(残部の買取り)
甲(著者)は、本件書籍の増刷部数1,000部のうち700部について、契約終了時点で残部があった場合、甲は残部すべてを定価1,000円の80%にて買い取ることとする。
売れ残った場合の買取り部数の解釈を巡って出版社と見解の相違が生じました。
問題となっているのは、「1,000部のうち700部について」の解釈です。何を基準にするかで解釈は分かれます。私は売れた部数を基準にしていますが、出版社は売れ残った部数を基準にしています。
私の解釈の根拠は、担当者の「700部が採算ラインです」という説明にあります。すなわち、700部売れれば出版社は出版に要した費用を回収できるために著者が売れ残りを買取る必要はないという訳です。著者が売れ残りを買取るのは、売れたのが700部に満たなかった場合に生じる出版社の損失を補填するためです。
これに対して、出版社の解釈では、その根拠は ??? です。いったい、出版社の解釈の根拠は何でしょうか。皆さんのご意見をお聞かせください。私は、どう考えても合理的な根拠があるとは思えません。
(補足)
私の解釈では、700部を超えて売れた場合に出版社の収益は増えます。
しかし、出版社の解釈では、300部売れた時点で収益は最大となり、それ以上どんなに売れても(完売しても)出版社の収益は増えません。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
「1,000部のうち700部について」がどの箇所に掛かるのか、という点が問題になります。
国語的には、
1.「1,000部のうち700部について」→「残部があった場合」
2.「1,000部のうち700部について」→「残部すべてを」
という2通りの解釈が可能です。
ただ、1の解釈の場合、「1,000部のうち700部について残部があった場合」というのは、どういった場合なのか?という疑問が生じます。
つまり、「700部について残部がある」という状態は論理的に成立しない、ということです。
なぜなら、残部というのは「売れ残った数(販売できなかった数)」ですから、1000部出荷している以上、あくまで、「1000部を出荷したが売れ残った数」という意味にならざるを得ないのであり、「700部について売れ残る(販売できなかった)」とか「○○部について売れ残る(販売できなかった)」という表現は不合理だからです。
質問者さんの主張に合理性があると認められるためには、「出荷するのは700部である」という合意が双方にあった、という根拠を示す必要があるでしょう。
おそらく、「700部が採算ラインです」という言葉を、その根拠とされているのだと思うのですが、「700部が採算ライン」という表現は、「出荷するのは700部」という意味にはなりません。
それはご理解いただけるでしょう。
ですから、国語的視点からご自身の正当性を主張するのは無理だと思います。
それ以外の角度からアプローチなさるのがよろしいでしょう。
要するに、契約後に気づいたことではあるが、あまりにも著者にとって不合理な契約であり、商倫理的に納得できない、という角度です。
言ってみれば、高利のサラ金で借金したあと、利息が高すぎて法律違反である、とか、あまりにも手口が悪辣、且つ巧妙すぎて商倫理に悖るのではないか、といったクレームをつけるのに似ています。
これであれば、争う価値(意義)はあるのかもしれませんし、勝目(相手にある程度譲歩させる可能性)もあるのかもしれません。
しかし、契約書の文言について争っても勝ち目はありません、ということです。
この回答への補足
>1,000部のうち700部について残部があった場合」というのは、どういった場合なのか?
「1,000部のうち700部について」残部があった場合というのは、残りの300部については残部があろうがなかろうが関係ない(対象外)ということではないでしょうか。700部が売れれば出版社は損失を回避できるという訳です。
しかし、それは、あくまでも建前であって、本当は、ある程度の利益もそこには計上しているはずです。もしかしたら、本当の採算ラインは600部である可能性だってあります。その場合、600部から700部の部分については出版社は確実に利益を得ている訳です。
>契約後に気づいたことではあるが、あまりにも著者にとって不合理な契約であり、商倫理的に納得できない、という角度です。
覚書の解釈を錯誤していた訳ですので、当然、そういう角度から交渉することになると思います。
回答ありがとうございました。
出版社は、私が契約終了後になって異を唱えたことを「不合理」だと言っています。
私が異を唱えたのは、契約期間が終わってから「覚書」の解釈において出版社と見解の相違があることに気付いたからです。少しも不合理ではありません。
私は、私の解釈以外にあり得ないと思っていました。それは、担当者の「700部が採算ラインです」という説明に基づいています。私の解釈が間違っているとすれば、担当者の説明が不適切だった(担当者が虚偽の説明をしていた)ということになります。
さらに私は、その解釈に基づいて何度も出版社にメールしています。ですので、出版社は私の解釈が出版社の解釈と相違していることに気付く機会はあったはずです。しかし、出版社からその指摘はまったくありませんでした。
錯誤による契約は法的には効力はないのではないのでしょうか。私は、出版社が適切な説明を怠ったということを理由としてその契約の無効を訴えようと思っています。
No.5
- 回答日時:
>出版社の解釈の根拠は何でしょうか。
決まりきっている、ごく普通の内容としか思えませんが。
1.別契約(同一文書)で何回も契約しており、もめたことはめったに無い。
すなわち、商慣習である。
2.契約する前に意味照会をしてこなかったから、商慣習どおりの意味で
互いに了解していると解釈した。
3.契約内容について疑義がある場合、契約前に照会するのが契約者の義務である。
照会しない場合、文案作成者の解釈どおりとみなすのが商慣習である。
意味照会後(事後)に、まだクレームを入れているので、出版社からみれば
不当要求である。
※あくまで照会(=意味を聞き出すこと)。解釈を変えることは、
契約内容に対する再協議なので照会には該当しないことに注意。
こうなるので、当該出版社の言い分を根こそぎつぶすなら、
同一文書、別解釈で行った契約事例を探せ、そうでないとあなたに勝ち目が無い
と書いた筈ですが.....
