
量子力学の「重ね合わせ状態」とは何を指しているのかが知りたく質問いたします。
物理を勉強したわけでもない一般人です。多くの人が 意味わからん としているのと同様に私も意味わからん となっております。
「極めて微細なスケールの世界の量子力学の世界では、複数の状態が同時に実現している。例えば、電子はスピンという属性を持つが、量子の世界では一つの電子がスピン上向きの状態と下向きの状態を同時に実現している、ということが起きる。」
との解説があります。
この手の話を聞いていると『「解らない謎」の部分を無理に「解っている事」と設定するから理解し難い表現になっているのでは? と思えてくるのですが、そんなことはないのでしょうか?
例えば、「重ね合わせ状態」とは『観測できない状態』という理解でいいのでしょうか?それとも実際に「重ね合さった状態」にあるということなのでしょうか?
重ね合わせ状態の解説には「観測するまでは雲のように薄く広がり、観測によって1点に集約する」とか「0でもあり1でもある状態」とか、いろいろなかたちで表現されるのですが、どうもしっくり来ない説明ばかりです。
そしてその後には「それはあなたが古典物理の常識で考えようとするから理解できないんだ」と匙を投げたような話がでてきます。
私が知りたいのは結論ではなくて、何が解っていて何が解らなくて、重ね合わせ状態とは何を指しているのかということです。
量子力学の「重ね合わせ状態」とはどのような状態を言い表しているのですか?
またなぜそう表現しなければならないのでしょうか?
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
>「極めて微細なスケールの世界の量子力学の世界では、複数の状態が同時に実現している。
例えば、電子はスピンという属性を持つが、量子の世界では一つの電子がスピン上向きの状態と下向きの状態を同時に実現している、ということが起きる。」よく上記のような説明があり、文章の趣旨は理解できます。しかし上記では誤解を生みます。「複数の状態が同時に実現する事」はありません。状態が実現するためには、観測する必要があるからです。観測した時に、可能性のある複数の状態の「一つだけ」が現実に実現されます。
では何故「状態の重ね合わせ」という言葉を用いるかと言うと、ひいき目に見れば一つには、実現可能な状態は全て量子力学でわかる(羅列できる)からです。でもそんな事は、古典力学でも出来ました。
問題は実現可能な状態の内、どれが現実に実現されるかを古典力学では100%予測可能でしたが、量子力学では確率的になる、という点です。典型的には電子がスピンの上下のように、どちらかなのだけれど、どちらになるかは50%の確率でしか言えない、という状況です。
この状況は、量子力学でどんなに詳細な計算を行っても、その論理に従う限り原理的に解消されない事が保証され、どんなに精密な実験や観測を行っても、50%の確率しか保証されません。
そして「状態の重ね合わせ」についてわかっている事は、「状態を表す関数どうしには足し算が成り立つ」という数学的性質のみです。「関数どうしに足し算が成り立つ事」を慣習的に今でも「線形重ね合わせが成り立つ」と言います。「状態の重ね合わせ」の由来は主にこの、「線形重ね合わせ」から来ています。
という訳で「状態の重ね合わせ」がいったい、どんな物理的状況を指しているのかは、全然具体的にわかっていません。何故なら「状態の重ね合わせ」状態は、絶対に観測できない事になっているからです。観測したら、「どれかの状態が実現する」からです。
量子力学はこういう風に、見事に(?(^^;))出口のない論理を備えています。しかし現在のところその結論は、計算すれば必ず当たります。
物理は実験(実証)科学です。たとえ「訳わからなくても」、実験(実証)と合致する理論が最重要視されます。
>「それはあなたが古典物理の常識で考えようとするから理解できないんだ」と匙を投げたような話がでてきます。
とは、言い当て妙です。とりあえず現状の物理は、「状態の重ね合わせ」の物理的解釈を基本的には棚上げ(匙投げ(^^;))してる訳です。
なので、「状態の重ね合わせ」が数学的便利用語に過ぎないという可能性は、現状では十分にあり得ます。その物理的解釈は今もって、「野のものとも山のものともわからない!」という状況だからです。
努力はされていますが・・・(^^;)。
書き込みありがとうございます。
とても解りやすくもやもやしていた話がかなりスッキリしました。
なんかこの手の主題を取り上げるときにマスコミとか科学ジャーナリストと呼ばれる人たちによって、多くの誤解を振りまかれているように思えてきました。
「重ね合わせ状態」と化学者同士で言っているならまだしも、一般に向けて「「複数の状態が同時に実現している」とか「重なった状態になっている」とかでは解説になっていないって改めて思います。「観測が不可能な状態」とか「ブラックボックス状態」とかいくつも解説方法はあるはずと思うのですが、、、。
ddtddtddtさんの書き込みで理解が深まりました。
書き込みありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
「パラメーターが一つ加わることによって軸ができてそれに従った状態の判断ができる。
」「パラメーターが加わっていない時点ではそれぞれが対等な差別化のできない状態にある。」
ひょっとしたらこういうことなのではないでしょうか。
No.3
- 回答日時:
厚みのないコインを跳ね上げると、空中にある間それは表であり、かつ裏である「重ねあわせの状態」となる。
コインには表と裏しかないわけで、例えば写真に撮ればそれは表に見える知れないし、裏かも知れない。つまり観測によって、結果はどちらにでもなり得る。
空中で回転する厚みがないコインを表だ裏だと決めるのは早計であり、表であるかも知れず裏であるかも知れない2状態が重なった状態と定義するのが量子式学である。表であるか裏であるかは確立的な関数表現で表され、そこではどちらの状態にあることも否定されない。
だから例えば1つの粒子が2カ所に存在しているという矛盾めいた状態も矛盾とならない。関数表現の上でどちらでもあり得るのであれば、その重なった状態こそが正しく世界を見た状態であり、計算上どちらにいるかを決める必要はない。
そうやって現象を「現実的に正しく表現」する事が量子力学の基本らしいですね。
No.1
- 回答日時:
今はディジタル型コンピュータが前提になっているので、理解が進まないのは仕方が無いことと思います。
ディジタル世界は0と1の状態を区別して保持しますが量子力学では「0と1の状態を重ね合わせて持つ」という状態。
>そしてその後には「それはあなたが古典物理の常識で考えようとするから理解できないんだ」と匙を投げたような話がでてきます。
量子力学はまだ一般的な教養とは思えないので説明が一定しないのは仕方の無いこと。
最近のニュースは量子論型コンピュータが5台ほど売れたようで。
研究機関が研究目的用に調達しているくらいだからいますぐ理解が進むようには見えないです。
量子力学の世界で登場する「シュレディンガーの猫」はまだ決着していないと聞いているので、まだ先の話かな?と。
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