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「原子の中心に原子核があり、周りの電子が原子核を中心としてぐるぐる回っている」

とは、どの教科書・本でも説明されています。

でも、どのような顕微鏡をみても、原子の世界は見えません。

では、どのようにして「原子核を中心として電子n個がぐるぐる回っている」という形を考え出したのですか?

電子の数など計算に基づく理論の説明なら数式でわかりそうですが、そもそも「原子核の周りに空間があり中性子が回っている」、という立体的な形のモデルに、どのようにしてたどり着いたか知りたいです。

数学や物理の初心者なので、へんな質問でしたらごめんなさい。
宜しくお願い申し上げます。

A 回答 (5件)

 古代ギリシアで、既に物質の最小単位として原子があると考える人もいました。

しかしそれはアイデアに過ぎず、検証は一切されませんでした。そんなことを調べる技術が当時になかったのですから、仕方ありません。

 自然科学としての原子の発見は、化学から始まりました。いろいろな物質が何らかの操作によって、別の物質に変化するのはなぜかということが謎でした。ただ、物質の最小単位として分子があるというのは、ほぼ確実だろうと思われていました。それを定量的に調べてみると、各々の変化は必ず一定の比率を示すことが判明しました(倍数の法則と呼ばれる)。

 それをうまく説明できるのが、分子はもっと小さな原子が組み合わさってできているという考え方です。さらに、陰極線の研究などから、物質からは非常に小さくて電気を帯びた粒子が出てくることから、原子には電子が含まれているということが分かってきました。

 しかし、物質は普通は電気的に中性です。すると、原子の一部である電子がマイナスとすれば、原子の電子以外のものはプラスの電気を帯びた何かだということになります。

 ここで原子のモデルとして、二つの仮説が出てきました。一つはプラスの電気を帯びた大きなボールの中に電子が入っているというモデルです。もう一つは、原子の中心に小さなプラスの電気を帯びた核があり、その周りに電子があるとするものです。

 この頃には、アルファ線、つまりヘリウムが電子を失った粒子の存在が知られていました。都合のいいことにプラスの電気の粒子です。このアルファ線を高速で薄い物質に当てれば、通過するものが出てきます。

 物質の電子はアルファ線より遥かに軽いので、アルファ線が通過しても、アルファ線の軌道を変えません。しかし、残るプラスの電気を帯びたものは重いため、原子もモデル次第で、アルファ線が真っ直ぐ通過するか、曲がるかが違ってきます。

 もし原子のプラスの電気の部分が大きなボールであれば、アルファ線は均等に分布したプラスの電荷の中を通過するので曲がりません。一方、小さな核がプラスの電気を持っているなら、アルファ線はそのそばを通過することになり、軌道が曲がるものが出てくるはずです。

 実験の結果、物質を通過するアルファ線の中には軌道が曲がるものが多数出ることが判明しました。それで、小さな原子核の周りに電子があるというのが原子だと分かりました。しかし、電子が単に原子核の近くにあるだけなら、すぐに原子核に落下してしまうはずです。

 そこで、まるで太陽系のように、原子核の周りを電子が公転していて、遠心力で原子核に落ち込まないのではないかと考えられました。

 それが、よく見る原子のモデルです。その仮説を提唱したのは日本人で、その名前を取って長岡モデルと呼ばれています。

 でも、これで終わりませんでした。電磁気学が発展して、電子が円運動をすると必ず電磁波が出るということが分かりました。電磁波はエネルギーがありますから、原子核の周りを公転する電子はエネルギーを失わざるを得ません。そのエネルギーは電子の運動エネルギーから出てくるしかありません。すると、電子の速度はどんどん落ちて、原子核に落下すると考えるしかありません。

 でも、原子はそんな変化を起こさず、安定して存在しています。長らく、このことは謎でした。20世紀初め、それを説明できる物理学、量子力学が出てきました。量子力学の説明は「電子は原子核の周りを公転していない。原子核の周囲に『確率的に分布』しているのだ」という、ちょっとイメージしにくいものです。

