No.1
- 回答日時:
液体から結晶ができるというのは,液体状態より結晶状態の方が安定だからです.
ただし,これは無限に大きい系を考えたときのことで,
結晶の核は有限の大きさ(それもかなり小さい)ですから,
表面のエネルギーも考えないといけません.
単位体積あたり結晶の方がエネルギー(正確にはギブス自由エネルギー)が
εだけ低いとしましょう.
結晶の核の表面のエネルギーが単位表面積あたりγとすると,
半径Rの結晶の球形核ができたとして,エネルギーは液体状態から測って
(1) ΔE = -(4/3)πR^3 ε + 4πR^2 γ
だけ変化します.
Rが大きくなるにつれ,最初は増加,最大値があってその後は減少ですね.
微分してみればわかるように,R0 = 2γ/εで最大値ΔE0 をとり
(2) ΔE0 = 16πγ^3/ε^2
です.
したがって,R0 より大きい核ができれば勝手に成長しますが,
R0 より小さい核は液体状態に戻ってしまいます.
ΔE0 のエネルギーを熱ゆらぎで乗り越えないといけないので,
乗り越える確率は exp(-ΔE0/kT) に比例します.
k はボルツマン定数.
ご回答ありがとうございました
しかし、いろいろな本で調べても
どうしてもわからないことがあります
(調べ方が悪いのだとは思いますが)
ΔE0のエネルギーの壁を乗り越える確率はなぜ
exp(-ΔE0/kT)
になるのでしょうか
統計力学の分配関数がこのような式になりますが
関連性がありそうですが、私にはその関連性が見えてきません
それと、ちょっと古い本を読むと、
「結晶の核ができる最初の瞬間はまだよくわかっていない」
とありましたが、現在はわかっているのでしょうか
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
> 統計力学の分配関数がこのような式になりますが
> 関連性がありそうですが
分配関数そのものでなくて,分配関数の定義に出てくるボルツマン因子
(1) exp(-ε_i / kT)
と同じことです.
状態iのエネルギーがε_i で,その実現確率が(1)に比例するというわけです.
どうして(1)になるかは,統計力学の教科書でボルツマン因子,正準集合,
ヘルムホルツ自由エネルギー,などのあたりをご覧下さい.
> ちょっと古い本を読むと、
> 「結晶の核ができる最初の瞬間はまだよくわかっていない」
> とありましたが、現在はわかっているのでしょうか
私もよく知りません.
本当に見た人はいないような気もしますが....
補足回答ありがとうございました
言われてみれば、自由エネルギーのあたりでそんな話があったような気がします
もう一度じっくりと読み直してみます
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