A 回答 (8件)
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No.8
- 回答日時:
日本の歴史上で「邪」と対をなす言葉を探すなら「聖(ひじり)」との言葉があります。
けれどこの言葉も社会構造の上から観れば「卑賤の民」と対を為すとの意味で「天皇」を指す呼称との説明もあります。中世の卑賤観念は「」などと呼ばれる身分階層にも表れ、定住しない職業階層の者もあれば寺社に帰属し埋葬などの死体処理などに携わる者を指す場合もあり、後者はとも呼ばれます。
「善」が道徳など何らかの価値観に基づく言葉であるとするなら、それは一般の辞書類では見つけにくいとも存じます。なぜなら本来的には「価値観との特定の領域のみ」で通用する言葉だからともいえます。
その人が生まれながらにして徳性を持った人物であるとするならそれは善性とも呼ぶべきであって、それが日常的には表に出て来ず、時として表に出るならば「本性を現した」ともいえるでしょうね、それが良い場合もあればそうではない場合もありますが。本性を現した、との言葉を普通に受け止めるならば、隠し事をしていた等の様に良くない部分が露呈したとの印象が多分にあります。
No.7
- 回答日時:
こんばんは夜分に失礼します。
博学多識な方が既に多くの回答を寄せていらっしゃいますので、僕は少しばかり世間話の様な切り口になってしまうことをお許し下さい。「善」という言葉から僕が思い浮かべたのは、親鸞の「悪人正機説」や日本中世にみられる「悪党」と呼ばれる地域の有力な農民層を称する言葉でした。
親鸞の「悪人」は確か「悪い奴」の意味ではなく、凡下の輩や衆生といった普通の人々を指し、「悪党」は地域の有力な土豪層との記憶があります。
古代的な仏教ならば出家と在家の違いもありますが、中世の法然や親鸞そして一遍あたりの考え方にはその境目もさほどにはみられません。むしろ「信仰を持つ者」「仏に帰依する者」を善性ととらえ、普通の人を素性ととらえるのかな、と僕は理解しています。
確かに親鸞は「善人なほもて往生を遂ぐ、況んや悪人を哉」と「悪人」の言葉を用いていますが、これは「善人」をつまり「自力本願の人」とし自己の能力で悟りを開こうとする人と規定したことで、逆に仏に頼ろうとする気持が薄いが、煩悩にとらわれた凡夫(悪人)は仏の救済に頼るしかないとの気持が強く、阿弥陀仏に救われるとの「他力本願」を説明する意図があることによります。
この意味でいえば「善人」に対する「凡夫」、「善性」に対し「素性(すしょう)」で良いかなと考えます。「邪」にはどうしても「よこしまな」との意味合いが強く、しかも「規範」に背くとの語感が働きます。
あるいは儒家に対する道家との対比ならば、前者は性善説、後者は性悪説ともされていますが、これも儒家からみた考え方であって必ずしも妥当とは言えないでしょう。
儒家はある意味「理想主義」ともいえ、その理想も「天命」などというわけの分からないものを至上としそれに至るべく思索や行動を凡人にも求め、対峙された道家は「あるがままの形」を先ずは認めた上で、できることをするとの人間くさい「現実主義」ともいえます。
僕だったら「すっぴん」→「あるがまま」→「素性(すしょう又はすせい)」としますね。
昔、そのように悪という言葉が使われた時には、悪徳を為した者という意味ではなかったんですね。
「善人なほもて往生を遂ぐ、況んや悪人を哉」はそういう意味ですか!
その善と悪の使い方は現代の一般的な使い方と違うので、こちらのような一般人には理解が難しいです。
そのような場合は、「邪」の観念が取り上げられなかったんですね。
そうなんでしょうが、何があってもできることをするというのは、怠けることではなく向上することだと思うので、そういう意味ではどちらも進化主義といえるかもしれませんね!
あるがままの状態を否定しないで、今できることをして生きていくことが現実的でもあり、そして理想的でもありますよね!
