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同じ名前のタンパク質は必ず同じアミノ酸の配列をしているのですか?また、もし同一名称のタンパク質でもアミノ酸配列が何通りもあるとしたらどこまでがアミノ酸配列の相違の許容範囲なんでしょうか?つまりタンパク質の名称が同じ場合、その名称に属するための共通項のようなものはあるのかということです。

A 回答 (1件)

同じ名前のタンパク質は、基本的には似たようなアミノ酸配列をしていますが、場合によっては局所的にしか構造が似ていません。


そういった場合は、タンパク質の立体構造を解明し解析する必要があります。

例えば、「アミノ酸トランスポーター」というアミノ酸の輸送に用いられるタンパク質がありますが、それらにはすごく沢山の種類があります。

「アミノ酸トランスポーター」は動物、植物、原核生物で全く違う構造を持つこともありますし、どの細胞小器官にいるかどうかでも全くタンパク質の種類(ファミリー)が違ったりします。
ものによりますが、アミノ酸配列が全く異なるものもあります。

例えば、大腸菌のABCトランスポーター複合体 GltIJKLはグルタミン酸を輸送しますが、同様にグルタミン酸を輸送するヒトのslc1a1とは全く異なります。
また、ヒトGC1は、ヒトのミトコンドリアでグルタミン酸を輸送するトランスポーターですが、ヒトのslc1a1とは全く異なります。
大腸菌GltIJKL、ヒトslc1a1、ヒトGC1はそれぞれ全く違う配列を持つにも関わらず、いずれも「グルタミン酸トランスポーター」と呼ぶことが可能です。
また、大腸菌のABCトランスポーター複合体 GltIJKLはグルタミン酸の他にもアスパラギン酸も輸送するので、「グルタミン酸トランスポーター」であると同時に「アスパラギン酸トランスポーター」
でもあると言えます。slc1a1やGC1も、主にグルタミン酸を輸送するだけであって、それ以外の別のアミノ酸も輸送する活性があるものと考えられます。

さらに、大腸菌のABCトランスポーター複合体 GltIJKLは、ATPのエネルギーを用いて(ATPase活性を使って)グルタミン酸とアスパラギン酸の輸送を行うトランスポーターです。
従って、GltIJKLはグルタミン酸やアスパラギン酸のトランスポーターでありますが、それと同時に「ATPase」でもあると言えます。

また、同じ人類であったとしても、人種の違いなどにより、同じタンパク質が全く同じ配列をしているとは限りません。
例えば当方のslc1a1やGC1の配列がご質問者様と全く同じではないかもしれません。

このように、「グルタミン酸トランスポーター」というタンパク質だけでも、かなりの多様性があることが分かります。
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この回答へのお礼

詳しい説明ありがとうございました。とても参考になりました。

お礼日時:2016/08/30 21:31

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