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証券外務員試験の信用取引の問題で質問です。

「ある顧客が、時価1500円の上場銘柄A社株式1万株を信用取引で買い建て、委託保証金を現金および時価500円の上場銘柄B者株式で必要最低限差し入れました。
この場合、(1500円×10,000株)×20%=300万円が最低限必要な委託保証金となり、A社株の評価損をB社株の担保評価額から差し引いた額が300万円を下回ると、追加保証金が必要となります。
なお、当初の必要差入担保は1500万円×30%=450万円です。」

「最低限必要な委託保証金(300万円)」と「当初の必要差入担保(450万円)」の違いが理解できていないため、上記の中の「当初の必要差入担保は1500万円×30%=450万円です。」の部分がなんのことを説明しているのかがわかりません。
教えてください。

A 回答 (1件)

A社株 10,000株 @1,500 ¥15,000,000 の建玉(たてぎょく)  つまり信用取引で買いました。


この場合、実際に1500万円は無くても、一定比率の担保を入れれば、買うことが出来ます。
じゃあどのくらい担保を差し出せば良いのか?
この時に必要な、「一定比率の担保」というのが、「当初の必要差し入れ担保」です。
それは30%ですので、1,500万円×30% = 450万円です。

この450万円の担保は、すべて現金で納めることも可能ですし、株式で差し入れることもできます。
すべて現金で入れるならば、450万円を入れればよいです。

一部株式で入れることも可能です。このように、現金の代わりに担保として差し出す有価証券を
「代用有価証券」と呼びます。

たとえば、B社株5,000株(今日の時価500円) が手元にあるので、これを使うことにしましょう。
B社株は、500円 × 5,000円=250万円 の価値があります。
担保は450万円必要なので、この250万円に加えて、残り部分は現金200万円で入れよう ・・・ 
と思いますが、実はそれはダメです。

なぜかと言うと、代用有価証券の場合、上の例でいうと、250万円とは見てくれません。
なぜなら、代用有価証券(B社株)だって、毎日時価変動しますので、明日になれば250万円が230万円に
なってるかもしれないので、割り引いて評価されます。

この割引率を「掛目」(かけめ)と呼びますが、上場株式の場合、80%程度でしょうか。(証券会社によって異なります)
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/invest/sinyo/ta/daiyo …

したがって、250万円×80%=200万円と評価されますので、担保の450万円を用意するには、
代用有価証券B社株 200万円 + 現金250万円 が必要となります。

さて、このように取引が始まりました。
A社株を信用で買い建てた翌日、A社株が値下がりしてしまいました。1500円が1450円になってしまった。
1500万円の評価が、1450万となったわけですから、50万円の含み損が出てしまいました。
代用有価証券B株の株価は前日比変わらずの500円で引けました。

当初の差し入れ担保は、30%と言いました。450万円分入れましたよね。
50万円の含み損が発生したわけなので、理論上、この450万円のうち、50万円を食いつぶしてしまったわけです。
(まだ決済してないからあくまで計算上ですが)

結論から言うと、建玉の20%のラインを切った時に、追加保証金(俗に言う、追証(おいしょう))を入れなければなりません。
今回の例では、1500万 × 20% = 300万円。
当初入れた450万円から見ると、150万円下落したところ。
これが、「最低限必要な委託保証金」です。最低保証金維持率とか、追証ラインなどとも呼ばれます。
つまり、A社株の含み損や、B社株の時価変動による下落分が、150万円を超えてしまった場合に、追証を入れねばなりません。

例)
A社株が 1500円から1400円まで下落。100円下落×10,000株 =▲100万円の含み損
B社株が 500円から400円まで下落。 100円下落×5,000株=▲50万円の下落
あわせて150万食いつぶしました。当初差し入れ担保450万-150万=300万。
ここまではぎりぎりセーフ。追証は要らない。

だけど、
A社株が 1500円から1390円まで下落。110円下落×10,000株 =▲110万円の含み損
B社株が 500円から400円まで下落。 100円下落×5,000株=▲50万円の下落
こうなりますと、▲160万円を食いつぶしたので、当初差し入れた担保450万-160万円=290万円となってしまいました。

この場合、最低限、維持しなくてはならない担保20%(300万)を切ったので、追証を入れねばなりません。
その場合は、300万を回復するための10万円を入れるのではなくて、450万円を回復するための160万円が必要となります。

【まとめ】
・ 当初必要な担保は30%
・ 建玉の含み損、代用有価証券の値下がりなどによって、当初建玉の20%を切ったら追証が発生
・ その場合は、当初の30%ラインまで戻さねばならない。
・ つまり、25%とか、22%などのラインでは追証は要りません。

ご不明点あればお知らせください。
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この回答へのお礼

とても丁寧な回答をありがとうございました。
担保は初めは30%が必要で、20%を切ると追証が発生し、当初の30%に戻さなければならない。
よく理解できました。

お礼日時:2015/06/19 01:25

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