 しかし、そうなっているなら電子は電磁波を出してエネルギーを失わないので、原子が安定して存在できることが、きちんと説明できます。それで正しいことがいろいろな実験で確かめられました。高校の化学の教科書などに、原子核の周りの電子が円状に配置された模式図ではなく、何か奇妙な形の原子のイラストがあったりします。それは、電子が確率的に分布している状況を表したイラストなんです。
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この回答へのお礼

私のような素人でもイメージしやすいとても丁寧なご説明をありがとうございました。どうして私が学んだような原子構造で当時説明されたのか、また現在の量子論的解釈の原子構造のとらえ方も、概要を知ることができました。ただ、昨日本屋さんでみた学習教材では、検索で見る電子雲的な挿絵を扱っているものはほとんどありませんでした。学習指導内容の変化も、現代技術についていくのは大変なのかもしれませんね。

※みなさまのご回答も大変参考になりました。ありがとうございます。
また、質問本文で電子と間違え中性子と書いてありますが、電子の間違えでした。申し訳御座いません。

お礼日時:2014/02/13 05:41

原子が、原子核とその周りに電子がある、というものであることが分かった経緯は、他の方の回答どおりです。



そこで、月と地球(あるいは地球と太陽)のモデルのように、原子核の周りを電子が回っているという、誤ったイメージが付いてしまったのでしょう。電子の軌道(あるとすれば)は平面的ではく立体的ですし、量子力学的には電子雲といわれるものです。波としては定在波・・なのかな。

つまり、ぐるぐる回っているは間違ったイメージで、その間違ったイメージはやはり月と地球モデルから来てるのではないかと愚考します。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。私が学校で学んだときは、まさに惑星軌道のように一粒(あるいは複数の)電子が軌道回転している、というものでした。時代はずいぶん進んでいるのですね。

お礼日時:2014/02/13 05:33

「原子核の周りに空間があり電子が回っている」という立体的な形のモデルは古典的な考え方に基づいた物ですから、この見方は捨ててください。


電子は原子核の周囲に雲のような存在となって漂っていると考えてください。
原子の中で電子が特定の場所にあって、次の瞬間にどこにいるかなんてことは調べることができません。
つまり、電子がグルグル回っていると言う根拠はありませんし、間違っているいくつもの理由があります。
現在でもこのモデルで説明されていることは、とんでもないことです。
「電子雲」で検索すれば電子の状態を表したモデルが多く見つかります。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。電子雲、さっそく本屋さんで数冊の高校化学参考書にて、原子の構造を確認してみました。半分以上の参考書が昔の構造で説明していました。いろいろ勉強になりました。

お礼日時:2014/02/13 05:32

原子の中心には原子核があり、そこにはプラスの電荷を持った陽子が存在します。

もし電子が原子核の周りを回転していなかったら電子はマイナスの電荷を持っていますから原子核に引き寄せられ、陽子にくっついてしまいます。でもそうならないのですから、これは陽子が引き寄せようとする吸引力に対抗できるスピードが回転し、遠心力と吸引力が釣り合って平衡を保っていると考えるのが妥当ですよね。中性子は電荷を持たないので回転する必要がないので原子核内でじっとしていると考えるのが自然ですよね。ラザフォードはたぶんそのように推理を進めたのでしょう。

ただ電荷を持った電子が回転すると電磁波を出します。そうすると電子はエネルギーを失ってだんだん原子核に引き寄せられてしまうという矛盾に学者達は気付きました。これを解決するのに量子論というのが産まれて来たのですよ。ここからは少し話が難しくなりますから、詳しいことは大学で学んで下さい。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。理解できるようになりたいです。

お礼日時:2014/02/13 05:30

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%B6% …

ラザフォードさんがラザフォード散乱で見つけたというか、仮説の正しさを説明した。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2014/02/13 05:29

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