ＰＨについて

ＰＨは｛Ｈ+｝｛OH｝＝１０*１０の１４乗で表され、合計のイオン濃度がＭＡＸ１０*１０の１４乗であり、ＰＨが１４以上は存在しないと思っていましたが、“それは学問上の話で、実際はＰＨが１４以上が存在する”という上司がいます。同僚に話してもはっきりとわかりません。どうなんでしょうか？

No.4 ベストアンサー 回答者： Julius 回答日時： 2004/05/10 21:40

まずは酸性度の限界について

純水1 Lには、約55.0 molの水が含まれています。
酸は、正確にはオキソニウムイオン[H3O^+]の解離を元にしていますので、
仮に酸が溶け込むことによる体積の変化を無視したとすると、
約-1.7 (= -log 55)前後よりも低いpHは測定できないことになります。
例えば硫酸は、H^+ + HSO4^- <-> H2SO4の酸解離定数が決定できないほどの
強酸であるにも関わらず、
約84%[w/w]水溶液(水と硫酸の濃度がともに15.2 mol/L)でpH = -1.2が
酸性度の限界であり、それよりも濃い硫酸水溶液では却ってpHは落ちます。
濃塩酸の場合、限界濃度である12 mol/Lから、pH = -1.1が限界となります。

一方塩基性の方は、[OH^-]の溶解度が限界となるので、
酸性に比べれば、少しだけpHの限界が広がることになります。
飽和水酸化ナトリウム(約19.5 mol/L)の場合、pH = +15.3まで
の塩基性を示します。

なお、正確にはpHは、オキソニウムイオンの「濃度」ではなくて、
オキソニウムイオンの「活量」(みかけの濃度と思って下さい)で定義されます。
pHが0以下や14以上では、測定上の都合からも正確なpHは測れません。
また酸解離定数自体は、活量と濃度が等しい低濃度で測定される値なので、
pHよりも限界が広く、-5とか+20とかいった値が登場します。

この回答へのお礼

非常にわかりやすい回答していただき有難うございます。これで私の悩みも解決しました。しかし、これを知っていたのが、我が会社で私の上司一人だったというのが不思議であり、悩ましくも有りです。

お礼日時：2004/05/11 08:30

No.3 回答者： Ichitsubo 回答日時： 2004/05/10 20:24

まず、ｐＨ書くのが正式です。

ｐＨの定義は
ｐＨ＝－ｌｏｇ[Ｈ+]です。
つまり水素イオン濃度が10mol/L以上であればｐＨ≦－１となります。
また水素イオン濃度が10^-15以下であればｐＨ≧15となります。現実的に有り得るかどうかは別の話ですが、
定義上はｐＨは任意の実数の範囲です。
現実的にはだいたい０から14の間には収まります。

逆に、ｐＨが14以上や０以下にならないとすれば
1 mol/Lの塩酸や水酸化ナトリウム水溶液というものが作れない、ということになってしまいます。

No.2 回答者： kikero 回答日時： 2004/05/10 19:57

　１０-14は、２５℃において水中に存在する水素イオン濃度と水酸イオン濃度の積（溶解度積、水のイオン積、、、）です。

　水酸イオンが１mol/L以上の濃度であれば、その相手の水素イオン濃度は１０-14mol/Lより小さいと云うだけで、現実にはあり得ます。
　高濃度ＮａＯＨ、水酸化４級アンモニウム、例えば水酸化テトラエチルアンモニウム；Ｎ（Ｃ2Ｈ5）4ＯＨ
などがそれです。　

No.1 回答者： Julius 回答日時： 2004/05/10 11:19

[H^+][OH^-] = 10^-14 (mol/L)^2

は水の溶解度積と呼ばれ、実験値です。
正確な値は温度に依存して変化します。

10 mol/Lの塩酸はほぼ100%、H^+とCl^-に解離しており、
[H^+] ≒ 10 mol/Lで、pH = -1.0
また10 mol/L NaOH水溶液もほぼ100%、Na^+とOH^-に解離しており、
[OH^-] ≒ 10 mol/Lで、pH = 15です。

この回答へのお礼

早速有難うございます。温度により変化するのはわかります。でも、アバウトの話で、学校で習った１０*１０の１４乗はなんだったんでしょうか？またＰＨが-１以下もしくは１５以上ってことはありえますか？お願いします。

お礼日時：2004/05/10 17:57