(反論ではありません。念のため...)。
ありがとうございます!!(^∇^)
No.5
- 回答日時:
#1の補足と訂正
中国語の辞書を引くと、善性という意味は、天生善良的人とあり、これを日本語に訳すと、「人々の生来の善良さ」となるようです。
但し、これの対語(反対の言葉)は、中国語の辞書にもありませんね。
日本語では、性善説という言葉があり、その意味は、人間の本性は基本的に善であるとする考え方で、その考え方は、孟子の教えによるもののようですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%80%A7%E5%96%84% …
これに対して、中国でいう性悪説を唱えた方に、荀子がおられますが、この場合は、人間は、生まれながらにして、弱い存在のものであるという考え方ですね。ですから、悪という意味とは異なり、キリスト教の世界の原罪とも根本的に違う考え方のようです。従って、悪という同じ漢字を使うと、ますます理解が難しいのかもしれません。
ですから、私は、日本語の特徴を敢えて簡潔に書きました。(おはようの例や、ひらがな・カタカナ・漢字のこと)
結論から申し上げると、そもそも、善性の反対の意味が発想に無いのですから、中国的には、考えることが難しいのだと思います。
そこで、日本語や他の文化を含めた考え方を取り入れないと、ご質問者の求めたい回答に近づくことが難しいと考えました。
本来は、中国文化の影響を受けている日本ですから、その後、欧米を中心とした西洋文化等、他の異文化を含みながら使われている日本語で考えるとすると、
善性(そもそも中国語ですが・・・)に対しては、強いていうならば、「性悪:しょうわる」が近いかと思います。しかし、中国語の辞書「漢典」には、掲載されていない言葉です。
尚、日本語の「性悪:しょうわる」とは、性質の悪いこと。また、そのさまや、その人のことを言います。但し、対語の一般的な用い方ではないと思います。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/110608/m0u/
さて、中国語の辞書の内『漢典』を検索しますと
http://www.zdic.net/c/c/14c/329665.htm
悪性というのも、見つかりません。但し、以下のものは検索できます。
(1)善性(shàn xìng):谓人善良的本性とあり、日本語に訳すと、人の善良な本性のこと
(2)邪性(xié xìng):邪悪な心のこと
(3)畜生(chù shēng):(イ)動物の総称(ロ)悪い言葉。教養のない動物のこと。
尚、日本サイトの中国語辞典を調べて出てくる中国語は、中国語サイドの辞書で確認をしないと、使われていない言葉も多々あるようです。また、考えの発想が異なりますから、その言葉が使われている文化的な背景を含めて考えないと、大きな過ちを犯す場合があります。
そういう意味では、中国語の善には、goodの意味だけではありませんし、孟子の教えの善性にも、goodの意味だけではない、もっと深慮のある文化が込められていますね。
ということで、回答に近い日本語で、ご質問者の方が、比較的納得しやすい言葉は、「性悪:しょうわる」だと思います。
No.3
- 回答日時:
仏教の関係の人なら、思い当たる言葉がありますね。
手元の『仏教学事典』(法蔵館)で、「三性」で調べてみると、最後の方に、
「すべてのものの性質を宗教の倫理的立場から、善、不善(悪)、無記の三性とし、この三性によってものの性質を区別して明らかにすること」
とか書かれています。
読みは、善性(ぜんしょう)、悪性(あくしょう)と読ませていたはずです。
悪性(あくせい=malign)とは意味が違います。
ちなみに、goo辞書では、
悪性(あくしょう)は載っていて、
「悪い性質。たちのよくないこと。また、そのさま。特に、酒色にふけりたがる性質などをいう。」
となっています。
仏教の関係の人なんですね。
ぜんしょう・あくしょうと読む善性・悪性があり、いわゆる(?)善性(ぜんせい)・悪性(あくせい)とは、意味が多かれ少なかれ違うのですね。
上に続く。
No.1
- 回答日時:
善性という言葉は、元々中国語ではないですか?
日本語では、その名残として使いますが、一般的ではないので、辞書にないのかもしれません。
また、意味から考えると、「善」に対しては、「邪」でしょうね。
ただ、邪性という言葉は、中国語ではありますが、やはり、日本語としては、通常、使いません。
さらに、常に、善と悪 又は 善と邪が反対になるとは限りません。
例えば、邪論の反対は、正論といいます。
つまり、日本語で、邪と使う時には、「よこしまな」とか、「間違った」とか、「劣悪な」という意味がありますね。
となると、どうやって使ったら良いの?というと、本当に、その言葉に使い慣れるという方が、正解!だと思います。
というのも、そもそも日本語は、規則的・機械的に、組み立てられた言葉ではありません。
中国の漢字の一部省略したものがカタカナとなり、崩したものがひらがなとなっています。
しかもそこに、伊呂波(いろは)48文字というものが選ばれ、漢字と共に、音で組み合わされています。ですから、元々の、カタカナやひらがなの文字には、それなりの意味がありますが、音として組み合わせて使う場合には、その意味を持たない場合も多々あります。
具体的には、
おは、於の草体から。 但し、於は、~にての意味
はは、波の草体から。 但し、波は、海のなみの意味
よは、与の草体から。 但し、与は、あたえるの意味
うは、宇の草体から。 但し、宇は、建物・屋根・天幕などを数える時の助数詞や、大きい屋根で覆われた家またはそのひさしや軒の意味、さらには、大空に覆われた世界または天下の意味。
しかし、おはようというと、これらの意味の組み合わせではなく、朝のあいさつに使う言葉です。
というわけで、日本語に限らず、他の国の言葉も似ていると思いますが、同じ言葉でも、時代により、文化により、使い方が異なる場合もあります。
ですから、どのような状況で、どのように使いたいかをはっきりすることが大事だと思います。
尚一般的には、生まれながらにして善良な人という意味での「善性」的な意味に対する日本語は、『畜生』と言います。
国語に詳しいですね。
何かを言葉で表現したい場合、時と場合によって適切な言葉を考え、言葉を使い分ける、とか、一般的に使われている漢字・言葉が無かったりしたら、自分で造語しちゃえ!!、のような解釈でいいですかね。
意味がわかる前までは善性の一般的な意味が(一般的には使われていなかったですが)、生まれながらのものではない人の善い面かと思っていたので、こちらの使いたかった所で注釈なしに使うのは、やめたほうがいいということがわかりました。
ありがとうございます!!(^∇^)
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