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【質問1】
PLLに関する本を読んでいると、「開ループ特性」と「閉ループ特性」という言葉がでてきます。
PLLは、VCOの出力を位相比較器に負帰還するので、「閉ループ特性」が重要だと思うのですが、
「開ループ特性」がなぜ必要なのでしょう?また、「開ループ特性」とは。どういう構成を意味しているのでしょうか?

【質問2】
利得が0dBとなる箇所で、位相余裕が60度以下という内容がでてきますが、なぜ、利得0dBにおいて、の位相余裕が条件を満たす必要があるのでしょうか?

ちなみに、位相余裕が-180度になれば、発振してしまうというのは、理解しています。

以上、コメント頂ける方、ご教示の程、宜しくお願い致します。

A 回答 (1件)

【質問1】についての解答


 「開ループ特性」は添付した図-1 PLLの閉ループブロック図において位相比較器の出力である位相エラー信号θeから位相帰還信号θiまでの伝達関数(これを開ループという)の周波数特性をいいます。具体的には、位相比較器の変換ゲインをKφ、ループフィルタの出ん辰関数をZ(s)、VCOの分周器の分周比をNとして開ループ伝達関数Topen(s)は

  Topen(S)=θi/θe=Kφ×Z(s)×(KVCO/s)×(1/N)   (1)

と表されます。この開ループ伝達関数の周波数特性を「開ループ特性」と呼びます。

 「開ループ特性」は閉ループの特性を吟味するために用いられます。これは閉ループの状態で扱うと系が不安定で発振してしまうような場合閉ループの特性を計算で求める事が非常に難しくなってしまいます。
 しかし、「開ループ」の状態で閉ループの特性を吟味できれば開ループはフィードバックがかからない状態なので発振してしまうこともなくなるため閉ループの特性の吟味が容易になります。
 そして、開ループの特性を【質問2】に出てくるような指標で閉ループの安定性を判別する事ができるのです。

【質問2】についての解答
  「開ループ特性」でゲインが 0dB で位相が -180度 になると発振してしまいます。しかし、ゲインが 0dB でも位相が -180度 から離れてゆくと発振しなくなってゆきます。周波数特性で言うと閉ループでの遮断周波数でのゲインのピーク値が開ループの0dBでの位相が-180度の場合は非常に大きな値を示すわけですが、開ループの位相が-180度から離れてゆくとそのピーク値もそれにつれて小さくなってゆきます。位相余裕が60度、すなわち、開ループのゲイン0dBでの位相が-120度まで離れてきた場合ですが、この条件で閉ループでのピーク値は0dBまで改善されます。もしこの位相余裕が30度しかない、すなわち-150度の場合は閉ループでのピーク値は 6dB にもなってしまいます。もっと位相余裕が小さければピーク値は更に大きな値になってしまいます。
 これが位相余裕の意味です。
「PLLの開ループ特性と閉ループ特性及び位」の回答画像1
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この回答へのお礼

ご丁寧な解説ありがとうございます。
ためになりました。もう少し勉強して理解を深めていきたいと
思います。

お礼日時:2013/12/28 11:28

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