プロが教えるわが家の防犯対策術!

本日(2016年7月21日)の日経一面にて取り上げられていた内容に対する質問です。新聞を一読しても理解していないの程度なので小学生に教えるつもりでご教授いただけましたら幸甚です。

【質問】
高額薬(ここでは小野製薬工業が開発したオプジーボ)に対して
1.専門医を置く
2.緊急対応ができることなどを要件とする使用ガイドライン(指針)を作る
とあります。

それによってどのようなメリット・デメリットが患者側にあるのでしょうか?
それによって製薬会社にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
それによってどのようなメリット・デメリットが政府にあるのでしょうか?

【質問をした理由】
何故この様な対策を政府が行うのか。。
必ずこのような時は誰かが恩恵を受け、そして誰かがその損害を受けるはずだと思っております。
本当のところを知りたいです。

宜しくお願い致します。

A 回答 (1件)

オプジーボの一番の問題は、価格が高い、ということです。


オプジーボ治療を、一年間行なうと3000~4000万円かかります。

現在は、悪性黒色腫及び切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんでしか使用が認められていませんが、理論的には大部分のガンに効く可能性があります。

ガンによる日本の年間死亡者数は、約37万人ですから、仮に半分の方がオプジーボを使うことになると、年間約7兆円が使われる計算になります。
オプジーボの延命効果があるとすると、一年で使用は終わらないでしょうから、もっと額は膨らみます。

また、理論的には大部分のガンに効果を持つ薬ですから、現在国が使用を認めていないガンにも使おうとする人はきっと出てくるでしょう。

日本の国民医療費は昨年2.2%増えて、40兆円を超えたということで問題となっています。
オプジーボだけで7兆円使うとなると、その財源をどこから手に入れるかが大きな問題です。

というより、そんな財源はありません。
どうしても財源確保をしようとすれば、増税か、他の医療費をけずるか、どっちにせよ不可能です。

ということで、国はオプジーボの使用は厳密な管理が必要と考えたわけです。

患者のメリット・デメリットですが、悪性黒色腫及び切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの方とそうで無い方で違ってきます。
悪性黒色腫及び切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの方は安定して使えますので、メリットがあります。
悪性黒色腫及び切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん以外のガンの方は、さしあたっては使えませんので、デメリットです。
他の病気の方は、オプジーボがあることで、医療費がオプジーボに使われるデメリットがありますが、使用を厳密に限定されれば、オプジーボに使われる医療費が最低限ですみますのでメリットです。

製薬会社はどっちにせよ大もうけですが、今回の政策で社会からの非難が少しでもかわせるかもしれません。

いずれにせよ、近い将来財源不足が生じることは確実ですので、政府はどのような政策をとっても非難されるでしょうから、頭を悩ましているところでしょう。
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この回答へのお礼

非常に分かりやすい回答誠にありがとうございます。つまり端的に言うと政府はこの画期的な高額薬の使用頻度が増えるとそれを支えるだけの財源確保が難しいから、ガイドラインを作りその指針に満たさない場合は公的医療保険を適用しないとする政策なのですね。

結論、そのシワ寄せは患者にくる。。。仕方がないのか、、ここまで高額なモノだと使われれば使われるだけ困るといったところでしょうね政府としては。ありがとうございました!

お礼日時:2016/07/21 14:51

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