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先日とあるセミナーで投資有価証券の有税による減損処理に係る税効果の仕訳が紹介されました。
以下の例の最後の期末の仕訳が理解できません。
繰延税金資産210の取り崩しはわかるのですが、その他有価証券評価差額金455と繰延税金負債35が
どのような理屈で算出されたかがわかりません。

教えていただけないでしょうか。
宜しくお願いします。



例)X1年3月期に、その他有価証券の取得価額1,000を時価400まで有税で減損した。X2年3月期の時価は750まで回
復した。X3年3月期の時価はさらに1,100まで回復した。法定実効税率を35%とする。なお繰延税金資産の回収可能性はあるものとする。

X1年3月期
投資有価証券評価損 600/投資有価証券600
繰延税金資産210/法人税等調整額210

X2年3月期
投資有価証券350/その他有価証券評価差額金227.5                         /繰延税金資産122.5

X3年3月期
期首(洗替)
その他有価証券評価差額金227.5/投資有価証券350
繰延税金資産122.5/

期末
投資有価証券700/   その他有価証券評価差額金455
                        /   繰延税金資産 210
                        /   繰延税金負債 35  

A 回答 (2件)

こんにちは。



投資有価証券の評価差額は洗替法による処理ですから、期首の洗替処理後では、期末時価と取得原価との差額を算出し、税効果会計の適用を考えます。
ただ、本問の場合は減損処理が行われていますので、時価と比較されるのは原始取得原価(1,000)ではなく、減損控除後の取得原価(400)です。

X3期末の時価は1,100ですから、
借方計上の投資有価証券の増加額は700(1,100-400)、
その他有価証券評価差額金勘定(貸方)は 700×(1-0.35)=455
で、差額245(700×0.35)が税効果会計の適用額です。

もし原始取得原価が400でしたら、この245全額を繰延税金負債として計上するのですが、過去に1,000から400へと減損処理し、その際の繰延税金資産210が借方計上されている状態ですから、245のうち先ず繰延税金資産210を取崩し、差額35(245-210)だけが繰延税金負債として計上されることになります。その結果が、
投資有価証券700/ その他有価証券評価差額金455
        /  繰延税金資産  210
        /  繰延税金負債  35
という仕訳なのです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。理解できました。
重ねての質問で申し訳ございませんが、次のような説明もありました。

「減損処理時において、繰延税金資産の回収可能性がないと判断し繰延税金資産を計上しなかった場合で、
その後時価が回復したときにおいても、当該取得価額に回復するまでは減損による将来減算一時差異が減少
したと考える。したがって、上記の設例ではX2ねん3月期において将来減算一時差異250について繰延税金
資産の計上を検討し、X3年3月期においては取得原価を超えた100について繰延税金負債を計上することに
なる。」

この説明において「将来減算一時差異250について」と説明されているのですが、これは1000と750を比較
してのことだと思うのですが、なぜ1000と750の比較になるのでしょうか?
また、具体的に上記の場合 X2年3月期とX3年3月期の仕訳はどのような仕訳になるのでしょうか?

お礼日時:2014/03/01 17:02

#1です。



>この説明において「将来減算一時差異250について」と説明されているのですが、これは1000と750を比較してのことだと思うのですが、なぜ1000と750の比較になるのでしょうか?//

減損処理時において繰延税金資産の回収可能性があると判断した場合、X2年3月期の将来減算一時差異の額は、
(1,000-400)-(750-400)=250
です。式を整理すればまさに1,000と750の比較になります。この250を、時価が回復時したことを以てX2年3月期に復活させようという事なのです。
実際に下記で見てみましょう。


減損処理時において、繰延税金資産の回収可能性がないと判断した場合、X1年3月期には

繰延税金資産210/法人税等調整額210

の仕訳を切りません。それを時価の回復を以て、X2年3月期には、当初のご質問の中にあった仕訳

投資有価証券350/その他有価証券評価差額金227.5   
        /繰延税金資産      122.5

の前に

繰延税金資産210/法人税等調整額210

の仕訳を入れるのです。こうすれば、繰延税金資産の純額は当初、つまり減損処理時において繰延税金資産の回収可能性があると判断した場合、と何ら変わりなくなります。この繰延税金資産の純額は、
210-122.5=87.5
で、
87.5=250×0.35
なのです。つまり将来減算一時差異250について繰延税金資産の金額です。ただ、いきなり250と言われてもピンときませんよね。上記2本の仕訳で初めて見えてきます。


>具体的に上記の場合 X2年3月期とX3年3月期の仕訳はどのような仕訳になるのでしょうか? //

X2年3月期は上述したとおり、

繰延税金資産210/法人税等調整額     210
投資有価証券350/その他有価証券評価差額金227.5 
        /繰延税金資産      122.5


これ以降、X3年期首の洗替の仕訳も3月期の仕訳の当初の通りです。
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この回答へのお礼

なるほど!大変勉強になりました。
ありがとうございました。

お礼日時:2014/03/01 18:37

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