点ほどご確認下さい。
>そして、前提として物権は消滅時効にかかりません。
これは本当ですか?地上権、永小作権、地役権など物権にはいくつかありますが、
全て消滅時効にかからないのですか?
>土地の賃貸借契約の期間が終了したとする(中略)Aが所有権に基づいて、Bに対して建物の収去を請求できる
これは本当ですか?建物買取請求権がありませんか?
参考URL
http://www37.atwiki.jp/gyouretulaw/pages/26.html
もし当方に誤解があれば、速やかに上記サイトは訂正いたしますので、
よろしくご回答下さいますようお願いいたします。
No.2
- 回答日時:
>「物権的請求権は消滅時効にかからないから」というのが、よく分からないのですが、
なぜかからないのでしょうか?
物権的請求権は、物権の性質上当然に発生する権利です。
そして、前提として物権は消滅時効にかかりません。
ですから、消滅時効にかからない物権から発生する物権的請求権も消滅時効にかからないのです。
たとえば、物権の典型例として、「所有権」がありますね。
所有権から派生する物権的請求権としては、たとえば「所有権に基づく妨害排除請求権」があります。
自分の所有する土地上に、不法に建物が建築された場合などには、この物権的請求権を行使することになります。
自己の土地の所有権があるのに、その上にある不法建築物の排除ができないなんておかしいですよね?
つまり、物権である所有権と、そこから発生する妨害排除請求権とは不可分一体のものなんです。
物権的請求権があるからこそ、物権の排他性があるともいえます。
>そもそも「物権的請求権」と「債権的登記請求権」の違いもよくわかりません。
たとえば、Aが自分の土地をBに貸しており、Bはその土地に建物を建てていたとします。
Bは土地の賃借人ですから、Bが建てた建物は不法建築物ではありませんよね。
ところが、土地の賃貸借契約の期間が終了したとする(更新もされませんでした)。
そうすると、BはAの土地に建物を建てる正当な権限を失うことになりますから、Bは不法占有者となり、Bが建てた建築物は不法建築物となってしまいます。
この場合、Aが所有権に基づいて、Bに対して建物の収去を請求できる(つまり妨害排除請求をすることができる)ことはすでに上で書きました。
この場合のAの請求は所有権に基づくものですから、物権的請求権ということになります。
他方、賃貸借契約では通常、賃貸借期間が終了した場合には、賃借人(B)は建物を取り壊し、土地を更地にして賃貸人(A)に返還せよ、という約束がなされています。
つまり、BはAに対して、賃貸借契約における約束に基づいて、建物を収去する義務をも負っているのです。逆に言うと、Aは賃貸借契約における約束に基づいて、Bに対して建物を収去するよう請求する権利を有しているのです。
これが債権的請求権です。
この例では、いずれにしろAはBに対して建物を収去するよう請求できるのですが、その根拠を「所有権」にもとめる場合は、当該請求は「物権的請求権」となりますし、その根拠を「賃貸借契約における約束に基づく権利」にもとめる場合は、当該請求は「債権的請求権」ということになります。
おわかりになりましたでしょうか。
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