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チェコ語には「賦役」を意味するrobotaロボタという語があり、その語末のaをとったものである。チェコ語と同系のスラブ語であるロシア語にもработаラボータという語があって「労働」を意味する。またこの語はドイツ語のArbeit「労働」とも関係がある(ドイツ語のArbeitの語頭の二文字をひっくり返してみるとよく分かる)。しかし、スラブ語派とゲルマン語派にまたがるこの語の言語学的説明は容易ではない。
(チャペック『ロボット R.U.R.』千野栄一訳 岩波文庫206ページ 訳者あとがき)

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ロボットといふ言葉はカレル・チャペックの戯曲によつて世界中に広まつたさうですが、ドイツ語のアルバイトとも関係があるやうです。どのやうな「言語学的説明」がなされるのですか。

A 回答 (1件)

マックス・ファスマーのロシア語源辞典によると、チェコ語のrobotaやロシア語のработаの語根は、スラヴ祖語の *orbъ に由来し、さらに印欧祖語まで遡ると *orbę という形をしていたようです。

ドイツ語のArbeitは、この祖語の形から母音交代を経て出来上がった語だというのは、容易に想像できるでしょう。

つまり、語頭の二文字がひっくり返ったのは実はスラヴ語派の方で、ゲルマン語派の方が元の形に近いわけです。ちなみに、スラヴ語では -rb- という子音の並び(rという子音が前に来る)を嫌う傾向にあったようです。そこで r と b を引き離すために、最初の二文字をひっくり返った…ということだろうと想像します。
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この回答へのお礼

頭が変になつてゐたのは、ドイツ語ではなかつたのですね。英語のorphanも同語源といふ話をどこかで読んだ覚えもあります。最近の比較言語学の進展についてはさつぱりわかりません。わかりやすい回答をありがたうございました。

お礼日時:2016/01/15 22:57

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