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高分子の平均分子量の表し方に、数平均分子量や重量平均分子量や粘度平均分子量などがありますが、よく意味がわかりません。

1)「数平均分子量は、分子量を分子の数で割ったもの」と書いてある本が多いのです。イメージはわかりますが、分子の数はどうやって求めるのですか?

2)数平均分子量や重量平均分子量から何がわかるのですか?

A 回答 (1件)

数平均は分子数で平均した分子量なので、モル数での平均と考えればいいのではないでしょうか。


簡単な例として、分子量28の窒素と分子量32の酸素の混合物の平均分子量を考えてみましょう。
窒素28gと酸素32gとを混合するとどちらも1モルずつなので、平均分子量は30となります。
重量平均は重量での平均なので、窒素28g酸素28gと同じ重量ずつ混ぜたときに、平均値は丁度中間の30になります。
同じ混合物では、重量平均分子量の方が大きな値になります。
高分子は種々の分子量のものの混合物ですので、
考え方は上の窒素と酸素の時と同じです。

実際の求め方は、高分子の本に種々測定法が書かれています。
数平均の代表的な求め方のひとつに末端基測定法があります。
直鎖状の高分子1本に末端基は2個とすれば、末端基の数を測定すれば、分子数が分かります。
このとき、大きな分子でも小さな分子でも1つの分子には末端基は2つで、分子量による優位性はありません。
簡便的に
詳細は省略しますが、株式会社の株主総会での発言権のように株式を沢山持っている人の方が、人数は1人でも発言権は大きくなると言った現象、分子量に大きく依存する現象、高分子全体ではなく高分子主鎖、セグメントによる現象、などは重量平均分子量に依存し、
分子の大きさには関係なく1つは1つ、株券を沢山持って手も1人ならば発言権は持ち株数に関係なく1人分、つまり分子量にあまり強く依存しない特性は数平均分子量に依存すると考えています。

高分子のガラス転移温度は分子量の増大により、高くなりますが、粘度ほど分子量には大きく依存しません。
ガラス転移温度の分子量依存性は数平均分子量に粘度の分子量依存性は重量平均分子量にそれぞれ依存します。
平均の目的は、混合物を何らかで平均したときに、平均した均一のもの置き換えたとき、同じ特性を示すことだと思います。

分子量に分布を持つサンプルの粘度平均分子量で求めたとき、その値の分子量(分布を持たない均一のもの)の極限(固有)粘度を測定すると粘度は同じ値になるのではないでしょうか。

同じように数平均が同じものを測定すれば、末端基の数は同じになるはずです。

目的とする特性(挙動)によって、平均の方法を工夫しているのだと思います。

なお、教科書の重量平均分子量の式では、モル数(分子数)と分子量で表記しているので、2乗の項が出てきますが、これを見て2乗平均だと勘違いしてはいけません。
モル数(分子数)と分子量の積が重量(質量)ですから、教科書の数式はまさに重量で平均しているのだよということを示しています。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
なかなかイメージできなかったのが、イメージできるようになりました。今後は、どんな時にどんな平均分子量が議論されているかを見ていこうと思います。

お礼日時:2004/06/19 19:15

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