この回答への補足
>別契約(同一文書)で何回も契約しており、もめたことはめったに無い。
確かに、そういう事例があるとすれば、出版社としては通常の商いと言えると思います。しかし、かつてそういう事例がなかったとすれば、どうでしょうか。
私の事例が初めてのケースだった場合、契約書の作成からその提示に至るまで、出版社に様々な不手際があるのは十分頷けます。
私の場合、口頭では「1年半」で合意した契約期間が、契約書では「半年」になっていました。そして、契約期間終了後においては、売残りの買取り金額が契約書に基づいて計算されていませんでした。
その杜撰な出版社の対応は、まさに呆れ果てるものでした。とても出版社の言うことを信用する訳にはいきません。
No.4
- 回答日時:
#2、#3です。
>「こちら」とはどのことでしょうか。
:
「700部について残部があった場合」です。
>「1,000部のうち700部について」残部があった場合というのは、残りの300部については残部があろうがなかろうが関係ない(対象外)ということではないでしょうか。700部が売れれば出版社は損失を回避できるという訳です。
:
『残りの300部については残部があろうがなかろうが関係ない(対象外)』というのは、「700部が採算ラインです」という出版社側の発言が根拠になっているんですよね。
しかし、「700部が採算ライン」というだけの発言から、「残りの300部については残部があろうがなかろうが関係ない(対象外)」という結論が導かれますかね。
わたしは無理だと思いますけどねえ・・・。
おっしゃるように、「出版社が適切な説明を怠ったということを理由としてその契約の無効を」訴えるのであれば、弁護士の才覚次第では、多少の譲歩を得られるかもしれませんが。
この回答への補足
>「700部が採算ライン」というだけの発言から、「残りの300部については残部があろうがなかろうが関係ない(対象外)」という結論が導かれますかね。
担当者がそう説明したということは、担当者も私と同じ解釈だったと思います。しかし、その時の担当者はその後、私の担当から外されました。どういう事情によるのかはわかりません。
私は、私の解釈に不合理なところはないと思っています。出版社の解釈こそ不合理ではないかと思います。どう考えてもそれを合理的とする根拠を見出せないからです。
出版社は、本が売れれば売れるほど儲かるのが通常のビジネスなはずです。しかし、出版社の解釈では、300部売れた時点で収益は最高潮になり、それ以上どんなに売れても収益は増えません。こんなバカな商売があっていいのでしょうか。これでは、出版社は売ろうと努力するはずがありません。売れない方が手間がかからずにいいということになります。
私の解釈では、700部を超えるまでは出版社の収益は増えません。売れない分を著者が買い取る訳ですので収益は変わりません。700部を超えた時点で出版社の収益は増加します。
今日、弁護士と相談しました。その弁護士も問題のある覚書だと言っていました。
回答ありがとうございました。
「1,000部のうち700部について」云々が文章として不完全であるのは争いの余地はありません。
もし、この解釈を巡って裁判になるとすれば、その解釈の合理性が争点になるはずです。
私の解釈は、「700部が採算ラインです」という担当者の説明にその根拠があります。
一方、出版社の解釈は、その根拠は不明確です。
出版社が明確な根拠があるというのなら、私は堂々と裁判で争いたいと思います。
果たして、出版社がどう応じるか・・・
No.3
- 回答日時:
#2です。
>錯誤による契約は法的には効力はないのではないのでしょうか。私は、出版社が適切な説明を怠ったということを理由としてその契約の無効を訴えようと思っています。
:
錯誤してもいたしかたない文面であった、ということですか。
たしかに、前述しましたように、文法的にはどちらの意味にもとれるのですが、「700部について残部があった場合」という状況があり得ない、あるいは不自然なものである以上、こちらの意味でないことは双方が理解していたはずだ、と判断されてしまうように思いますけどね・・・。
この回答への補足
>こちらの意味でないことは双方が理解していたはずだ、と判断されてしまうように思いますけどね・・・。
申し訳ありません。「こちら」とはどのことでしょうか。
近日中に出版社の担当者と直接会って説明を受けるつもりです。その際、弁護士の立ち合いをお願いしようと思っています。出版社がそのことに同意するかどうかわかりません。しかし、なんらやましいところがなければ、弁護士が立ち会ってどうってことないはずです。弁護士には守秘義務がありますので。
回答ありがとうございました。
>こちらの意味でないことは双方が理解していたはずだ、と判断されてしまうように思いますけどね・・・。
私は、700部売れなかった場合に700部に満たなかった部数を買い取ればいいものと思っていました。その解釈に基づいて何度も出版社にメールしました。ですので、出版社は、私が解釈を誤っていることに気付いてもおかしくないはずです。しかし、出版社からは何の返信もありませんでした。私が勝手に送ったメールですので、返信がなくても何ら支障はなかったのですが、その対応は私としては疑問を覚えます。
出版社は、私が売れ残りを買い取らなければならなくなってから異を唱えたことを「不合理だ」と言っています。しかし、私は、出版社から買取り金額が提示されるまで私の解釈に何の疑問も抱きませんでした。私の解釈こそが当然だと思っていました。出版社も同じ解釈だと思っていました。ですので、私が売れ残りを買い取らなければならなくなってから異を唱えたことは何ら「不合理ではありません」。
私にとっては、出版社の解釈こそが「不合理だ」です。
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