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0,05Mと0.01Mの過マンガン酸カリウム水溶液に軟鋼線を浸し、30分ごとに浸漬電位とpHを測りました。すると、90分後濃いほうはpH8.7程度になり、電位は+0.322V、薄いほうはpH10.1程度で電極電位は-2,01Vという不思議な結果になりました。また、薄いほうには黒い物質が軟鋼線上に析出したのに対し、濃いほうは少し黄色く変色しただけでした。濃度が違うことが原因なのでしょうが、それだけで電位の正負が変わるものなのでしょうか?実験失敗でしょうか?電気化学の知識がほとんどないので、原因究明のヒントなどを教えて欲しいです。

A 回答 (2件)

KMnO4が7+から2+に酸化されるためには、反応系が酸性である必要があります。


塩基性では、7+から4+までしか酸化されません。
MnO4^- + 4 H^+ + 3 e^- → MnO2 + 2 H2O
今回の反応では、鉄が酸化されているので
Fe → Fe^2+ + 2 e^-
全体としては
2 MnO4^- + 8 H^+ + 3 Fe → 2 MnO2 + 3 Fe^2+ + 4 H2O
K^+やOH^-を補正すると
2 KMnO4 + 4 H2O + 3 Fe → 2 MnO2 + 2 KOH + 3 Fe(OH)2
つまり反応が進めば進むほど、H+が消費され、塩基性が強まり、水に難溶性の
黒色のMnO2が析出するわけですので、実験事実は矛盾しているように思えます。

また、「浸漬電位」を測定したと書いていますが、これは過マンガン酸カリと反応しないような電極を浸して、鉄との間の起電力を測定したということですか?
正確な電位差はNernstの式などを使ってpHやイオン活量の補正する必要がありますが、
標準電極電位から液と鉄の間には+2.14 Vの電位差が予想されます。
プラスとマイナスは、軸の取り方次第ですので、測定結果-2.01 Vかつより塩基性の強い方が、まだまだ過マンガンカリが溶液中に残っている濃い方の結果のように見えます。
いずれにせよ、質問内容では情報不足ですので、電位差が逆転した理由までは
分かりません。
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KMnO4 +8H+ +5e ⇔ K+ +Mn2+ +4H2O 


左側へ反応が進むと塩基性、右側へ反応が進むと酸性になります。弱酸においては濃度が低いほど解離度が高いので、0.1MではpH10.1、0.5MではpH8.7となったと考えられます。
また、電極電位は反応が自発的(左向き)に進む時に+で示されます。上の式で考えると0.1Mが+、0.5Mが-となりますが、これはどちらを右辺、どちらを左辺に持ってきた状態で考えているかという問題なので、
K+ +Mn2+ +4H2O ⇔ KMnO4 +8H+ +5e
このように書き換えても同じ意味になります。
この式で考えると、0.1Mが-、0.5Mが+となり、実験結果と一致すると思います。もちろん+、-が変わっても、基準の問題なので、意味は変わりません。

また、軟鋼線上に黒い物質が析出というのは軟鋼線が酸化されたのではないでしょうか。
上の式にあるH+は水の加水分解からできたものなので、H+が消費されるとOH-が残ります。さらに5eも消費されていることから、例えばFeとの反応ですが
Fe +2OH- → FeO +H2O +2e
のような反応が起こっていると考えられます。

稚拙な説明で申し訳ありませんがこれでどうでしょうか。
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